貴方は遠く 疾うに昏れて 明けぬ真昼が 生活を食む 埃被った小説と いつかのコーヒーが 化石のように時間を告げる 夏を抱き揺れる カーテンに波が立つ ゆうゆうと この宇宙に たったひとつの I loveの横に 未だ居て 居て 凛と咲く緑閃光 夢の中くらい なにか言って 言って ねえ 貴方が住んだ空白に 痩せた心で面影を喰む 生きられない理由を全部 平らげたって どうして この身体は息をしたがる 鼓動に殴たれて 痛む場所が伝える “大丈夫” 今夜ダンスを踊るように その温もりを感じて いたい いたい 空に見る反魂香 くれなかったさよならを頂戴 頂戴 ねえ まだ温もりを感じて いたい いたいよ 言葉に直らないままで 回る地球に日々を営む 枯れたままのアイビーも 鉛の心臓も そっと時間に挟んだ栞 この宇宙に たったひとつの I loveの横に 未だ居て 居て 凛と咲く緑閃光 いつか薄れる 最期のI love “I love you” いつか薄れる 最期のI love “I love you”