今回はadieu(アデュー)さんの「よるのあと」という楽曲の歌詞考察をしていきたいと思います。
「よるのあと」は2019年にリリースされた1stミニアルバム『adieu 1』に収録されています。
デビュー当初、素性を明かさず「都内の高校に通う17才の女子高校生」という触れ込みで、映画『ナラタージュ』の主題歌でデビューしたadieuさん。
『adieu 1』リリース時に正体を明かし話題になりました。
女優・上白石萌歌、アーティスト・adieuとしての2つの顔を持ち、表現者・創作者としてマルチに活動する彼女を世に広めるきっかけとなった「よるのあと」について詳しく見ていきたいと思います。
本楽曲はロックバンド・FINLANDS(フィンランズ)のギターボーカル、塩入冬湖さんが作詞作曲を担当しています。
adieuさんの透明感溢れる透き通った歌声で紡がれる切ない歌詞に、心を揺さぶられるリスナーが続出しています。
小説投稿サイト「monogatary.com」とコラボレーションした企画が始動!
2021年6月に小説投稿サイト「monogatary.com」とadieuのコラボ企画が発表されました。
お題は「よるのあとのあと」と称し、「よるのあと」のミュージックビデオや歌詞から創造したアフターストーリーを募集するという企画です。
大賞を受賞した作品については物語をベースに、「よるのあと」とコラボしたアートムービーを制作し、「よるのあと」のその後を描く”アフターMV”として公開される予定です。
応募期間は6月中なので興味のある方は挑戦してみてはいかがでしょうか?

「よるのあと」 歌詞考察!
それでは歌詞考察をしていきましょう!
愛のない二人の関係

曲の冒頭では、別れた相手のこれからを想う主人公の願いから始まります。
好きだったあなたへの「さよなら」。
主人公の願いから、あなたの嘘がすれ違いの原因であることが分かります。
あなたと私の関係は終わってしまったけれど、あなたには「嘘」をつかずに生きていってほしいという、あなたの未来を案じる主人公の優しさが歌われています。

「汗が乾けば 違う顔で」という歌詞は、二人で夜を過ごし男女の関係であるということを表しています。
二人で過ごした夜が終わると、あなたの態度が変わってしまうということを嘆いた歌詞ですね。
「ルージュの慣れた匂いは あなたの前じゃ 役に立たない」という歌詞から、あなたが私のことを本気に思っていないことが伝わってきます。

目に見える細胞、夜に響く鳴き声は男女の夜を抽象的に表した表現です。
あなたを本気で愛していた主人公ですが、あなたにとっては都合のいい女性としか見られていなかった。
「透明なバランス」という歌詞が、二人の価値観が違うことを物語っています。

「青い体温」「震えぬ胸」という歌詞で、身体だけの冷たい関係である二人を表しています。
温かく胸を躍らせていた、あなたとの出会った頃の思いも、時間の経過とともに薄れ、現在の冷たい関係になっていきました。
そんな現状を冷たく笑うあなたへの悲しみや寂しさが「簡単な顔して笑わないで」という主人公のセリフに現れていますね。
あなたの嘘とは?

フィルムに残さず、ばれないようにという表現から、二人は不倫関係にあったのではないかと推測出来ます。
本来は甘い蜜のような関係であったはずですが、名前のない(愛のない)二人の関係を、ただただばれないように続けていたということでしょうか?

冷めきっている二人の関係ですが、あなたは都合よく抱きしめてきます。
別れを決意した主人公に生じる迷い

愛してるよというあなたからの言葉が嘘だとわかっている主人公。
彼の思いが自分にないことが分かっていても応じてしまう自分に嫌気が差していますね。
主人公は、彼に最後の愛を込めて別れを告げようと決意します。

いざ別れを告げようとすると出てこないさよならの言葉。
どんなにひどい扱いを受けても彼のことを嫌いになれない切ない女心が描かれています。
お互いの呪縛からの解放

彼のつき続けてきた「嘘」とは私に対する愛の言葉です。
気持ちがないにもかかわらず、言い続けてきた愛している、好きという言葉。
これからの未来で、彼がもうこんな嘘をつかなくてもいいようにという主人公の願いから、彼への愛の深さが伝わってきますね。

嘘をつき続けてきた彼を開放してあげるために、自ら別れを告げる主人公。
「さよなら」の一言でお互いを縛る呪いから解き放たれます。
片思いを続けた女性の切なさが伝わってくる曲でした。

1ヶ月無料で音楽聴き放題!
通常880円/月のAmazonMusicUnlimitedが今なら1ヶ月で体験可能!
この機会に聴き放題サービスをお試ししてみよう!
いつでも解約OK!
さいごに
いかがでしたか?
一方的に想い続けてきた主人公の寂しさ、切なさがadieuさんの透き通るような歌声とマッチして、心に染み込んでくる楽曲でした。
今後も活躍を続けるadieuさんから目が離せません!
上白石さんの透明な美しさだったり、adieuの歌声がもつ柔らかさだけではない勇ましさだったり煌めきだったり。
わたしが歌うのではなし得ないだろうな。と思いながらかきました。
やはり、このうたはadieuに歌ってもらえてよかった。
「あなたが嘘をつかなくても生きていけますように。」心から願ったことを思い出してかきました。
その嘘ですらも頼りだったんだなと。
平温で抱きしめられる寂しさだけじゃ生きていけないけど、我々には愛を込めてさようならと言える勇ましさがある。
その思いが形として出来上がった事、皆さんに聴いていただけて、これからきっとよるのあとは生きて変幻していくんだろうな。と思うと嬉しい気持ちでいっぱいです。