Nissy(西島隆弘)さんの9thシングル「トリコ」(2018年9月)の歌詞の意味を考察します。
「Relax & Chill」との両A面シングルで、吉沢亮さん主演の映画「あのコの、トリコ。」(2018年5月)の主題歌として書き下ろされました。
Nissyさんが作詞・作曲、Xchangeの和田昌哉さんが作詞・作曲、MANABOONさんと上條頌さんが作曲に加わった「トリコ」の歌詞の意味をチェックしましょう。
映画の概要
白石ユキさんの漫画が原作の宮脇亮監督による実写映画「あのコの、トリコ。」。
子どもの頃にスーパースターになる夢を語り合った幼なじみの3人が、地味で平凡なメガネ男子高校生・鈴木頼(吉沢亮さん)、人気モデルの立花雫(新木優子さん)、人気俳優の東條昴(杉野遥亮さん)となって再会し、三角関係に陥りつつ芸能界で奮闘する物語です。

トリコ 歌詞考察
頼と雫の関係は不器用?
君の話は
素直に聞くよ?
だから怒らないで
一緒に帰ろう
Baby何があったの?
出典:トリコ / 作詞:Takahiro Nishijima・Masaya Wada 作曲:Takahiro Nishijima・Masaya Wada・MANABOON・Sho Kamijo
ちゃんと言ってよ
僕は君のトリコさ
楽曲「トリコ」の登場人物は語り手の「僕」と「君」と「あなた」で、映画の主人公・頼(より)、ヒロインの雫(しずく)、ライバルの昴(すばる)の心情が重ねられていると考えられます。
1番冒頭の「僕」は頼、「君」は雫のことでしょう。
幼なじみの2人が高校で再会し、冴えないメガネ男子になっていた頼は、子どもの頃の夢を叶えるべく人気モデルになっていた雫が悩みを抱えていることに気づいたのでしょうか。
相談に乗るから一緒に下校しようと誘っているようです。
映画のタイトルや曲名にもなっている「トリコ」は「虜」のことで、「僕」が「君」の魅力にハマっている様子が伝わってきます。
いつも不器用な あなただけど
負けちゃいそうな時は
そばに居てくれるMy girl
出典:トリコ / 作詞:Takahiro Nishijima・Masaya Wada 作曲:Takahiro Nishijima・Masaya Wada・MANABOON・Sho Kamijo
君の気を引っ掛ける罠さぁ No!
何してもダメな僕だけど
君だけは離さない!
「いつも」から始まるパートは雫目線の心情でしょう。
つまり「あなた」は「頼」のことで、「不器用でも、自分が弱っているときに寄り添ってくれる存在」だと思っています。
「My girl」から始まるパートは、雫の思いに対する頼の返事です。
「不器用でダメ」なことは認めつつ、「寄り添うのは罠(わな)」だと打ち明けています。
すでに雫の「トリコ」になっているので、下心はあるかもしれませんが、気遣いができると褒められたことへの照れ隠しでしょう。
ドキドキ 瞳も
ポロポロ 溢れる 雫も
抱きしめてみせるよ
君が欲しいからキラキラ 描く 未来
どんどん 過ぎる 今「夢は叶うかな?」
うん、
出典:トリコ / 作詞:Takahiro Nishijima・Masaya Wada 作曲:Takahiro Nishijima・Masaya Wada・MANABOON・Sho Kamijo
そんな君が好き
1番のサビです。
「君の瞳から涙の雫が溢れる」という展開で、ヒロインの名前が入り込んできました。
頼りになる頼が寄り添ってくれたおかげで、雫は前向きな気持ちを取り戻したようです。
幼なじみ3人が子どもの頃に誓い合った「芸能界で活躍する夢」の行方はどうなるでしょうか。
昴と雫の関係は強引?
追いかけるから
諦めないよ?
真っ直ぐな気持ち
ほっとけなくて
Baby独り占めするよ?
出典:トリコ / 作詞:Takahiro Nishijima・Masaya Wada 作曲:Takahiro Nishijima・Masaya Wada・MANABOON・Sho Kamijo
わかってるでしょ?
僕は君のトリコさ
Nissyさんは曲作りで「三角関係のラブソング」に初挑戦したとのことなので、1番の「僕」は頼でしたが、2番の「僕」は昴に変わったのではないでしょうか。
1番では「不器用」な性格が表現されていましたが、2番では「君=雫」に対して上から目線というか、独占欲の強さがにじみ出ています。
Nissyさんが真逆の性格の男性2人と女性1人の計3人を演じ分けていることになるでしょう。
急にせまる あなたの 優しさ
たまに寄り添っちゃうから
困らせないでMy girl
出典:トリコ / 作詞:Takahiro Nishijima・Masaya Wada 作曲:Takahiro Nishijima・Masaya Wada・MANABOON・Sho Kamijo
君の気を引っ掛ける罠さぁ yeah
「本気だ!」なんて 見せないけど
君だけは離さない!
「急に」から始まるパートは雫、「My girl」から始まるパートは昴が語り手。
いつも雫のことを見守っているのは頼で、突然「優しさ」を見せて雫を惑わすのが昴という違いが描かれています。
こうした「罠」についても、照れ隠しのために「罠」だとうそぶく頼に対し、積極的に仕掛けるのが昴です。
男性2人は両極端な性格ですが、昴も雫のことが「本気」で好きなのでしょう。
この後、1番のサビが繰り返されます。
ドキドキするハッピーソング
一緒に過ごした 気持ちに
振り向いてみませんか?Yeah (yeah)
出典:トリコ / 作詞:Takahiro Nishijima・Masaya Wada 作曲:Takahiro Nishijima・Masaya Wada・MANABOON・Sho Kamijo
Yeah (yeah)
Yeah (yeah)
Oh (oh)
Yeah (yeah) Yeah (yeah) Yeah (yeah) Yeah (yeah)
3人は幼なじみなので「子どもの頃に3人で過ごした」という意味かもしれませんし、「再会してから、いつも雫の近くで見守っていたのは頼」と受け取ることもできそうです。
丁寧な言葉遣いで雫を誘うのが頼、ノリノリで「Yeah」と呼びかけるのが昴という解釈もあり得るでしょう。
さて、三角関係はどのような結末を迎えるでしょうか。
「はい! 伝えたいことがあります!」
だから、こっちを向いて
出典:トリコ / 作詞:Takahiro Nishijima・Masaya Wada 作曲:Takahiro Nishijima・Masaya Wada・MANABOON・Sho Kamijo
ねぇ もっと近くに来て
ねぇ ずっと目を見つめて
「はい!~」は雫のセリフでしょう。
雫が「2人の男性のうち、どちらの思いに応じるかを決めた」という展開のようです。
いったいどちらを選んだのでしょうか。
ドキドキ 瞳も
ポロポロ 溢れる 雫もずっとそばに居てくれたから
恋が走りましたキラキラ 描く 未来
どんどん 過ぎる 今「夢を叶えよう」
うん、
そんな君が好きそうあなたが好き
出典:トリコ / 作詞:Takahiro Nishijima・Masaya Wada 作曲:Takahiro Nishijima・Masaya Wada・MANABOON・Sho Kamijo
「ドキドキ~」の部分は、1番では頼、2番では昴の心情とリンクしていましたが、ラストで「雫の告白」になりました。
結局「頼と昴のどちらを選んだのか?(あなたはどちらのことなのか?)」についてはオブラートに包まれたままですが、映画を観た人はその内容と重ね合わせて「ドキドキ」したのではないでしょうか。
何より「伝えたいこと」が「芸能界で活躍する夢を叶えること」だったのが最大のオチです。
もちろんその「夢」のなかには「恋」も入っているはず。
いずれにしても「ドキドキするハッピーソング」でした。

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さいごに
女性1人を男性2人が取り合う三角関係なので、3人とも幸せになるのは難しい状況です。
現実の三角関係はもっとドロドロしているものでしょう。
しかし、フィクションの映画や主題歌なら話は別。
女性にとっては男性2人が自分の争奪戦を繰り広げ、しかも華やかな「夢」を追いかけるという、贅沢極まりない設定ともいえます。
実に少女漫画的な発想ですが、Nissyさんは現実離れしたドキドキ感を求めたがる女性心理をうまく突いたのではないでしょうか。