「夜空」は京都出身のシンガーソングライター音田雅則(おとだ まさのり)さんのデジタルシングル(2022年3月)。
音田雅則さんが作詞・作曲した「夜空」の歌詞の意味を考察します。

夜空 歌詞考察!
大切な人に会いたい
君と初めて出会った日のことを
出典:夜空 / 作詞・作曲:音田雅則
覚えてる、君が話しかけてくれた
生まれた時から決まっていたのなら
幸せであり奇跡と言うのだろう
語り手は「君との出会い」を回想しています。
逆に「もし君が話しかけてくれなかったら、出会わなかったかもしれない」と考えると、なおさら「幸せや奇跡」と感じる度合いが高まるような大切な存在なのでしょう。
ラブソングだとすると恋人や元恋人があてはまりますが、友だちや仲間など幅広く解釈することもできそうです。
誰しもひとりで生きることはできないものなので、人間関係や絆に感謝しながら日々を過ごしたくなりますね。
手を繋いで笑って歩いた日も
出典:夜空 / 作詞・作曲:音田雅則
温もりを感じた日も
今ではそれすら未来もなくて
会いたい、そう願う。
「君と手を繋いだ」のはデートや学校からの帰り道でしょうか。
物理的な意味だけに限定されず、「何かを一緒に行った」と拡大解釈することもできるかもしれません。
しかし「今」も「未来」も「君と会えない」状況であることが明かされます。
そのため「出会い」を振り返り、「会いたい」と思っていることがわかりました。
何らかの事情で別れてしまった元恋人、命を失ってしまった友だちなど、リスナーそれぞれに大切な人を思い浮かべることができるでしょう。
とくに2020年の春以降は新型コロナのパンデミックにより、「遠距離などでなかなか会えない」状況が続いています。
さまざまな場面で「会いたい」という思いは募りがちになっているのではないでしょうか。
君とまた夢で会えたら
出典:夜空 / 作詞・作曲:音田雅則
何を話すかを考え込んだ
あの頃の君を想うと
なんだか涙が溢れ出してく
実際に会うことは叶わないので、「夢で会う」想像をしてみたという話ですね。
いつでも会える相手なら「事前に話題を考える」必要はなさそうな気もしますが、本当に「夢で会える」かどうかもわからず、目覚めている状態でできるのはいざというときに備えることくらいなのかもしれません。
そもそも「君が話しかけてくれた」ことがきっかけで「出会った」2人なので、一緒にいた頃(あの頃)にはたくさん話をしたことでしょう。
それなのに「今も未来も実際には話せない」状況になっているところが悲しいですね。
夜空に込められた願い
思えば君と過ごした日々の中に
出典:夜空 / 作詞・作曲:音田雅則
無数に広がる幸せがあった
あの日あの場所で交わした約束は
今でも覚えてる、忘れはしない
「夢で会いたいと願う」ほど大切な人と一緒にいられた時期は「幸せ」だったに違いありませんが、その「幸せ」が「無数に広がる」くらいあったところがポイントです。
「どのような約束を交わしたのか?」については具体的には描写されていないので、リスナーそれぞれに想像することになりますが、たとえば「ずっと一緒にいよう」などが考えられます。
その「約束」の内容が何であれ、「会えない」今となっては果たせないことかもしれませんが、それでも語り手の胸に刻まれているのでしょう。
夜空に綺麗な星が見えたら
出典:夜空 / 作詞・作曲:音田雅則
あの時の君を思い出して
流れる星に夢があるのなら
会いたい、そう願う。
タイトルにもなっている「夜空」が出てきました。
「夜空」には「無数に広がる星」があるので、「君と過ごした日々の幸せ」と「夜空の星」が重なるイメージです。
さらに「流れ星に願い事をすると叶う」という俗説が期待できるなら(夢があるなら)、願い事の内容は「会いたい」になる、ということ。
つまり「星=幸せ、夜空=君、流れ星=夢」と連想しているのでしょう。
「会えない悲しみ」を抱えたままだとしても、美しい「夜空」に思いを馳せることによって心が浄化されていくのではないでしょうか。
君とまた夢で会えたら
出典:夜空 / 作詞・作曲:音田雅則
優しい君を抱きしめたい
この空を見上げるたびに
なんだか涙が溢れ出してく
睡眠中の「夢」は「見る、見ない」を含め、その内容も意識的にコントロールすることはできないものです。
ただ「実際には会えない」相手でも、「夢で会える」確率はゼロではありません。
現実では叶わず、「夢」でしか叶わないとしても、「会いたい、話したい、抱きしめたい」という願いを「夜空」に投影することで、「悲しみの涙」から「浄化の涙」に変わっていくように感じられます。
夢で会えたら話すこと
会いたいよ
出典:夜空 / 作詞・作曲:音田雅則
今すぐにでも
夜が明けても
君を想うよ
大好きだから
何度も夜を越えて
君ともう一度
たくさんの「星」が輝く「夜」を美しいものの象徴としてとらえることもできますが、太陽のある日中を「光の時間帯」と考えると、「夜」は「闇の時間帯」になります。
誰とでも気軽に「会えない」、マスクなしで近距離では「話せない、抱きしめられない」ことが日常的になってしまった現代は「闇の時代」といえるかもしれません。
この「闇の時代=夜」が明ける日が本当にくるのかどうかと不安に感じている人も多いことでしょう。
それまでにはたくさんの「悲しみ、苦しみ=夜」を乗り越える必要があるはずです。
それでも「夜空」にはかつての「幸せ=星」が「無数に広がっている」から美しいと発想を転換することもできます。
わかりやすい言葉で、浄化につながる壮大な情景が描かれているので、「夜空」の歌詞は刺さるのではないでしょうか。
君とまた夢で会えたら
出典:夜空 / 作詞・作曲:音田雅則
何を話すかを考え込んだ
いつまでも、ただいつまでも
ありがとう
愛してる
最後に「夢で会えたら話すこと」が綴られています。
それは「永遠の感謝と愛の言葉」でした。
現実には叶わないことだらけだとしても、「幸せ」を経験できたことが「奇跡」だと喜びながら生きていきたいものですね。

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さいごに
音田雅則さんは2022年3月1日に高校を卒業し、同年4月に大学生(4月19日に19歳)になりました。
「夜空」がリリースされたのは高校卒業直後の3月15日だったので、その流れを踏まえると卒業によって離れ離れになった元恋人への愛や友だちへの感謝が込められているのかもしれません。
もちろん実話とは限らず、リスナーそれぞれの大切な人をあてはめられるところが醍醐味でしょう。