今回は絢香の『Victim of Love feat. Taka』の歌詞について考察していきます!
本楽曲は絢香さんが作曲、歌詞はワンオクのTakaさんが担当。
コロナ渦の中、二人はリモートで制作を重ね約半年の年月を経て完成した楽曲です。
二人のコメントを紹介します。
絢香:私は「Victim of Love」の作曲を担当しました。Takaくんの描く歌詞と合わさることをイメージしながらの作業には腕が鳴りました。(笑)
歌詞を歌うDemo音源が届いた時、彼の歌の存在感はもちろん、これまでの印象には無い表現も素敵で、とても感動したことを思い出します。
面識の無かった私たちですが、[ re: ]projectにTakaくんが声をかけてくれたことから始まり、共に楽曲を創るまでに至れたご縁に感謝しています!
意外な組み合わせに感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、「Victim of Love」、多くの皆様に聴いていただけたらと願っています。
Taka:今回「Victim of Love」を絢香ちゃんと共作し、歌えたことを本当に光栄に思います。
歌録り以外は全て電話やメッセージのやり取りだけで作りあげたこの楽曲ですが、僕自身こういったやり取りの中でこれだけの素晴らしい曲を作ることができてとても嬉しく思います。
レコーディングでは深く力強い絢香ちゃんの声に宿るパワーを見させてもらい、シンガーとしてもまたさらに成長でき、歌の持つ力を改めて感じることもできました。このような機会を与えてくれた絢香ちゃんに心から感謝しています。
皆さんにも「Victim of Love」 をたくさん聴いていただき、これからの人生の景色の一部にしていただけたら幸せです!
その名を知らない人はいない二人の豪華なコラボレーション。本楽曲の歌詞に迫ります。
『Victim of Love』歌詞考察
愛することに付きまとう「犠牲」
「Victim」とは「犠牲」という意味。タイトルは「愛の犠牲」と訳されます。
タイトルにもどのような意味が込められているのか気になりますね。
「わかってる君はここにはいない」の歌詞から、大事な人が既にここには存在していないことがわかります。失恋、引っ越し、ケンカ別れ、死別。様々な別れがありますが、ここはリスナーにゆだねられているのでしょう。
どんな別れであれ、大事な人を追いかけたいという気持ちは一緒。
たとえそれが許されないことでも、「君」を追いたい気持ちに善悪はつけられません。
もう会えないとわかっている主人公は「遠くからでいい僕を見てよ」と願います。
会えなくなってしまった人とどこかで繋がっていたい。そんな切ない気持ちが伝わってきますね。
今もなお慕う君へ
「We」となっていることから、主人公は失ってしまった「君」を今もなお強く慕っている。一心同体なのです。
二人で一緒に感じたすべてが主人公にとってのすべてなのです。
もういないはずの「君」に心を囚われ、ほかのものは何も求めない「僕」。
「僕」はいつまでも愛の虜に囚われている。すなわち「愛の犠牲」になっているのです。
もしも君が不在の世界があるならば
最も切ない場面。
「僕」の世界は「君」が作ったと言っても過言ではないのに、もう「君」はいません。
そこで一人たたずむ「僕」の姿が浮かびます。
しかし「僕」は自問自答します。
「君がいない世界があるなら、僕はそんな世界を望むだろうか?」と。
今どれだけさみしくても、「僕」はやっぱり「君」に出会えたことを心から嬉しく思っているのです。
いっそ強く深くなっていく心
2番サビは1番と一緒です。『Victim of Love』の意味がよく解釈できる歌詞ですね。
ラストに向かって歌詞はどうなっていくのでしょうか?
自分だけが寂しいのか
和訳:君は感じないの?それが欲しくないの?僕は見せてあげるよ。僕らがそれを必要とする なら。君は感じられるし、強く欲しているんだ。だからそれが必要なんだ。
孤独に陥る「僕」が「君」に訴えかける言葉のように思えます。
大事な人を失ったとき、失った相手は自分の気持ちも知らずに生き、自分の方がずっと寂しい思いをしているような気に駆られることはないでしょうか。
そんな現実を拭うように「君だって寂しいはずなんだ」と言い聞かせているあがきのような歌詞だと感じました。
会えなくても愛していていい
ラストは1・2番と同じサビです。
失ってもなお大事な人に心を奪われる。それは良くも悪くも「犠牲」。
本楽曲は「ずっと愛したままでいいのではないか」と肯定してくれるような力と励ましを秘めています。
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おわりに
いかがでしたか?
美しい歌声に物語られる「喪失」の物語。本楽曲はそれをそっと肯定するような優しさに満ちていました。
絢香ファン・Takaファンにはたまらない『Victim of Love』ぜひ聴いてみてください。