今回はMrs. GREEN APPLEの『ミスカサズ』の歌詞を考察していきます!
『TWELVE』に収録された『ミスカサズ』は、どこかモヤモヤとして着地点の分からない楽曲なのが特徴。良い意味で「何をテーマにしているのか分からない」という感想が心に残るでしょう。
作詞作曲を手掛けたボーカルの大森元貴さんは「全てに対して気持ち悪いロックを作りたかった」とコメント。現状を打破したい気持ちと、うまくいかない現実を物語っているのが分かります。
一体どのような意味が込められているのでしょうか?早速紐解いていきましょう。
『ミスカサズ』歌詞考察
やり場のない思いは堂々巡り
主人公はやり場のない気持ちを抱いています。
しかしその感情に名前はありません。モヤモヤし主人公自身も解明できない心情でしょうか。
やりきれない思いは、いつもそのままにしていると自然消滅。
”未だ知らない遊び”とは、このモヤモヤを晴らす方法を指しているのかもしれません。
しかしその「遊び」が分からず、待ちきれないから結局モヤモヤは抱えたまま。
主人公のやり場のない思いは突破せず、なのです。そういう時って誰にでもあるものですよね…?
やっぱりダメだよな
主人公をモヤモヤさせ、追い詰める何か。
その正体は本楽曲では明かされません。
でも、通勤電車や教室の端っこでなんとなく感じてしまう孤独感、不甲斐なさ、嫌悪感。
そうした負の感情がまとわりついているのは予想できますね。
「ほら」の言葉には「やっぱりダメだよな」という落胆も垣間見れます。
現在助けてくれる人もいない孤独の中、様々な感情と格闘している主人公の姿が浮かびます。
主人公のモヤモヤの正体とは?
「好きではない」だから「そっぽを向く」
「愛してない」だから「大丈夫」
「独りじゃない」だから「片寄せあう」
これは、現代社会を表しているようにも思います。
お互いに親しくないからこそ他人事に思えるし、関係ないと線を引ける。
逆に、第三者だから肩を寄せ合うことができる。
親しくできないからこそ築ける他人との関係性。不自然なほどに立ちはだかる深い境界線。
主人公をモヤつかす原因はこの「他人との境界線」といったところでしょうか。
その境界線を越えられないからこそ、相手の心の中を懸命に探ろうとする。それが「ミスカサズ」のタイトルに込められているのかもしれません。
切に求めているもの
”守っていて”とは、普通他人に言える言葉。
つまり主人公は切に他人を求めているのです。
しかし次に続く言葉は”無理なのね”という諦め。
孤独の中に置かれ、どうしたらいいのか分からない主人公は初めて涙を流します。
本当は人間らしく、誰かと関わりたいと希求しているのが分かります。
不確実な世の中を憂う
「苦しみ」「虚しさ」「哀しみ」—。
どれもなるべく心から取り去りたい感情ですが、主人公の心にはどれが渦巻きすぎて対処もつかない模様。
「かもしれない」という不確実性に満ちた世間を憂う歌が世に蔓延る。
その状況にささやかな共感を抱いているようです。
確かに、確実なことが言えないからこそ「ミスカサズ」生きていきたいと思うものですね…
生々しい人間のリアル
主人公の心の中は徐々に明らかになっていきます。
今の生き方に誇りはあっても、未来への約束(目標やゴール)はさらさらない。
そして誰かに優しくするほど、暇もない。
そんなメンタルの内には怒りすらも存在しない。
すなわち喜怒哀楽への麻痺が生じ、何も感じられない状態になっているのです。
たったひとつ残っているのは”見返り”。
人に優しくできないのに、報いは求める。人間の生々しい一面がリアリティ持って迫ってきますね。
自分の意思で誰かと関わりたい
1番のサビと一緒です。
他人との関係性が希薄だからこそ、相手の心の中を一生懸命に覗こうとして自分の位置をなんとか獲得しようとするのです。
「見透かせない」のは不可能をしめしていますが、「ミスカサズ」は自らの意思で見逃さないようにしているということです。
本当は誰かと関わりたい、親しくなりたい。そんな必死な気持ちが伝わってきます。
愛されるにはどうすればいいのか?
人間関係や生き方…。人生にかかわってくる迷いを前にして、脳内は格闘。
しかし結局出る答えは「無理」。
どれだけ誰かと接触しても人は皆去っていく。
そして再び訪れる涙。
「どういうふうにすれば孤独にならないのか?」
「結局僕は愛されないのだ」
迷いと諦めが鬱屈としている心情の中身が露呈しています。
何もかも嫌になるとき
主人公の心は今、どんな感情に対しても麻痺している状況。
愛される武器「魅力」がどこにも存在しないこと。更には、それを具現化したり言語化できないことにも嫌悪感をあらわにします。
誰かに愛されればこの窮屈感から解放されるのか?
生き方にまつわる悩みは考えれば考えるほど、答えが出ません。
答えが出ないことにも嫌気も差す。嫌悪の堂々巡りです。
一縷の望みを託しておく
ラストは捨て文句のような些細な願い。
”癒していて”
”覚えていて”
存在価値を認めてほしいといった願いが反映されていますね。
それらの願いが叶わなくても、一縷の望みを抱きながら生きていく。
人生はそんなものなのかもしれません。
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おわりに
いかがでしたか?
劣等感や自信のなさ、存在価値にかかわる悩みをオブラートに包んで歌われた『ミスカサズ』。
様々な解釈ができますが、悩む人にそっと寄り添うような楽曲です。
ぜひ聴いてみてください!