あいみょん「ユラユラ」の歌詞の意味を考察します。
メジャー10thシングル「裸の心」(2020年6月)のカップリング曲。
あいみょんが作詞・作曲した「ユラユラ」の歌詞の意味をチェックしましょう。

ユラユラ 歌詞考察!
婉曲的な表現が使われている
ブラインド越しに見える月を
出典:ユラユラ / 作詞・作曲:あいみょん
「見ながらしよう」と言った夜
「綺麗だね」って私に
最初に言って欲しかったのよ
夏目漱石さんが「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳したエピソードは、さまざまな歌詞にも登場します。
この話は、愛の告白をする際、英語では「直接的な表現」をするけれども、日本語なら奥ゆかしい「間接的な表現」になると判断したところがポイント。
さて「ユラユラ」は、語り手の「私」が交際相手の「貴方」に対する思いを独白する物語です。
「貴方」が「私」に向かって放った「(月を)見ながらしよう」というセリフは、「何をするのか?」の部分が「露骨」に表現されていない点では「婉曲的」といえなくもありません。
しかし、「I love you」につながる「(月が)綺麗だね」という「精神的な言葉」を望んでいた「私」にとっては、「肉体的な表現」すぎるでしょう。
精神性を求める「私」に対して、肉体関係にしか目がない「貴方」という構図が浮き彫りになっています。
フライング気味にキスをして
出典:ユラユラ / 作詞・作曲:あいみょん
「寒いでしょ?」と言って抱きしめて
「大好きだよ」って 私に
常々言って欲しくなったよ
冒頭の「ブラインド越し」と「フライング気味」で韻を踏んでいるところは、2番にかけての伏線にもなっているので、後ほど考察します。
「I love you」の直接的な現代訳は「愛している」というより「大好きだよ」でしょう。
「貴方」はとにかく「する」ことにしか関心がないようですが、「私」は「月」と同じように「綺麗だね」と言われたり、寒さを気遣ってもらったり、愛の言葉をささやかれるなど、ロマンチックなムードに浸りたいというか、「大切にされたい、愛されたい」と願っているようです。
会えば会うほどに
出典:ユラユラ / 作詞・作曲:あいみょん
悲しくなって
またこうして離れられない
直接的な表現は避けられていますが、「貴方」にとって「私」は「都合のいい相手」にすぎないようです。
そこまでわかっていながら、「会いたい」と誘われたら断れないところが惚れた側の弱みでしょう。
どれほどデートを重ねても、「貴方」には「私」に対する愛情がないことを実感するばかりなので、「悲しい」と「離れられない」のあいだで揺れ動いていると考えられます。
だから今日も待っています
出典:ユラユラ / 作詞・作曲:あいみょん
身体冷やして待っています
ユラユラ 揺れる月を見ながら
1番のサビです。
タイトルの「ユラユラ」は「揺れる月」を形容する言葉として用いられています。
夏目漱石さんの名訳「月が綺麗ですね」を婉曲的に持ち出していることからもわかるとおり、「ユラユラ」と「揺れる月」も婉曲表現でしょう。
まず、精神的には愛されていないことが「悲しい」けれど肉体的には「離れられない」という、「揺れる月」のような「私の心身」が重なります。
さらに「なぜ月が揺れているように見えるのか?」を突き詰めると、「私の身体が揺れているから」という答えが導き出されるでしょう。
地球も「月」も自転・公転しているので動きはありますが、「月そのものが揺れる」ほどの動きではありません。
つまり「ユラユラ」も「揺れる月」も直接的な表現を避けた、何らかの婉曲表現だと察しがつくはずです。
本当の恋ではないとわかっているのに
“マインドコントロールされた”
出典:ユラユラ / 作詞・作曲:あいみょん
そう考えた方が楽だな
「好きなんでしょ?」って私に
聞くのはズルい ズルすぎるでしょ
1番の「ブラインド越し」と「フライング気味」の伏線は、2番の「マインドコントロールされた」によって回収されます。
まず、カーテンではなく「ブラインド」を持ち出すことで、「フライング」だけでなく「マインド」とも韻を踏むことに成功しているというか、「マインドコントロール」というキラーワードを使いたいために「ブラインド」や「フライング」を思いついたのかもしれません。
さらに「マインドコントロール」は洗脳とは異なる「心の制御」のことですが、「ブラインド」の「盲目的な」という意味にもつながります。
惚れた弱みにつけ込む「貴方」は「ズルい」と思いながらも、都合のいい関係を続けてしまう「私」がいるという話でしょう。
性的な婉曲表現や刺激が強い言葉を歌詞に織り交ぜ、リスナーを増やすのもある意味「マインドコントロール」かもしれませんね。
耳元で咲いた気持ち良い言葉が
出典:ユラユラ / 作詞・作曲:あいみょん
またこうして離れないよ
すっかり「マインドコントロール」されているようです。
だから今日も帰ってきて
出典:ユラユラ / 作詞・作曲:あいみょん
心熱く溶け合いましょう
ユラユラ 燃えるロウソクのように
「ユラユラ」を「ロウソクの炎」になぞらえていますが、何らかの婉曲表現なのでご用心!
私 今日も待っています
出典:ユラユラ / 作詞・作曲:あいみょん
これが本当の恋じゃなくとも
今は貴方を待っています
ユラユラ 揺れる月を見ながら
1番の「会えば~離れられない」のパートとサビが繰り返された後に続くラストです。
「本当の恋」ではないとわかりながら、「貴方」を待ち続ける「私」のままで終わってしまいました。
多感な年頃には性的・刺激的な歌詞が「好きなんでしょ?」と言わんばかりの結末です。
しかも文学的で詩的な婉曲表現に抑えられているので、むしろさわやかにすら感じられるところが「ズルい」のではないでしょうか。
しかし「本当の恋」以外は自分自身を傷つけるだけなので、いつまでも「ユラユラ」揺れている場合ではありません。
早く「マインドコントロール」から解放されるといいですね。

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さいごに
あいみょんの歌い方があまりにもさっぱりしているので、深く考えなければ性的にも刺激的にも聞こえません。
しかし恋愛をこじらせると泥沼になりかねないので、「本当の恋」以外はきっぱり断ち切り、自分を大切にするように心がけましょう。