今回はあいみょんの「テレパしい」の歌詞考察をしていきます。
この曲は、2019年7月24日にリリースされたあいみょんの8thシングル「真夏の夜の匂いがする」のカップリング曲として発売されました。
この曲は、ドラマ主題歌としてタイアップされていた「真夏の夜の匂いがする」と同じくらいに人気が高く、ファンの間では名曲と言われることの多い曲です。
言葉にしなくても通じ合える関係になりたい主人公と、言葉に出して伝えてほしい相手の気持ちを描いた曲です。
よく、男性は言葉にしなくても伝わってほしいと考え、女性は伝えたいことは言葉にして欲しいと考えるなんて言われますね。
明言はされていませんが、この曲は男性目線の曲なのかもしれません。
歌詞を読みながら、考察を進めていきましょう。

テレパしい 歌詞考察
「テレパしい」とは
まず気になるのは、このタイトルです。
言葉にしなくても分かり合える関係を歌った曲であることから、テレパシーをもじったものであることは明らかですが、しいを平仮名で書く理由は?
考えられる理由は、ドラえもんに出てくる同名のひみつ道具です。
木の実の形をしており、食べると自分の考えたことが相手に伝わるようになります。
自分の考えをいちいち話して伝えるのが面倒だというのび太に対し、ドラえもんが出した道具でした。
あいみょんはドラえもんの傑作選コミックスに解説文を寄せており(「とっておきドラえもん きみにメロメロ 恋愛編」)、その中でドラえもんが好きと公言するほどのドラえもんファンでした。
このことからも、ドラえもんのひみつ道具がタイトルの元ネタであることは間違いないでしょう。
このことを意識しながら、歌詞を読み進めてみましょう。
言葉にしなくたって
出典:テレパしい / 作詞・作曲:あいみょん
通じ合える2人になろう
やぶれかぶれになって
ぶつかり合う日々をやめよう
「やぶれかぶれになってぶつかり合う日々」とある通り、二人の間には喧嘩が絶えないのだと思われます。
お互いに好きなのであれば、ずっと仲良く平和に暮らせれば良いのでしょうけれど。人間どうしが付き合う以上、上手くいかないことだってあります。
そこで主人公が考えたのが、「言葉にしなくたって通じ合える2人になろう」。
喧嘩してしまう理由は、言葉にすると上手く相手に伝わらないから。
お互いに相手の考えを誤解してしまうから。
もし言葉を交わすことなく分かり合える二人ならば、自分の考えが完璧に相手に伝わって、もっと通じ合える二人になれるはず。
まさにドラえもんでのび太が考えたことですね。
言葉以外の伝え方
言葉にすることで
傷つき傷つけるなら
目と目と心でどうにか乗り切ってみよう言葉にすることは難しい
出典:テレパしい / 作詞・作曲:あいみょん
いつになっても
抱きしめて分かり合えるなら
それがいい
自分の気持ちを言葉にするのは、いつだって難しいものです。
伝え方を少し間違えただけで傷ついてしまう。
だから、どうにかして口に出さずに気持ちを伝えたい。
主人公はそう考えます。
例えば、目と目と心で通じ合うこと。
目は口ほどに物を言うっていうでしょ? だから、目を見てもらえれば心は通じるでしょ。
君を見る目線の優しさ。
それを理解しようとするお互いの心。
例えば、抱きしめあうこと。
お互いの暖かさを感じて、抱きしめる力の強さを感じて。
君を守りたい、そんな優しさが伝わるでしょ?
何を考えているか言葉にしなくても、そうやって伝わるならばそれが一番良い。
そんな考えであることが分かります。
もしも2人がディスティニーだったら
出典:テレパしい / 作詞・作曲:あいみょん
きっとできるはず きっとそのはず
テレパしい テレパしい
もし、お互いが運命の相手なのだとしたら。
言葉みたいなありきたりな表現方法じゃなくても伝わるはず。
だって、心が通じ合っているんだから。
今はできなくても、いずれ出来るようになるでしょ。
そんなことを語りかけている歌詞ですね。
本当に言葉は不要なのか?
「言葉にしてほしい」って
出典:テレパしい / 作詞・作曲:あいみょん
君が泣いたりすると少し
今のままで良いのかな?と
少し苦しくなる
この部分からは、相手の考えは主人公と違うことが分かります。
言葉以外の何かで伝えようと考える主人公に対し、「言葉にしてほしい」とはっきり言葉で伝える相手。
シンパシーとは「共鳴」。
二人の間には言葉以外で通じ合う何か、つまり心の共鳴みたいなものがあると主人公は信じていました。
しかし、実際には何も通じ合っていないと言って相手が泣いてしまったことで、その自身が揺らいでしまった。
それが、苦しくなった理由ではないでしょうか。
ドラえもんの「テレパしい」の話には続きがあります。
テレパしいを食べて、自分の考えが全て相手に伝わるようになったのび太。
自分の気持ちを言葉に出す必要が無くなったのですが、その代わり、余計なことまで全て相手に伝わるようになってしまいました。
そのせいで、周囲の人を怒らせてしまう。最終的には、ひみつ道具をくれたドラえもんまで。
そんなことは現実に起こりえませんが、この話の教訓としては、『口に出さなくても考えてることが全て相手に伝わる能力なんて、無いほうがいい』ということ。
まず、のび太の動機が『言葉にするのが面倒』というものですからね……。
そんな便利な能力なんて最初から無いのです。
言葉にしなくたって
出典:テレパしい / 作詞・作曲:あいみょん
通じ合える2人になろう
でも言葉で伝わる何かがあることも
知ったよ
流し読みだと、少し唐突にも思えるラスト2行。
「言葉で伝わる何か」とは何のことか。
これは、「言葉にしてほしい」と相手が泣いたことを指していると考えられます。
ありもしない力を信じて、言葉にする努力を怠っていた主人公。ですが、相手が泣きながら伝えたことで、それが正しいのか自問をするに至りました。
結果として、言葉で伝えることの大切さに気づいたわけですね。

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さいごに
言葉にしなくても伝わると考えていた主人公と、そんなんじゃダメだと教えてくれた相手。
あいみょんの考えは、明らかに後者です。
しっかりと言葉にしないと何も伝わらないよ、って。
一般的に、男性はあまり言葉にすることをかっこいいと思わず、行動や態度で示したがる傾向にあると言われています。
もしかするとあいみょんは、そんな考えを持った人たちに、「かっこよさなんてどうでも良いから、もっとしっかり伝えてよ」と言いたかったのかもしれません。
思い当たる節がある人は、言葉で相手に気持ちを伝える努力もしたほうが良いかもしれませんね。