「YELLOW」は元ボカロPの有機酸さんがシンガーソングライター(以下、SSW)神山羊さん名義で初めてドロップしたデビュー曲。
2018年11月にイラストレーター東洋医学さんによるアニメーションMVが公開され、1stミニアルバム「しあわせなおとな」(2019年4月)に収録されました。
作詞・作曲・編曲ともに神山羊さんが手掛けた、歌謡曲テイストのダンスミュージック「YELLOW」の歌詞の意味を考察していきましょう。

YELLOW 歌詞考察!
「YELLOW」の意味

「YELLOW」の歌詞は非常に抽象的なので、さまざまな解釈が可能な反面、何についての歌なのか、よくわからない人もいるでしょう。
自由に想像を膨らませたいところですが、参考程度に独自の考察を展開します。
注目したのは「壊した」のが「大切な物」である点。
「YELLOW」は神山羊さん名義のデビュー曲なので、「ボカロP・有機酸さん名義を解体した」という話かもしれません。
ボーカロイドのボーカル音源を使うボカロPから、自分の声で歌うSSWへ転身した理由は「好奇心」とも考えられます。
実際、DAOKOさんの3rdアルバム「私的旅行」(2018年12月)の収録曲「24h(feat.神山羊)」で、楽曲提供しつつ歌ってみたことも転身するきっかけの1つになったようです。
神山羊さん名義での活動開始自体、誕生日ケーキを用意してろうそくに火を灯すほど準備万全のCDリリースなどではなく、MV公開という「とにかく始める」スタイルでした。
また「木製の君」は「マリオネット、操り人形」のことで、「これまではボカロPとしてボーカル音源を操っていた」とも解釈できそうです。

閉鎖的な空間で楽曲を制作しつつ、ボカロPからSSWへ転身するのが待ちきれないのかもしれません。
逆にボカロP・有機酸さんという無邪気な子どもみたいな存在のままでいたかったという矛盾する気持ちもありそうです。

タイトルの「YELLOW」も何を表しているのか、悩ましいでしょう。
「危険信号」などのネガティブなイメージと解釈するのが妥当なようですが、ブラックミュージックに対する「イエローミュージック」のことかもしれません。
「有機酸さんという存在を解体する」路線で深読みすると、「有機酸→クエン酸→レモン→黄色」と想像が膨らみます。
少々こじつけっぽいものの、ひとまず「YELLOW=有機酸さん」としておきましょう。
神山羊さん自身、有機酸さん名義に愛着がありながら脇に置くわけです、
しかし転身しなければ「後悔」して惨めな人生を送ることになりそうなので挑戦する、という話。
転身を決意した時期は夏だったのかもしれません。
「秒針」を深読みしてみた

神山羊さん目線と有機酸さん目線が入り混じっているようです。
脇に置かれる有機酸さんとしては「神山羊は好奇心に負けて、ずる賢い方法を選んだ。SSWなんて成功しないのに、自分で歌うことに満足している」とでも言いたいのでしょう。
同一人物ですが、それぞれの立場に寄り添い(あるいは矛盾する気持ちがあるので人格が分離し)、お互いを客観視している様子が伝わってきます。
閉鎖空間(パソコンなどのDTM機材)に閉じこもり、出番がくるのを待っていたのは有機酸さんという話だったのかもしれません。
有機酸さんとしての不満を吐き出し確認したので、後は神山羊さんへと転身することを「肯定」するのみです。

有機酸さんはまだ駄々をこねていて「ボカロPを続ける価値はあるはず」と要求。
しかしSSWに転身する時期は迫っています。
なぜなら「ずとまよ」こと「ずっと真夜中でいいのに。」の「秒針を噛む」のMVが2018年6月に公開され、同年8月(夏)にリリースされたから。
ちなみに「秒針を噛む」を含む「ずとまよ」の1stミニアルバム「正しい偽りからの起床」(2018年11月)には、有機酸さん名義で編曲を担当した「君がいて水になる」が収録されています。
また有機酸さん(神山羊さん)と仲良しのボカロP・バルーンさんがSSW須田景凪さん名義で活動を始めたのは、2017年10月のことでした。
「間近で見た須田景凪さん(景色)の転身をまだ覚えている」とこじつけられるかもしれません。
やはり「消えるのはYELLOW=有機酸さん」ではないでしょうか

「秒針」が「カチ~」ではなく「価値~」になっていたのは有機酸さんの仕業でした。
「SSWへと転身して葬り去られる日」を回避するため遅延行為(時間稼ぎ)をしたことによって、かえって崩壊。
もしかしたら「秒針を噛む」の作曲・編曲に携わったボカロP・ぬゆりさんが、2019年からソロプロジェクトLanndoを始めたことにもつながるのかもしれません。
「~よう」(神山羊)と韻を踏むことで、「YELLOW=有機酸さん」は神山羊さん自身から離れ、解放されました。
それでも有機酸さんに対する愛情は冷めることがなく、楽曲そのものは生き続けるでしょう。

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さいごに
「YELLOW」の歌詞について独自の視点から考察しました。
ただし神山羊さん自身は「YELLOW」の歌詞について言及していないので、正解も間違いもわかりません。
もちろんその他の解釈も可能なので、想像を膨らませてお楽しみください。