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今回はVaundyの『融解sink』の歌詞の意味を考察していきます!
1stシングル『東京フラッシュ』で人気を博したVaundy。21歳という若さでありながら、今の日本の音楽チャートに無くてはならない存在となりました。
そんなVaundyが2021年に発表した『融解sink』。読み方は「ゆうかいしんく」です。
MVには女優でモデルの南沙良さんが出演しています。
タイトルを解体してみるとこんな感じになります。
・融解=固体が液体になること
・sink=沈む・落ち込む
イメージとしては「何かが溶けて底へ沈んでいく」といった具合でしょうか。
『融解sink』の趣旨は「知り得る幸は、知らぬ不幸でできている」ということ。
Vaundyが本楽曲に込めた意味は一体何なのでしょうか?考察していきます!

『融解sink』歌詞考察
自分より辛い人を見たとき

冒頭から意味深な内容。MVでは南沙良さんがプールの周りをうろつき、後ろ向きから飛び込んでしまう場面に。陰鬱な雰囲気が漂います。
ここでは「他人の不幸」をよそ目に、自分が安心して生きている状況が綴られています。
例えば、自分より貧しい人を見た時、辛い目に遭っている人を見た時。人間は「自分じゃなくて良かった」と思ってしまうものです。自分より状況が悪い人を見て安心してしまう。
そんな人間の闇めいた心情を歌っているようです。
他人の不幸の上に成り立つ幸せ

ここはどんどん深い海に沈んでいく様子が描かれています。
もちろん本当の海に沈んでいくわけではありません。冒頭の文脈からいくと「他人の不幸の上にある幸せに陥っていく様」が表現されていると考察できます。
誰かの不幸を見て「自分は幸せ」と思えるのは、本当の幸せなのでしょうか?
どちらかが不幸にならないと幸せになれないのか

≪悲しみが消えるこの夢の中≫
これは本楽曲のテーマ通り「知り得る幸は、知らぬ不幸でできている」ことに対する悲しみだと言えます。
自分が感じる幸せは、誰かの不幸と比較された上で「幸せ」だと判断されている。または、誰かが不幸を被ってくれたおかげで幸せになっている。
その虚無感に打ちひしがれているのではないでしょうか?
他人も幸せで、自分も幸せになる方法が分からない。両者が幸せになる術を知らずに、呑気に暮らしていることへの怒りも感じられます。
他人の不幸にあやかっている

2番冒頭も同じように、他人の不幸の上にある「幸せ」について述べられています。
「あやかる」とは「物事に触発される」という意味。つまり誰かの不幸や不安動かされて、幸福と安堵を提供しているのです。
これはもしかしたらVaundy自身の創作に関する懊悩にも聞こえます。
誰かの不安や悲しみがあるから、それを癒す音楽を創ることができる。自分の創作はリスナーの「不幸」の上に成り立っているのではないか?という懊悩が見え隠れしているように個人的に感じました。
儚い幸せ

1番サビと同じ歌詞。
≪悲しみが消えるこの夢の中≫とは、他人と比較して感じた幸せを指していると考えられます。しかしそれは非常に脆くて壊れやすい。しかも、決して自分が望んでいる現実ではないのです。
呼吸のできないような「偽の幸せ」

他人の不幸の上に成り立った「幸せ」の中だからこそ、深く息ができない。それはまるで「水の中」にいるような感覚なのです。
胸いっぱいに息を吸うこともできず不快な様子が伝わってきます。
結局、人間は誰かの「不安」「不幸」と比較してしまい、それにいちいち安堵して生きている。
さらには誰かの「悲しみ」を糧にして幸せにならざるを得ない。
そんな永遠に解かれない不条理への苦しみが綴られています。

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おわりに
いかがでしたか?
誰もが目を背けたくなる現実に真摯に向き合った楽曲『融解sink』。
Vaundyの世界観と哲学をいっきに浴びることのできる楽曲になっています。ぜひ聴いてみてください。