2020年3月13日にリリースされたSaucy Dogの「結」について考察していきます!
「結」の読みは『ゆい』、恋愛に不器用な主人公の彼女に対する想いが痛いほど伝わってくるピュアな恋愛ソングです。
「結」という漢字は結果、結末、結論などの言葉に使われ、いずれも最終的な場面を表すものが多いです。
この曲が最終的に伝えたかったこと、真意とは一体何なのでしょうか。
それは大サビで明かされることになります…
が、いきなり大サビだけ見ても正直ピンと来ないと思います。
過程にあたる一番、二番を紐といていくことで「そういうことだったのか!」となるのではないでしょうか。
それでは、歌詞の考察を始めていきましょう!

結 歌詞考察
恋愛不器用な主人公と、高嶺の花の彼女
手を繋いだのは君の方から
出典:結 / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
ちょっと慣れた素振りに
なんか悔しくなったな
もっと不器用なとこを見てみたかったの
君の過去がチラついてしまうよ
付き合い始めは些細なことが気になるものですよね。
「手を繋いだのは君の方から ちょっと慣れた素振りに なんか悔しくなったな」
男としてリードしたいという気持ちがあったことが何となく伝わってきますが、彼女の方が恋愛経験豊富なのでしょうか。
先手をとられた主人公は正直に「悔しくなったな」と言っています。
素直にこういった心境を言えてしまう辺りにも恋愛経験の少なさが透けて見え、かわいらしいですね。
「もっと不器用なとこを見てみたかったの 君の過去がチラついてしまうよ」
今までの彼氏と付き合っていた時も同じように自分から手を繋ぎにいっていたのかな、と勘ぐってしまいます。
今は自分の彼女なのに、過去の恋愛が垣間見えた瞬間に不安になってしまうのは誰もが共感できる部分ではないでしょうか。
焦ってたんだ柄にもなく
出典:結 / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
着飾ってみたり 傷ついてみたり
ふわふわ飛んで逃げていきそうで
その手を離したら終わっちゃいそうでさ
主人公にとって彼女は高嶺の花のような存在だったのでしょうか。
「焦ってたんだ柄にもなく 着飾ってみたり 傷ついてみたり」
とありのままの自分ではなく、少し背伸びしてでも彼女の気を引こうとしていることが分かります。
付き合えている時点で人間性が好かれているということですから、本来なら無理する必要はありません。
しかし、そんなことすらも考える余地がないくらい彼女が好きで仕方がないという裏返しとも言えます。
「ふわふわ飛んで逃げていきそうで その手を離したら終わっちゃいそうでさ」
ここまでの歌詞では彼女の心境は分かりませんが、とにかく主人公は心配で仕方がない様子が痛いほど伝わってきます。
もう心配性 気が狂いそう
いっそこのままふたりだけの世界を生きてたいよ
そしたらきっと 更なる一歩
ずっと見ていたいよ 君の全部を果てしない今日からの日々を
出典:結 / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
過ごそう 作ろう 守ろう
「もう心配性 気が狂いそう いっそこのままふたりだけの世界を生きてたいよ」
好きという言葉を使わずに、これ以上好きだという気持ちを伝えるフレーズがあるのでしょうか。
主人公にとっての世界の中心は彼女で、今はそれしか見えないんだなという印象すら抱きます。
不安な気持ちを抱えながらも、この先も一緒にいたい、一緒にいることで不安を少しずつ減らしていきたいと考えていることが分かります。
決してひねくれたりするのではなく前向きに考えているという姿勢が
「果てしない今日からの日々を 過ごそう 作ろう 守ろう」
という一文から感じられます。
『不器用なのはお互い様』
声をかけたのは僕の方から
出典:結 / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
「一緒に帰ろ」ってたった一言すら
裏返ってしまう
『格好悪いところ嫌いじゃないよ』って
悪戯に笑う君とも今では
付き合う前の思い出を振り返っていますね。
「「一緒に帰ろ」ってたった一言すら 裏返ってしまう」
付き合う前から主人公は緊張しながらもアピールしていたことが分かります。
「『格好悪いところ嫌いじゃないよ』って悪戯に笑う君とも今では」
好意を向けてくる相手に対して「格好悪い」と言えてしまう時点で、彼女の方に余裕があることが伺えます。
最後の「今では」は、今はそうじゃないという裏返しにも聞こえます。
ずっと楽しい事ばかりじゃないけれど
出典:結 / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
それも愛じゃないかな 危ない時もあるけれど
不器用なのはお互い様で
口ベタな所もその分たくさん話せば良いよ
それもふたりに必要な時間でしょ?
いくら彼女の方が経験豊富で余裕があるとしても、交際が上手くいくとは限りません。
「危ない時もあるけれど」からも分かる通り、彼女も怒ったり悲しんだりと気持ちの浮き沈みがあるようです。
でもそれって彼女も主人公が好きだということでもありますよね。
そんな彼女の様子を見知ったからでしょうか。
「不器用なのはお互い様で 口ベタな所もその分たくさん話せば良いよ それもふたりに必要な時間でしょ?」
と、主人公も前のめりになるばかりでなく、ちゃんと冷静になって彼女と向き合おうとしています。
恋愛も山と谷があるからこそ、どんどん関係性が深まっていくんですね。
「結」とは彼女へ綴った手紙
「ねぇこっちおいでよ」さっきはごめんね
出典:結 / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
それさえ言えたら何度すれ違っても構わないさ
遠回りしようよ 手繋いでさ もっと近くで
これからも僕たちの
恋愛に近道はありませんが、たとえどんな遠回りをすることになっても君と一緒にいたいというメッセージが強く感じられる部分です。
「何度すれ違っても構わないさ」からはどんなことがあっても彼女と向き合っていくんだという覚悟のようなものも感じます。
最後の行の「これからも僕たちの」は、最後まで一文が終わっていないところに、二人の関係もまた終わらずにこれからずっと続いていくんじゃないかと予感させてくれますね。
天気は気まぐれ 時々にわか雨
やっと築けた ふたりだけの世界はここにあって
この手紙には結末は無くていい
君との未来にまだ取っておくよ拙い僕からの思いを
出典:結 / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
綴ろう 描こう 繋ごう
「やっと築けた ふたりだけの世界はここにあって」
というフレーズから、一番の時の主人公と比較するとだいぶ二人の関係も落ち着き、主人公も以前よりは安心して二人の時間を楽しめるようになったことが分かります。
「この手紙には結末は無くていい」
で明らかになったのは、この曲は彼女に向けられた手紙だったということです。
だからこそ主人公は一見格好悪く見える思い出や心境も、包み隠さず言葉にしていたんですね。
いい部分だけでなく悪い部分も一緒に残しておくことで、何年先も何十年先も当時のことを鮮明に思い出せるものがあると主人公は考えているようです。
「拙い僕からの思いを 綴ろう 描こう 繋ごう」
この先の長い未来を見据えたラブレターの結びとしては、これ以上ない強く優しい一文で締めくくられます。

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さいごに
曲はたくさんの人に聴いてもらうこと、手紙は特定の人に見てもらうことが主な目的です。
この二つは見る側の人数の多さが決定的な違いです。
しかし、この曲は「曲」でもあり「手紙」でもあります。
個人に向けられた手紙のような内容だからこそ、誰が見ても心を打つようなピュアな内容になっているとも言えますよね。
それこそこの曲がヒットしている要因だと感じました。
大切な人を思い浮かべながら、聴いていただきたい曲です。