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vivi【米津玄師】歌詞の意味を考察!壊れていく二人の関係が優しく淡々と綴られる

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今回は2012年5月16日にリリースされた米津玄師名義の1stアルバムdioramaの7曲目「vivi」について考察していきます!

viviは作詞作曲歌唱そしてジャケットやMV制作まで当時21歳の米津玄師さん1人で手がけています。

人と人はどうやっても分かり合えない。わかりあえたと思ってもすれ違いは必ずある。その悲しさを描いているのが「vivi」なんです。投稿からいまだに根強く再生数を伸ばし続けるこの楽曲。

MVではイギリスの童謡(マザーグース)に出てくる、ハンプティダンプティを思わせる卵を擬人化したようなキャラクターと、女の子によってストーリーが進んでいきます。

それもふまえて歌詞の考察に行きましょう。

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vivi 歌詞考察

丁度の言葉が見つからないふたり

悲しくて飲み込んだ言葉
ずっと後についてきた
苛立って投げ出した言葉
きっともう帰ることはない

イントロをイヤホンで聴くと左右で異なる印象のギターフレーズが録音されており、とても不安定な響きになっています。すれ違って調和しない人たちの様子が描かれています。

悲しくて飲み込んだ言葉とは、言えなかったことへの後悔。苛立って投げ出した言葉とは、言い過ぎてしまって取り返しのつかないさまが書かれています。

コミニュケーションの加減は難しい。そんな歌い出しです。

言葉にすると嘘くさくなって
形にするとあやふやになって
丁度のものはひとつもなくて
不甲斐ないや

感謝やお礼などを言葉にして伝えてみるととても薄っぺらくなってしまうことがあると思います。それは思いやりがあるほど的確な言葉も、プレゼントもわからなくなってきたり。

二人にとってちょうどいい言葉を見つけられない主人公の嘆きが「不甲斐ないや」ということになります。

悲しい、決意

愛してるよ、ビビ
明日になれば
バイバイしなくちゃいけない僕だ
灰になりそうな
まどろむ街を
あなたと共に置いていくのさ

愛してるよ。と、サビのドあたまで米津作品ではなかなかお目にかかれない詞が飛び込んでくる。本人もかつては「あんまり使いたくなかった」とインタビューで答えています。

素直に愛してると言うのかと思えば今度はバイバイしなくちゃいけない。使命としての別れを感じさせるフレーズです。

灰になりそうなまどろむ街とは、自分にとって朽ちていく街=自分にとってもう戻ることの出来ない場所を連想させます。

そしてその場所にあなた(vivi)を置いてゆくのです。

あなたへと渡す手紙のため
いろいろと思い出した
どれだって美しいけれども
一つも書くことなどないんだ

口頭で伝えるのでもなくプレゼントでもなく手紙を書こうとする主人公。

どこを切り取っても美しい思い出であるため、選ぶという行為すら愚かに感じてしまうのでしょう。

二人で過ごした日々の気持ちや喜びはやはり形にも言葉にも適切なものはないということが伺えます。

でもどうして、言葉にしたくなって
鉛みたいな嘘に変えてまで
行方のない鳥になってまで
汚してしまうのか

それでも主人公は二人の日々を、viviへの思いを言葉にしようとします。

しかし、出てきた物は鉛のような嘘。「鉛」というのは毒性のある偽の金属です。とてもクリティカルに切ない詞を選んでくる米津先生。

そしておそらく手紙に書き出した嘘の言葉達は行くあても無くただ飛び回る鳥のようにただバタバタと飛び回る様子が伺えます。

汚す。ということに関して当時のインタビューで米津さんは「言葉って発すれば発するほど、どんどん汚れていく物だと思うんですけど」と言っています。ありきたりなはびこり過ぎた言葉の羅列が推測できます。例えば「愛してる」とか。

愛してるよ、ビビ
明日になれば
今日の僕らは死んでしまうさ
こんな話など
忘れておくれ
言いたいことは一つもないさ

2番サビ。MVでは女の子が大号泣です。1番サビではあんなに笑顔でバイバイしていたのに。

明日になれば今日の僕らは死んでしまうとは、今日までの二人の関係性は終焉を迎えることを意味します。

こんな話など忘れておくれとは、一方的に辛いことを伝えてしまったニュアンスがあります。

忘れておくれ 言いたいことは一つもないさ。おそらく別れを伝えた言葉達も嘘の羅列。思ってもないことを言って関係を終わらせたように感じ取れます。

MVの間奏では主人公の卵型のキャラクターが落ちて行きます。ちなみに似たようなキャラクター「ハンプティダンプティ」の場合「落ちる」とは壊れて元に戻らなくなる、という意味があります。

もう戻ることはない、心の乱れ

溶け出した琥珀の色
落ちていく気球と飛ぶカリブー
足のないブロンズと
踊りを踊った閑古鳥
忙しなく鳴るニュース
「街から子供が消えていく」
泣いてるようにも歌を歌う
魚が静かに僕を見る

天変地異がやってきました。dioramaの収録曲のタイトルや関連ワードで描かれています。

琥珀は宝石言葉で「活性」「繁栄」「寿命」といった意味合いがあります。そんな琥珀を溶かすほどの強い熱が命を脅かし、街を襲っている状況がうかがえます。

優雅に空を飛んでいるはずの気球は落ち、巨体な生き物であるカリブーが逆に空にいる様子。

足のないブロンズは何か強い衝撃に耐えられなくて落ちた像。閑古鳥は流行ってないお店などの表現で使われる。泣くどころか踊っている首なし閑古鳥(12曲目)

街から子供が消えて行く。あめふり夫人に出てきたはしゃぐ子供達。

魚が静かに僕をみる。これはジャケットのナマズ。米津さんのインタビューでは江戸時代のナマズ絵を踏襲しているという。かつてはオオナマズが地下で活動することによって地震が起きるとされていました。

dioramaと言うアルバムは日本大震災を意識しています。当時のインタビューでも米津さんが言ってましたね。

どうにもならない心でも
あなたと歩いてきたんだ

どうにもならない心、とは先ほどの天変地異は主人公の心情と読み解けます。

わかりあえない苦しさや天邪鬼な自分への苛立ち。そんな自分を受け入れてくれたviviと一緒に過ごした美しい日々も同時に思い出しています。

二人にとっての、さよなら

愛してるよ、ビビ
明日になれば
バイバイしなくちゃいけない僕だ
灰になりそうな
まどろむ街を
あなたと共に置いていくのさ

最初のサビと同じ歌詞がまた登場しますが、印象は変わります。

1番のサビはviviに伝える前はバイバイを翌日伝えるニュアンスでしたが、3番サビはそれを伝えた後になります。主人公はviviのいるこの街から遠くへ離れて行くようなニュアンスに変わります。

言葉を吐いて
体に触れて
それでも何も言えない僕だ
愛してるよ、ビビ
愛してるよ、ビビ
さよならだけが僕らの愛だ

ラスサビ。なんとも言えない悲しさが伝わります。

言葉にしようとも、触れ合おうとも、主人公は結局気持ちを伝える事が出来ないことを認めました。

「愛してるよ、ビビ」ここで初めて繰り返しの詞が出てきます。メロディもこれまでの「愛してるよ〜」とかわり、遠くから大声で伝えるかのような印象を受けます。もう遠くまでいってしまったのかMVでは二人が一緒に映ることはありません。

女の子は優しい表情で涙を流しています。

「さよならだけが僕らの愛だ」

ちょうどのものは一つもないと、歌い出しにはありました。

そんな二人にとってちょうどの言葉はただ一つ「さよなら」だったのです。

そしてこれまで左右のイヤホンで違うギターフレーズだったものは、音を下るようにして調和していき、楽曲のエンディングを迎えます。

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さいごに

いかがでしたでしょうか。コミュニケーションの繊細な部分に焦点をあてて描かれた、米津玄師さんの色褪せない名曲「vivi」

関係の壊れていく二人を優しく淡々と歌い上げる米津さん。この楽曲はこれからもずっと愛されるだろうし、なにか考えるきっかけになる人もいるかもしれないと思いました。

言わずと知れた天才クリエイター米津玄師。今後の活躍にも注目です!

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