マカえんことマカロニえんぴつ「溶けない」の歌詞の意味を考察します。

溶けない 歌詞考察
愛すべき濃い時間に溶ける?
覚えた言葉だけでは僕は僕のこと話せない
出典:溶けない / 作詞・作曲:はっとり
向いてないのかな、きっと向いてないんだろな
急ぎすぎた日々の中で見つけた優しさ
忘れちゃうのかな
そっと忘れちゃうんだよね、ぜんぶ
アイスのCMソングなので「溶けない」という曲名なのかと思いきや、シングルのジャケットはロウソクで、「いったい何が溶けないのか?」については徐々にわかってくる展開になっています。
いずれにしてもグリコの「セブンティーンアイス」のタイアップ曲ということで、17歳前後の青春時代を「急ぎすぎた日々」と表現しているようです。
「覚えた言葉」というのは「学校で習った言葉」という意味なのかもしれませんし、勉強に限らず、人生についても学習中のような若さを感じます。
自分のことを話そうとしても言葉足らずになるもどかしさに自信をなくしたり、それでも「優しさ」を見出すこともあったり、そうした青春の日々を「忘れる」ときもくるのだろうと考えているようです。
いじわるな寒さは過ぎ
たいていのズルさも身に着けた
大人なんだよね、これで合ってるんだよね
不満だけど不安だからやっぱそばにいてほしい
昨日はごめんね、もう忘れてるかな赤の他人よ 悪いが青の日々には必要だ
出典:溶けない / 作詞・作曲:はっとり
「いじわるな寒さ」というのも「急ぎすぎた日々=青春の日々」のことでしょう。
つまり語り手ははっとりさん自身を彷彿とさせる「大人」です。
10代のときは「ズルい大人」を許せないと敵視しがちで、その辺りが「いじわるな寒さ」に通じるところもあるのかもしれませんが、気がつくといつのまにか自分自身が「ズルい大人」になっている場合もあります。
そのときには「大人になる=ズルさを身に着ける」と考えるようになっているものです。
ただ、「ズルさ」に罪悪感がまったくないわけではないので、正しい道を進んでいるのかどうか、「不安」になることもあります。
こうした「青の日々=落ち込む日々」に、孤独をまぎらわすため「そばにいてほしい」のは「赤の他人」とのこと。
青春時代だけでなく「大人」になっても「青さ=未熟さ」は抱えているもので、「誰か=他人」を形容する「赤」と対比的に用いられた言葉遊びになっています。
その誰かに対して「ごめん」と謝らなければいけないほど「ズルい」ことをしたのでしょうか。
できれば「昨日のことは忘れてほしい」という願望が含まれているのかもしれませんし、すぐに「忘れる」くらい些細なことの可能性もあります。
ほら、何度分かり合えても何度すれ違っても
出典:溶けない / 作詞・作曲:はっとり
ただ愛すべき濃い時間に溶ける
ほどける結び目を何度も僕ら愛せたじゃんか
「愛すべき濃い時間に溶ける」というのは「アイス」にからめた言葉遊びでしょう。
語り手と「赤の他人=恋人」が「濃い時間に溶ける=愛し合う」という話のようです。
「溶ける、ほどける」で韻を踏んでいるところも、「ズルい歌詞」といえるかもしれません。
アイスだけに「溶け合えば(愛し合えば)問題なし」と考えている節があるところも、「ズルい大人」らしいのではないでしょうか。
数えた怒りだけでは君との距離など測れない
出典:溶けない / 作詞・作曲:はっとり
言えなかったこと、敢えて言わなかったこと
急ぎ、過ぎた日々の中で気付けた優しさ
忘れないからね、ちゃんと忘れないからね
「距離を測る」と数学らしい言葉を交えた表現になっているところも、「セブンティーンアイス」のターゲット層である学生を意識しているのでしょう。
「急ぎすぎた日々」は青春時代で、「急ぎ、過ぎた日々」は「大人になってからの多忙な日々」という対比でしょうか。
青春時代の「優しさ」は「忘れる」かもしれないけれど、「大人」になってからの「優しさ」は「忘れない」とのこと。
さらに青春時代はストレートに言葉足らずでしたが、「大人」になってからは「敢えて言わなかったこともある」という違いが生じています。
ほら、何度分かり合えても何度すれ違っても
出典:溶けない / 作詞・作曲:はっとり
ただ愛すべき濃い時間に溶ける
見えない未来でも どうにか僕ら愛せたじゃんか
既出の「溶ける、ほどける」に続き、ここでは「見えない、未来」で韻を踏んでいます。
「溶ける=愛し合う」ことはわかりましたが、曲名が「溶けない」と否定形になっている「謎」はまだ明かされていません。
これも「見えない未来」なのでしょうか。
溶けない日々の意味とは?
見つかったかい?友情の上の上
出典:溶けない / 作詞・作曲:はっとり
見透かすディスカッション、似たもん同士
姑息で孤独なyou、似て非なる様
Youth and moment?
溶けない、溶ける、溶けない
溶ける、溶けない、溶ける
溶けない、溶ける、溶けない
解けぬ謎に溶けたい
ガラッと曲調が変わり、「溶けない」という歌詞も出てきました。
どうやら「解けない謎を解きたい」という意味のオチだったようです。
恋愛にしても「友情」にしても、「溶け合う(仲良くなる)か、溶け合わないかは、解けない謎」という流れでしょう。
「謎だらけの人間関係という難問を解きたいというか、溶けたい(謎と親密になりたい)」といったニュアンスのようです。
ここでも学生を意識した表現になっています。
覚えた言葉だけでは僕は僕のこと話せない
出典:溶けない / 作詞・作曲:はっとり
向いてないのかな、きっと向いてないんだろな
急ぎすぎた日々の中に置いてきた全て
思い出すときがきっと大人なんだろうな
「青春時代を思い出すときが大人なのだろう」という展開です。
「覚えた言葉~向いてない」のくだりは、アイスを「愛すべき」などと置き換える言葉遊びが「向いてない」と自虐的に語っている可能性もあるかもしれません。
ほら何度、
ほら何度も分かり合えてんだ
出典:溶けない / 作詞・作曲:はっとり
無意味にすれ違ったが
ただ愛すべき濃い時間は残り
ほどける結び目を何度も結び直すぜ
何度だって溶けない日々の中へ
何度も戻りに帰るよ
結局「溶けない日々へ戻りに帰る」という結末でした。
「どれほどすれ違っても、最終的には分かり合える」という「濃い時間は残る」ので、「分かり合えない日々(溶けない日々)の思い出を振り返って歌にする」という話だったのではないでしょうか。
これこそが「青春時代を思い出す大人」の姿であり、それなりに「ズルさ」も含まれているのかもしれません。

1ヶ月無料で音楽聴き放題!
通常880円/月のAmazonMusicUnlimitedが今なら1ヶ月で体験可能!
この機会に聴き放題サービスをお試ししてみよう!
いつでも解約OK!
さいごに
「17歳のアイス」というお題で、「ズルい大人」が青春時代を思い出し、「解けない謎=曲名の意味」の答えは「溶けない日々=分かり合えない日々」だったとオチをつける展開になっていました。
言葉遊びが多いのも青春ソングもマカえんらしいと思われますが、はっとりさんには「向いていない」という自覚があるのでしょうか。
「ズルい大人」も「愛すべき存在」なのかどうかは、若者には「解けない謎」かもしれません。