あいみょん「私に彼氏ができない理由」の歌詞の意味を考察します。
2ndミニアルバム「憎まれっ子世に憚る」(2015年12月)の収録曲。
あいみょんが作詞・作曲した「私に彼氏ができない理由」の歌詞を紐解きましょう。
私に彼氏ができない理由 歌詞考察!
恋人がいないクリスマス
日本では「イエス・キリストの降誕祭」という宗教儀式ではなく、一大イベントとして盛り上がる「クリスマス」。
ただ社会人になると年末進行で忙しい時期なので、「恋人とデートするため定時で上がります」と申告する人はあまりいないかもしれません。
子育て中の既婚者なら「主役は子どもで、家族と過ごす日」という認識でしょう。
「私に彼氏ができない理由」は20歳のあいみょんがインディーズ時代にリリースしたミニアルバムの収録曲なので、恋人がいない10代の女の子の心情を代弁していると考えられます。
つまり「クリスマスツリーのイルミネーションを見に行くデートをしたいけれど、一緒に行く恋人がいないから困る」という話です。
恋人がいないことに引け目を感じているせいか、「私」の目には「街がカップルだらけ」のように映ります。
実際「いきつけの喫茶店」に出かけても、わざわざ「予約」して訪れる恋人たちがたくさんいたようです。
「予約が殺到する喫茶店」というのは珍しい気もしますが、「クリスマス」に恋人たちがデートしたくなるようなおしゃれなカフェなのでしょう。
そこで「私」は他人と比較して、顔が引きつるような思いに駆られました。
たしかに「カップル」ばかりの場所に1人でいるのはいたたまれないでしょう。
いわゆる「クリぼっち」の過ごし方としては場違いだったかもしれませんね。
タイトルが出てくるサビです。
「彼氏ができない理由」は「人見知りと鈍感さ」ではないかと自己分析しています。
まず「人見知り」だと、恋人だけでなく友だちもできにくいでしょう。
そもそも「私」には「クリスマスはイルミネーションツリーのもとでデートするもの」といった少女漫画みたいな思い込みがあるように見受けられます。
いきなり白馬に乗った王子様が登場するわけではなく、人間関係を築いたうえで恋人同士に発展するというプロセスを理解する必要がありそうです。
続いて「鈍感さ」ですが、「クリスマス」に場違いな「喫茶店」に出かけているところからも、何らかの「鈍感さ」を持ち合わせていると考えられます。
「彼氏ができない理由は、好きな人に気づかないことではない」と気づいていない「鈍感さ」が原因なのではないでしょうか。
夢見がちなバレンタイン
恋人ができないまま「バレンタイン」を迎えてしまいました。
どうやら恋に恋しているような状態で、「人見知り」を克服できなかったようです。
大人になると恋人も夫婦も人間関係だと実感するものですが、恋愛未経験の段階では理想の相手が「突然現れる」と妄想するケースもあります。
「私」にとっては「恋人が突然現れないことは不満」かもしれませんが、何も知らない初々しい時期がなつかしいと感じる大人も多いのではないでしょうか。
寒い冬に「ひと肌が恋しい」と背伸びをしてみても、結局は「こたつ」に落ち着いています。
「恋人がほしい」と悶々とするより、「やりたいことを見つけ、人間関係を築きながら行動する過程で自信をもつようになり、気がつくと恋人もできていた」という流れになると良さそうです。
たしかに「夢見がちな恋愛に憧れている」うちはなかなか恋人ができないかもしれません。
何しろ実態は「現実的な人間関係」です。
さらに「理想が高い」場合は、対象となる人数が激減してしまいます。
ただ「彼氏ができない理由」はもっと他にあるでしょう。
「人見知りで自信がない」ことは自覚していますが、その点を克服するためにも「恋愛について考えてばかりで非行動的になっているところが問題」だと気づく必要があります。
「うらやましいな~少し照れくさい」のパートが繰り返された後に、「彼氏ができた場合の願望」が続きます。
始まってもいない「恋愛」のことしか考えられない青春時代というのは、長い人生においてほんの一瞬でしかありません。
そんなかわいらしい「夢」を見ている状態を、あいみょんは意図的に描いています。
同世代の人にとっては共感しつつ、自分なりの「理由」を考えるきっかけとなり、大人にとってはなつかしさを覚える歌詞になっているでしょう。
1番のサビの後に「そうかな」という一言が加わりました。
「彼氏ができない理由は人見知りと鈍感さ」でもありますが、本質はそこではないことを示唆しています。
このままの状態で万が一「恋人が突然現れる」と、今度は「恋愛にうつつを抜かす」段階に移行するだけでしょう。
「夢見がちな女の子」を俯瞰する「そうかな」というあいみょん目線が効いていますね。
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さいごに
男性には理解しがたいかもしれませんが、女性は多かれ少なかれ「白馬の王子様」願望を抱くもの。
大人になるにつれ現実を思い知りますが、ドキドキ感満載の夢見る女心を絶妙に表現しているところがあいみょんらしいですね。