ヨルシカが2023年4月5日にリリースする新しい音楽の形「画集」から音楽が聴ける「幻燈」より「451」という楽曲がが2023年3月8日に配信リリースされました。
初のn-bunaさんメインボーカルという事もあり話題を集めています。
また楽曲名の「451」は小説「華氏451」を元にしたのではないかという考察もファン(個体)の間では広がってきているようです。
今回はそんなヨルシカの「451」について考察をしてみたいと思います。
ヨルシカとは
2017年に結成され、わずか二年後の2019年にメジャーデビューを果たします。
コンポーザーのn-bunaさん・ボーカルsuisさんで結成されていますが、n-bunaさんの感性としては二人で構成されている「ヨルシカ」ですら作品の一つであるという考えをお持ちのようです。
また、作者が作品より前に出ないようにしたいという思いから、二人の顔や詳細なプロフィールは公表されておりません。
一方suisさんはn-bunaさんのその感性に共感は勿論の前提とし、それに加えてsuisさん個人の想いとしては「顔を知られるのが怖い」という理由から顔出しをしていないとインタビューに答えている事がありました。
人と積極的に関わる性格ではない事や集団行動が得意ではない事、悲しみに弱い事など、いくつかインタビューを読んでいると繊細且つ感受性豊かなsuisさんの性格が見え隠れします。
画集「幻燈」
2023年4月5日にリリースとなるヨルシカの「幻燈」は通常の音楽アルバムとは異なり「画集」であるとされています。
描かれた絵にスマートフォンやタブレットをかざすことで専用の音楽再生ページに飛ぶ事ができ、音楽が再生される仕組みとなっています。
新しいシステムに期待が高まるなか、一方で音源が無い事で音楽プレイヤーに入れたい時などはどうすればいいのか、という声も見かけられました。
確かに、私も外出時の必需品が音楽プレイヤーなので、対策は気になるところです。
何はともあれ、新しい音楽のスタイルに期待が高まりますね!
451
楽曲名に使用された451という数字の羅列。
実は意味のあるものではないかと言う考察が多くみられました。
と言うのも楽曲「451」は小説「華氏451」が楽曲の元になっているのではないか、というのです。
「華氏451」とは1953年レイ・ブラッドべりによって書かれた歴史のある小説で、1966年には映画化。
更に新たに2018年にも映画化され、まさに世代を超えてきた作品の一つではないでしょうか。
ちなみに「華氏451」とは紙が自然発火する温度と言われています。
その言葉通り、小説華氏451は本を読むのを禁じられてしまった設定の世界から始まります。
本を所持している事が分かると「ファイアマン」と呼ばれるものが出動、見つけ次第焼却されてしまいます。
そして本を持つことは罪とされているので所持者は逮捕。
本を読む事を禁じられた人達の思考能力や、判断能力は著しく低下し出来上がった愚民は・・・・という物語。
また451という数字は生活している中で目にする事もあるのではないでしょうか。
ネット閲覧時のエラーに「451」というものがあります。
これは元々403で表示されていた「見る権限がない」というエラーを「検閲の結果、見る権限がありません」という意味のエラー451という表示に変えたものです。
また、郵便番号451は愛知県名古屋市という事ですが・・・これはさすがに歌詞考察には必要ないかもしれませんね笑。

451 歌詞考察
あの太陽を見てた
深く燃えてる
見れば胸の辺りが少し燃えてる
道を行く誰かが声を上げた
「見ろよ、変な男」と笑いながら指の先で触れた紙が一つ遂に燃えた
出典:451 / 作詞・作曲:n-buna
この歌詞で、小説「華氏451」と結び付けた方も多いのではないでしょうか。
実際、当たり前とされていた「本を禁じる世界」に疑問を持ったファイアマンである主人公に上司や妻は「変な男」と称したのです。
文学を愛するn-bunaさんですから、小説を元にしたと考えるのも当然の流れかもしれません。
しかし、ここで敢えて小説「華氏451」と切り離して考察するのも面白いかと思い、ベースは「華氏451」に引っ張られながらも、私は敢えて小説とは無関係だという視点で考察していきたいと思います。
さぁ引火して 燃やして 燃やして 燃やして 燃やして 燃やして
出典:451 / 作詞・作曲:n-buna
喜びを愛して
さぁ昇華して 踊って 踊って 踊って 踊って 踊って 踊って
「燃やす」という行為を楽しむ主人公。
そこに生まれる快感を愛しています。
それは周りから見れば異様な光景、主人公にとっては「当たり前」の光景なのです。
「昇華」という言葉には個体が液体を挟まず気体に変わる事・信念などがより明確になっ3つにていく事・社会的に認められない衝動や欲求を芸術活動などで満たしていく行為という3つの意味があります。
となると、燃える、昇華、灰のキーワードから燃え盛る炎に灰が舞い踊るイメージとしても捉える事が出来ますが「昇華して踊って」という言葉で、精神的なもの、気持ちが高揚していると解釈する事も出来るのではないでしょうか。
ほら、集まる人の顔が見える
俺の蒔いた炎の意図を探してる
見ろよ、変な奴らだ
そんなに声を荒げて
たかが炎一つに熱を上げてる燃えろ 早く 響く怒声の中で
出典:451 / 作詞・作曲:n-buna
紙の束よ赤く盛って
周囲の人間は主人公の行動に驚いた顔をします。
主人公の行動が理解できず、行為の理由を探る奇異の目を向けられているのかもしれません。
「見ろよ、変な奴らだ」これは主人公が群衆に向けた言葉でしょう。
他人には理解できない「奇行」も当の本人にとっては至極当然の「普通」の行為なのです。
何故それが分からないのだろう、たかが「燃やした」だけなのにそんなに感情を高ぶらせて、意味の無い怒声を浴びせてくる。
「紙の束」とは主人公の意思や今までの行動の記録と考えると、他人の目に晒され理解されない苛立ちを感じる事が出来ます。
あぁ面倒くせえ さぁ燃やして 燃やして 燃やして 燃やして 燃やして
出典:451 / 作詞・作曲:n-buna
悲しみも愛して
さぁ放火して 踊って 踊って 踊って 踊って 踊って 踊って
個人的に好きなフレーズです笑。
n-bunaさんの歌い方も精神的に伝わってくるものがあり、私が451をしっかり聴き込もうとしたきっかけのフレーズでもあります。
「面倒くせぇ」・・・そのままの意味ですね!とても人間を感じます。
国語力を試される、美しい日本語を並べた歌詞も愛していますが、こうやって現実世界そのままもってきたような飾り気のない、むしろ敢えて汚く飾ったような言葉が使われている歌詞にも愛おしさを感じます。
「面倒くせぇ」と叫びたくなる事、生きていればありますね。
人の価値観を理解しようと努力する事、反対に自分の価値観を理解してもらえないもどかしさを感じて全てが嫌になっている主人公なのではないでしょうか。
だけど、自分は間違ってはいない、この心の痛みも愛して感情を高ぶらせていくのだ、という意味ではないかと考えました。
触れて消して触れて消して
出典:451 / 作詞・作曲:n-buna
触れて胸の窓を開けて
早く燃えて灰を見せて
奥の奥に燻ぶる魂に
「触れて消して」とは他人に出会いながら、自分を「傷付けない人」を探す行為を表現してるのではないでしょうか。
あの人はダメだったから今度はあの人、ととっかえひっかえ他人に近付いてみるも、その希望は何度も砕け散ってしまいます。
「胸の窓を開けて」とは固く閉じてしまった心を主人公は誰かに開けて欲しいと願っているのではないかと思いました。
自分から心を開く勇気はもう、主人公には残っていないのです。
だから相手に先に心を丸裸にし、本心を見せて欲しい、そうすることで自分も安心して本当の自分をさらけ出す事が出来るのだ、と「早く燃えて灰を見せて」で表しているのではないかと思います。
さぁ引火して 燃やして 燃やして 燃やして 燃やして 燃やして
妬けるほど愛して!さぁ放火して 燃やして 燃やして 燃やして 燃やして 燃やして
飽きるまで愛して
さぁ消費して 踊って 踊って 踊って 踊って 踊って 踊ってさぁ創造して 燃やして 燃やして
出典:451 / 作詞・作曲:n-buna
燃やして 燃やして 燃やして 燃やして
主人公は人を拒絶しながらも愛される事を渇望しているのではないでしょうか。
「燃やして」=感情を表してという意味だと捉えると、飽きるまで愛してという歌詞は、満足するまで徹底的に愛してという意味だと解釈する事ができますね。
愛は有限だと思っている主人公。
相手に、持っている愛情を出し惜しみせず消費して、自分の心を動かして欲しい、と願います。
小出しにされるよりも、まとめて愛情表現することで大きな愛を感じ安心したいのではないでしょうか。
「さぁ創造して」の創造は人間関係の構築、燃やしては破壊の為の燃やすではなく、炎が燃え上がる炎の様に充実させたい、という意味ではないでしょうか。
最後まで主人公が行う奇行が何なのかという具体的なヒントは出てきませんでしたが、人からなかなか理解を得られない自分の行動を主人公の「燃やす」という行為に当てはめる事で、より自分の気持ちに近い楽曲として聴く事ができるのではないでしょうか。
そういう意味では451の楽曲名の意味は小説「華氏451」ではなく、インターネットを見る際に現れる事がある、451エラーの意味とも取る事ができるかもしれませんね。
人の本意を覗くには相手の心の検問を通過し認められる必要があるのです。

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さいごに
いかがだたでしょうか。
今回はヨルシカの「451」についての考察をしてみました。
まだまだ色んな見方が生まれてきそうな楽曲451ですが、個人的な考察一つとして読んでいただけると嬉しいです。
「画集」という形で音楽をファンの元へ届けるという挑戦に挑むヨルシカ。
新しい「当たり前」になるのかもしれません。
期待して見守りたいと思います!