今回は、人気ボカロP・DECO*27さんの新曲「キメラ」を考察していきたいと思います。
4月2日に公開されたこの楽曲は、ズームイン!!サタデーの新テーマソングに起用されており、MV公開後1週間も経たずに100万回再生されている人気ぶりです。
歌詞にはどんなメッセージが込められているのでしょうか?
早速見ていきましょう!

キメラ 歌詞考察

タイトルの「キメラ」とは、1つの個体の中に複数の遺伝子情報を持つ細胞が混じっている状態やその個体を指します。
異なる物同士が混じり合った状態ですね。
この曲の何が「キメラ」なのか?
筆者は、曲を出す度に「昔のほうが良かった」「あまり変化がないのは嫌」「新しすぎてわからない」といった、様々な反応を受けるDECO*27さんの混じり合った想いをキメラで表現しているのではないかと考えました。
この曲をDECO*27さんの心の内と捉えると、冒頭の「猫被っていく感じ」とは、リスナーの反応に合わせて受け入れてもらいやすい曲を作ることと解釈することが出来ます。
「でもさ減点式なの評価主義は」
自分の作りたいもの「エゴ」は抑えて、リスナーに好かれそうな曲ばかり出しても評価が加点されることはありません。
そうしてリスナーの言いなりになった先に待っているのは、自分の思う曲が作れなくなった未来なのでしょう。
その未来を「毒」と表現しています。
DECO*27さんも、たくさんの曲を作っていく中で、猫を被っていた時期があったのでしょうか?
過去の自分に、それじゃだめなんだよと呼びかけているようにも聴こえます。

リスナーの反応に合わせて曲を作っていた時期が歌われています。
ポップな曲はこんな感じでいい?ロックはこんな感じでどうですか?と反応を見て、自分を押し殺しているように感じました。
「ねえあたしはあたしを発明したいの」と、DECO*27さんの本心が歌われます。
これまでは、リスナーの期待とプレッシャーを設計図に作った他人のための曲だったけど、人の反応をみて作った曲じゃなくて、「あたしを発明したい」=自分がいいと思う曲を作りたい。
たとえそれが、「縫って歪んだ」不格好なキメラだったとしても受け入れて欲しいという願いが込められているのではないでしょうか?

いつも通りの代わり映えのない曲は嫌、かといって全然曲調の違う新しいものも受け入れられない。
リスナーの無責任な声に振り回されている様子が浮かんできました。
「どうしたいかは あたしが握ってるんだっけ どうしたいかは あたしが選んでいいんだっけ」と、自分の創作活動が何のためなのかが分からなくなっている主人公。
冒頭の歌詞で歌われた「毒」に侵された状態に陥っていますね。

リスナーに求められている曲を出すことに慣れてしまった主人公。
要領がつかめてイキっている様子が浮かびます。
供給を多くしすぎて飽きられないように、出し過ぎは要注意と自分をたしなめていますね。
毒に侵され、リスナーに好かれるための曲ばかり作った主人公は、自分自身のことが解らないごちゃまぜのキメラになってしまいました。
滲んだメッセージとは、まだ毒に侵されておらず、好きな曲を作っていたときの自分からのものなのでしょう。
自分が何者かも解らないキメラになってしまったのは、自分自身がそう望んだからに違いありません。
主人公の切ない気持ちが伝わってきますね。

このままリスナーに寄った曲を作り続けていくのか、それとも毒を断ち切り、自分の好きな曲で表現していくのか、選択を迫られる主人公。
「もういいかい どうでもいいかい」は、もう自由に作ってもいいかい?無責任な言葉をかけられた結果、こうやって悩んでいるけれど、それも貴方にとってはどうでも良いことかい?と呼びかけているように聴こえました。
大勢の人に見られる、聴かれる立場で創作活動をする人の苦悩、葛藤が描かれた楽曲でしたね。

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さいごに
いかがでしたか?
DECO*27さんの昔の曲調と今の曲調が混ざりあったメロディも素敵ですね。
今後の新曲がどっちに転ぶのか楽しみです!