Saucy Dog(サウシードッグ)「Wake」の歌詞の意味を考察します。
1stミニアルバム「カントリーロード」(2017年5月)の収録曲。
石原慎也さんが作詞、Saucy Dogが作曲した「Wake」の歌詞の意味をチェックしましょう。

Wake 歌詞考察
失恋後のグダグダ生活
クタクタになったシャツを
出典:Wake / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
丸めて仕舞い込んだ
タンスが溢れてくように
締まらない毎日は
冒頭のパートは「毎日は」という主語にかかる形容表現のみで、述語は次のパートに持ち越されています。
その「毎日は」にかかる直前の形容詞が「締まらない」で、残りは「締まらない」にかかる形容表現です。
「締まらない」はここでは「ダラダラした、グダグダの」といったニュアンスで使われていると考えられるので、そんな「締まらない毎日」に対して実際にグダグダと形容表現が並べられている感覚でしょう。
しかも「~ように」と比喩表現を使いながら、「締まらない毎日」の具体的な様子が描写されています。
「シャツ」単体でもくたびれているのに、たたまずに「丸める」という「仕舞い方」も、「タンスが溢れる」ほど詰め込むところも「だらしない」ですね。
そんな「だらしない毎日は」何なのか、続きを見ていきましょう。
ガラクタになったはずの
出典:Wake / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
あの歪んだ曲線と
今日も僕を嘲笑うのだろう
グダグダの形容表現を省くと「毎日は僕を嘲笑うのだろう」になります。
擬人法もややこしいのでひとまず「僕」を主語にすると、「僕は毎日に嘲笑われるのだろう」です。
「クタクタ」と韻を踏んでいる「ガラクタ」云々は、伸びた「Tシャツ」の襟の「ヨレた曲線」のことでしょうか。
まとめると「僕は、だらしない毎日に、伸びたシャツの襟みたいにダルダルだと笑われるのだろう」となります。
忘れよう君との今日までは
出典:Wake / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
思い出さないように手を振ったんだ
バイバイ
どうやら「僕」は「君」と別れて以来、グダグダの生活を送っていましたが、未練を断ち切る決意をしたようです。
曲名の「Wake」のように、失恋後のショックから目を覚まそう、立ち直ろうといった意気込みが感じられます。
気づいたときには手遅れ
君が居なくなって初めて
出典:Wake / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
気が付くのさ ほら、もう遅いだろう
伝えたい事が積み重なって
離れた後悔だけが残った
未練を断ち切ると決めたので、ようやく言葉遣いもスッキリしてきました。
「別れてから気づいても遅いことがたくさんあり、後悔している」ようです。
ただいまってなんだっけ
出典:Wake / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
1人ぼっちになってふと思う
今日も君はいないなぁ
別れた後も、これまでの習慣でつい「ただいま」と言ってしまうという意味でしょうか。
あるいは急に「ただいま」と言わなくなり、「ただいま」の意味を忘れたとか、逆にゲシュタルト崩壊しているようなイメージでしょうか。
同じ不在でも、「もともといない」のと「いた人がいなくなる」のでは孤独の感じ方が異なるでしょう。
気がつけば日常が
出典:Wake / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
思い出になっていた
見渡せば部屋にはもう
君との記憶ばっかりでした
あそこで怒ったのは
違ったかな
いまさら遅いけれど
付き合っていたときは「現在」を積み重ねているという充実感があったのに、別れてからは「過去」に生きるようになったといったニュアンスでしょうか。
一緒に暮らしていた「部屋」なので、どこにいても何を見ても「君を思い出してしまう」ということですね。
2人の「記憶」を反芻し反省したところで過去は変えられませんが、「怒ったのは良くなかった」と気づけたら、新たな恋では改善できるかもしれません。
君から貰った物がまだ
出典:Wake / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
居場所を探しているみたいだ
それならこの思いと合わせて
ついでに見えないようにポイしちゃえば
良いんじゃない?
また「物が居場所を探す」という擬人法が用いられていて、「僕が君との居場所を探している」というニュアンスも感じられます。
まだグダグダ感が残っているのは否めませんが、それでも「君から貰った物も思いも捨てよう」と決意しました。
しかも「ポイする」という軽い表現になっているので、重く深く悩む状態から抜け出しつつあるような雰囲気が漂います。
未練と決別する方法
失うべきだったのはね
出典:Wake / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
君じゃなくて
つまらない僕のプライド
そんな事は分かってるんだよ
分かっているんだよ悔しいけれど
「プライド」がじゃまをして素直になることができなかったとか、「君」に優しく接することができなかったという話のようです。
その「プライド」の中身は何なのか、具体的には明らかにされていませんが、「怒った」ことを「後悔」している様子もあったので、たとえ正論でも誰かに言われると腹を立ててしまうようなことなのでしょう。
「君」の言い分も「わかる」けれど、「僕」には譲れないこだわりがあると考えられます。
君は二度とここには戻らないんだろう
出典:Wake / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
最後まで君のせいにした僕のせいか
日々の苛立ち押し付けて
我がごと棚に上げて言った
「そうは言うけど君だってさぁ」
恋人同士でケンカしたとき、「相手が悪い」とお互いに責め合う場面もあるかもしれません。
ただし、どちらかが折れるなり、折衷案も見出すなりしないと、いつまでも平行線をたどることになってしまうでしょう。
別れた後なら「君を責めた僕が悪い」と反省することもできるのに、たしかに「いまさら遅い」ようです。
自分のことを「棚に上げる」という表現が、ようやく冒頭の「タンス」や2番の「部屋」の描写とつながりました。
「そうは~」というのはおそらく「僕」の口癖だったのでしょう。
親しい相手だから反論できるとも考えられますが、その関係性に甘えてしまったようです。
無くしたものを取り戻すのは
新たなもの手に入れるより難しいね
仕方ないだろだって君がまた
言い訳だらけでバカみたいね
なんて言うから「だって」バイバイ
出典:Wake / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
新しい恋人を見つけるより、元恋人と復縁するほうが「難しい」という話でしょうか。
まだ「言い訳だらけで~」という「君」の口癖が耳に残っているようですが、そのおかげで最終的に「僕」自身の口癖だった「だって」という「言い訳」や未練と決別することができました。

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さいごに
失恋後にグダグダな生活を送り、過去を振り返ってばかりいるうちに、反省点に気づき、未練とともに悩みを「ポイする」ことができました。
「自分の改善点と向き合うこと」が「目を覚ます」ポイントのようです。
できれば付き合っているうちに「別れるくらいなら…」と想定できると、後悔が減るのではないでしょうか。