2023年7月5日に約4年ぶり、5枚目となるMrs.GREEN APPLEのアルバム「ANTENNA」がリリースとなりました。
作詞を担当している大森元貴さんが今感じている事や情勢に関しての思いを詰め込んだ一枚となったアルバムから今回は「Loneliness」の歌詞を考察してみたいと思います。
日本語で「孤独」を意味するこの言葉にはどんなメッセージが込められているのでしょうか!
Mrs.GREEN APPLEとは
「フェス1完結」を宣言し約2年間の活動休止を経て2022年3月に活動再開「フェーズ2の開幕」を宣言したMrs.GREEN APPLE。
2023年7月現在、ボーカル・ギターの大森元貴さん、ギターの若井滉斗さん、キーボードの藤澤涼架さんの3人体制での活動をされています。
バンド名は熟していない青りんごを意味し、いつまでも青りんごの様な気持ちでやっていきたいという意味も込められているそう。
2023年7月8日から4年ぶりとなるアリーナツアーが開始、それが終了したらドームライブも予定されています!
新しいMrs.GREEN APPLEがどのように駆け抜けていくのか楽しみですね。
楽曲 Lonelinessに見える黒い感情
2023年7月5日にリリースされたアルバム「ANTENNA」に収録されている楽曲です。
二種類のコンセプトフォトが表したカラフルな「hope」とダークな「Void」。その中でもひときわダークな色を放つのがこの「Loneliness」かなと思いました。
モヤモヤする黒い感情は誰もが持っているもの。「hope」が示す虹色の7色に黒は含まれていませんが「共存できるはず!」というのが大森元貴さんの考えだそうです。
この共存、という言葉が印象的でした。どちらか片方がもう片方を打ち消すのではなくどちらの感情も持ってていいのだという考えに救われる方は多いのではないでしょうか。

Loneliness 歌詞考察
死にたい今日も
仕方がないでしょう?
誰かにバレてしまう前にドス黒い夜に呑まれてしまう前に
出典:Loneliness /作詞・作曲:大森元貴
縛り付けて何にも出来ないようにして
私を殺して欲しいのです
言葉通りの意味かなと思います。
一線超えてしまいたい、この世を手放してしまいたいと思う事も仕方ない。
だけどそんな事を考える自分を知られたくはないのでしょう。
黒い感情に飲まれ、正常な思考でいられなくなる前に私を消して欲しいと願う主人公。
誰にも何も もう何も期待はしないけど
出典:Loneliness /作詞・作曲:大森元貴
君を好きでは居たい
中身でも顔でも何でもない
君のその日々の一部で居たい
他人にも社会にも何も期待していないけれど、君を好きでいる、それが唯一主人公をこの世に縛り付けている理由。
つまり、それしか生きる意味が見いだせないにかもしれません。
だから、君の「その日々の一部で居たい」。つまり君の日常に溶け込みたい。
君と生活する事が息をするように当たり前の事でいたいという、依存ともとれる恋愛感情でしょうか。
爆音で脳と胸を焦がして
出典:Loneliness /作詞・作曲:大森元貴
意味の無い論理で紛らわすロンリネス
性の二乗 離れられなくなって
意地悪な恩義で曝け出すロンリネス
爆音とは一つに音楽の事かと感じました、不安定な心をなだめるために爆音で音楽を聴く人も音楽好きな人には多いのではないでしょうか。
音楽に限定しなくともいいのです。美味しいものを食べる人もいるでしょうし、走る方もいるでしょう。とにかく「不安定な心」を抱えてどうしようも無くなった時にとる行動を指しているのかもしれません。
その爆音に身を任せ、慰めにもならない論理をといて抱いた孤独感を紛らわそうとしますが結局意味がない行為に終わってしまうのではないでしょうか。
「性の二乗」で二乗は同じものを掛け合わせるという意味ですから男女の関係、特に心と心の掛け合わせを指しているのではと考察します。
何故ならこの後「意地悪な恩義」と続くので「君が好きだから本心をさらけ出すんだよ」という恩義というにはあまりにも自分勝手な思考で、主人公の独りよがりな押し付けの愛に過ぎないのです。
痛々しい痕も
出典:Loneliness /作詞・作曲:大森元貴
言い出したい過去も
誰かに頼れる日が来るまで
痛々しい痕とは現在(いま)抱えている心の傷、言い出したい過去というのはトラウマ含め過去に負った完治していない心の傷。
その二つの傷は、いつか他人に心を許してちゃんと「頼る事が出来る」ようになったら打ち明けるんだと、そこまでは隠しておくんだと歌っていますね。
笑顔で強がる人の画が想像出来ました。
笑顔でする他人の拒絶、それもまた悲しい孤独感からくるものではないでしょうか。
ドス黒い中に光があったらいいな
出典:Loneliness /作詞・作曲:大森元貴
釘を打って何処にも行かないようにして
その身を好き勝手したいのです
光とは希望のことであり、愛おしい人の事でもあるのではないでしょうか。
君を閉じ込め、どこにもいかなようにして自分の好きなようにしたい…言葉にすると非常に危ない感じがしますが独占欲の裏返し。
一説に独占欲が強い人は孤独感を抱えている人が多い傾向にあるといいます。
相手に心を開いていない、つまり信用していないから抱きしめても抱きしめても満たされる事はなく常に相手を失ってしまう不安(寂しさ・孤独感)に苛まれてしまうとの事。
その構図がこのフレーズだといえるかもしれませんね。
呆れる程に もう誇りは蔑ろだけど
出典:Loneliness /作詞・作曲:大森元貴
生きてる意味を知りたい
真面目でも馬鹿でも何でも無い
人ならざるものなのかも知れない
もう自分には誇りもなにもないけれど、生きている意味は知りたいと思っているようですね。
真面目だとか馬鹿だとか、人間が勝手に定めた基準の中に生きている事に疲れたのかもしれません。
生きている理由がなく、「ただ生きている」なんて、もしかしたら自分は人間の姿をした別の生き物かもしれないと不安を覚える主人公。
もしかしたら不安というよりも諦めに近いのかもしれませんね!
愛の起源 理性と許容を飛ばして
嘘の無い本意で皮肉にもロンリネス
別の次元 「踏み込んでしまった」って
堕ちてゆく深くへ 治らないロンリネス絶頂ね あそこもここも濡らして
出典:Loneliness /作詞・作曲:大森元貴
錆びついた心に油をさして
ベッドにね 2人の香りを残して
触れられない時も 心を絡ませて
愛の始まりは孤独の始まりという事でしょうか。
理性を超えたところで君を求め愛したけれど、素を曝して見えたのは皮肉にも愛するが故の孤独。
愛を知る事で新し世界を知る事が出来たのに、その世界で堕ちて迷い更に深みにはまってゆくロンリネスで、希望と孤独感の終わりのないいたちごっこの様子が見て取れますね。
そんな中で男女の関係を深める主人公達。迎えた頂で二人心を満たし合うのでしょう。
その想いと事実が、会えない寂しさも埋めてくれると信じて。
誰にも何も もう何も期待はしないけど
出典:Loneliness /作詞・作曲:大森元貴
君を好きでは居たい
古傷を裂いても確かめたい
僕のこの中の異物を見たい
「異物」とは人を愛する心を指すのではないでしょうか。
人を愛する事は時に辛くなりますね。相手は自分とは違う人間なので、当然「思い通り」には動かないし、分かり会えない日々もあるでしょう。
本能的に求める快楽だけで繋がっていられれば楽なのに、人間はそれをしないのです。
だから、本能から弾きだされる手に負えない面倒なこの「愛」を異物と表現したのではないでしょうか。
何も誰ももう期待しないし信じていない主人公ですが、それでも君の事は好きでいたいと願うのです。
「古傷を裂いても」=過去の辛い想いを曝け出してでも異物と称した、「愛」をもう一度見てみたい、と思っている主人公。
きっとこの思いが大森元貴さんのいう虹色に共存する黒色という意味ではないでしょうか。
爆音で脳と胸を焦がして
意味の無い論理で紛らわすロンリネス
性の二乗 離れられなくなって
意地悪な恩義で曝け出すロンリネス愛の起源 理性と許容を飛ばして
嘘の無い本意で皮肉にもロンリネス
別の次元 「踏み込んでしまった」って
堕ちてゆく深くへ 治らないロンリネス君という刺激で気付かされるロンリネス
出典:Loneliness /作詞・作曲:大森元貴
ロンリネスとは「孤独」「寂しさ」という意味で使われます。
人を好きになれば、誰かといれば孤独から救われると思いがちですが実は人を好きでいる方が孤独感に苛まれてしまう事も少なくないのです。
それが「君という刺激で気付かされるロンリネス」という歌詞に表れています。
愛を知って孤独を知る、というところでしょうか。
また、孤独という言葉のニュアンスには非常に広い意味があり友人が多く常に誰かといるような方でも本当に分かり合える人が居なくて常に孤独を感じている方も中にはいらっしゃることでしょう。
愛を知って孤独を知るのと同じように、人を孤独に堕とすのは人間ですが、そこから救えるのもまた人だというメッセージも含まれているのではと私は考えました!

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さいごに
いかがでしょうか。
心の奥深く黒い部分に寄り添った歌詞が印象的な「Loneliness」を考察してみました。
しかし、ただどす黒いだけでなく虹と黒の共存という希望の光も感じられる楽曲だったのではないでしょうか。
ただ背中を押すだけでは辛い時、聴いていたい1曲さと感じました!