今回は、yamaさんが6月22日にリリースする新曲「桃源郷」の歌詞を考察します!
「麻痺」「真っ白」を手掛けたTOOBOEさんと、再びタッグを組んだ本楽曲は、タイトル通り、リスナーを桃源郷に連れて行ってくれるような楽曲に仕上がっているそうです。
また、本楽曲は8月31日にリリースされるyamaさんの2ndアルバム『Versus the night』にも収録される予定。
楽曲コメントと合わせてみていきましょう。
楽曲コメント
MVはリリース日、6月22日の21時からyamaさんのYouTubeチャンネルにて公開されます。
桃源郷 歌詞考察
壊れたままのスピーカーから
かすかに聞こえるメロディ
何の歌か分からなくて
イラついていたみたいだそうやって今日も焦げていく時計を見つめてた
出典:桃源郷 / 作詞・作曲:TOOBOE
今 一体 何時何分か分からないけど
袋小路の中で私はただただ祈っている
それが幸せで
タイトル「桃源郷」とは、俗世を離れた理想郷を表す言葉です。
この曲の歌詞を見ると、主人公は、この桃源郷を目指していると考えられます。
冒頭の歌詞では、桃源郷を目指している主人公の今が綴られます。
「壊れたままのスピーカーから かすかに聞こえるメロディ」
この歌詞は、うまくいっていない主人公の現在を暗示しているのではないでしょうか?
壊れたスピーカーから聞こえるメロディは、このうまくいっていない状況を打破するヒントのようですが、スピーカーを直せない主人公には、よく聞こえません。
なんとかして桃源郷(自分の理想の姿)にたどり着きたいともがく主人公が、どうすることも出来ない無力さに苛立ちを感じてることが分かりますね。
「そうやって今日も焦げていく時計を見つめてた」
文字通り、うまくいかず、燻っている様子が歌われています。
ただただ過ぎていく時間に焦りを感じている主人公の様子が浮かびますね。
「袋小路」とは、行き止まりになっている路のこと。
この歌詞からも、主人公が行き詰まっている様子が分かります。
自分の力でどうすることも出来ない主人公は、ただ祈ることしか出来ません。
歪な思惑が絡まりあってんのに
出典:桃源郷 / 作詞・作曲:TOOBOE
全て上手くいくとばかり思ってたんだな
気持ちのない言葉は要らないわ アイロニー
虫酸が走るだけだわ
この歌詞では、主人公と周りの人との人間関係が描かれています。
それぞれの思惑が絡まり合いながら動いている社会。
複雑な社会で、全てが自分の思い通りに行くとは限りません。
この曲を歌っているyamaさんも、様々な事情で、うまくいかない場面があったのではないでしょうか?
思い通りにいかなかったとき、上手くいかなかったとき、さも残念そうに味方のフリをして、近寄ってくる人たち。
そんな人の気持ちのない言葉は、虫酸が走るようなアイロニー(皮肉)でしかありません。
机上の空論だって巻き込んでエキセントリックに
出典:桃源郷 / 作詞・作曲:TOOBOE
生きるってそういう事だって教わっちゃってさ
桃源郷の場所なんて見当もつかないわ
だから此処でサヨナラ
続いて、主人公の人生観が歌われます。
たとえ机上の空論であっても、皆を巻き込んでエキセントリックに実現させる。
前述の絡まり合う思惑なんて知ったことではない、自分の思い通りに生きることこそ、人生の醍醐味であると歌っているように感じました。
自由に生きたいと願う主人公と、思惑が複雑に絡まり合い、上手くいかない現実。
このギャップに嵌ってしまった主人公は、袋小路に迷い込み、桃源郷の場所を見失ってしまったのですね。
「だから此処でサヨナラ」という歌詞からは、窮屈な現実からの解放、脱却が伺えます。
戯れ合った後の汚れた私に価値等無くて
逆上せるまで居合わせた 在りし日のこの街みたい成り切ったエチュードは根拠の無い滑稽な猿芝居
出典:桃源郷 / 作詞・作曲:TOOBOE
ただ失敗を恐れては空回り
二度と戻る事は出来ない百鬼夜行の中
飛んだ番狂わせ
「戯れ合った後の汚れた私に価値等無くて」という歌詞から、主人公が自分に自信を持てない様子、自信はないのに有名になってしまったことへの戸惑いを読み取ることが出来ます。
エチュードとは練習曲のこと。
「成り切った」とあるので、練習曲が本番曲に成り切っているのでしょう。
練習曲(サブ)が、必死に本番曲(メイン)になりきろうとして、空回りした猿芝居を続けていると歌われています。
主人公が自分に対してネガティブな印象を持っていることが分かりますね。
生まれつき心が上手く操れなくてさ
誰かの怒りの買うのも慣れっこなんだわ
シガラミに怯えてお別れね ディスティニー
手遅れになる前に何回だってほら やり直せるから
出典:桃源郷 / 作詞・作曲:TOOBOE
屈託のない愛を下さい
何回だってほら やり直せるから
嗚呼
順番が前後しますが、この部分の歌詞では、シガラミに怯えて自分の意見・考えを曲げてしまう人へのメッセージが歌われているように感じました。
多くの人は、周りの目を気にして、自分の運命を曲げてしまいます。
そんな人達に、手遅れになる前に立ち上がろうと呼びかけているように感じました。
「生まれつき心が上手く操れなくてさ 誰かの怒りの買うのも慣れっこなんだわ」
自分の気持ちを上手く伝えられず、誤解されてしまった経験が歌われています。
昔から勘違いされてきたから、怒られるのも慣れっこだ。
気負わず、この絡み合ったシガラミだらけの社会をぶっ壊そう、という主人公の想いが表現されているように感じます。
もし失敗してしまったとしても、何回だってやり直せる。
挑戦すること、自分の桃源郷を目指して精一杯頑張ることの大切さが歌われているような気がしました。
救いのない歌だと誰かが呟いてた
出典:桃源郷 / 作詞・作曲:TOOBOE
だけど私にとってそれは希望に見えた
遣る瀬のない夜でも美しい夜明けでも
私にゃ同じなんだわ
「救いのない歌」とは、この『桃源郷』を指しています。
主人公のように、自分の意見を通し、思い通りに行動できる人であればいいですが、世の中の多くの人は、なかなか思ったとおりに動けません。
よって、この曲の主人公のように行動できない人にとっては、理想論に過ぎず、 救いのない歌になるのではないでしょうか?
だけど「私」にとっては希望に見えるこの歌。
ここで歌われている「私」は、yamaさん自身を指していると思われます。
やるせない夜(救いのない歌)でも、美しい夜明け(救ってくれる歌)でも「私」にとっては、どちらも同じ。
逆に、遣る瀬のない夜を歌った曲こそ、自分の戸惑い、葛藤に寄り添ってくれる希望の曲なんだ、と歌っているように感じました。
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さいごに
いかがでしたか?
桃源郷への行き方を教えてくれるわけではありませんが、聴く人の、戸惑い、迷い、葛藤に寄り添ってくれる素敵な楽曲でしたね。
これからの活躍からも目が離せません。
久しぶりのTOOBOEさんとのタッグです!
TOOBOEさんらしい個性的なサウンドと歌謡曲のようなパワフルなメロディが魅力です。
MVでは実際にゲームセンターで撮影され、アーケードゲームなど実写とアニメーションを融合された面白い作品となっているので、ぜひ音楽と合わせてお楽しみください!