Official髭男dism(ヒゲダン)「Tell Me Baby」の歌詞の意味を考察します。
「ブラザーズ」と両A面の1stデジタルシングル(2017年7月)。
藤原聡さんが作詞・作曲した「Tell Me Baby」の歌詞をチェックしましょう。

Tell Me Baby 歌詞考察!
何がヤバいの?

愛を歌うラブソングは、ブラックミュージックの様式美です。
ソウルフルなサウンドなので、歌詞もラブソングの形式に則っています。
ただ、男女の愛が描かれていても、伝えたい本質は必ずしも恋愛とは限りません。
個人的な実話や心情をそのまま歌詞としてさらけ出すのではなく、恋愛を物語として描きながらメッセージを盛り込むのが表現者の手腕です。
ブラックミュージック好きのヒゲダンなら、こうしたセオリーを踏まえたラブソングになっているはず。
主人公の「僕」は何やら「ヤバい」状況にあります。
それは「過去」の経歴を盛り、下心がないフリをして「風が吹けば倒れる、斜塔を積み上げた」からです。
いったいどういう意味なのか、興味をそそられる出だしになっています。

「喜望峰」はアフリカ大陸の最南西端(最南端ではない)の岬。
マドンナ的存在の「君」を、「遠くにあり、なかなかたどり着かない希望の岬」や「高い山に咲いているため、手に入りにくい花」にたとえています。
「君」を狙う「僕」は、航海しながら「登山」する「僧」(下心がない人)としての「圧」(プレッシャー)が「高くてつらい」という話でしょう。
「帆がパンパンに張っているため、風圧がすごい」という下ネタにもなっていて、下心がないフリをするのも限界に達していると考えられます。

苦労してせっかく「君」の近くにたどり着いたので、「ここを離れたくない」という流れです。
本当は「僕」には下心があり、「君」とどうにかなる「夢」を抱いていましたが、その「夢」から覚めるような信じられない出来事が起きたのでしょう。
「全てをぶつけて」は「恋愛の物語に込められた、本質的なメッセージ」に該当します。

1番のサビの前半です。
「交換してmyself」(自分自身を交換して)は「本音で話し合おう」といった意味でしょう。
「交感する」という下ネタや、「恋愛の物語」と「本質的なメッセージ」を「交換してほしい」(ダブルミーニングに気づいてほしい)といったニュアンスも含まれるかもしれません。
「恋愛の物語」としては、やっと付き合えた(付き合える)と思ったら、「君」は泣き出してしまったので、その理由を「隠さずに話してほしい」ということ。
その裏には、恋愛に限らず、身近な人に「本音を隠さず、率直に話してほしい」という「本質的なメッセージ」があるようです。

1番のサビの後半です。
「恋愛の物語」としてストレートに受け取ると、下ネタ(暗闇)混じりの「有る事無い事」も連想できますが、「本質的なメッセージを見抜いて」(謎を解き明かして)という話でしょう。
ヒゲダンは2015年4月にインディーズデビュー、2018年4月にメジャーデビューしました。
この1stデジタルシングルをリリースするにあたり、今後もスタッフやファンと本音で向き合う関係性を築いていきたいと決意を新たにしたのではないでしょうか。
謎は解けた?

1番冒頭の「最上級」と2番冒頭の「最大級」、「隠す」と「画す」といった言葉遊びはヒップホップ的手法。
こうしたブラックミュージック好きを「隠して」、J-POP好きと「一線を画す壁を壊そう、落とそう」としているのかもしれません。
「恋愛の物語」に浸ると、「聖人君子」や「登山僧」に呼応するのが「野菜嫌い=肉食系」。
「僕」は「過去」や「キャリア」を盛ることで「斜塔」を築き、「君」はそもそも「高嶺の花」なのでどちらにも「壁」があります。
「本質的なメッセージ」として身近な人との「壁」のない平等な関係性を示唆しつつ、肉食系として「君」を「落としたい」という「恋愛の物語」も描かれているでしょう。

「fallin’」はここでは「(僕の)心が折れて落ち込んだ」という意味ですが、これまでの「斜塔」が倒れる、「壁を(君を)落とす」にもかかっているところがやはりヒップホップ的。
「Tell Me Baby」や「ブラザーズ」などではブラックミュージック好き(肉食系?)な面がまだ色濃く出ていたヒゲダンですが、その後はポップミュージック(野菜?)の要素が強まりました。
こうした葛藤も見え隠れしつつ、「恋愛の物語」としては「下心を見透かされて、目的を果たせなかった」という展開でしょう。

深読みすると、ブラックミュージックから離れたくないけれど強がっていても仕方がない状況で、今後はポップミュージックへと舵を切るからこの曲に「全てをぶつけておく」と解釈することもできそうです。
「恋愛の物語」としては「張られたままの夜明け」は「帆を張る」に続く下ネタで、「朝までお預けを食らうなんて信じられない。今後のために全部話して(強がらずに弱音も吐いて)」といったニュアンスでしょう。

1番のサビの前半が繰り返された後に続く、2番のサビの後半です。
「斜塔」も「登山」も「三角形」につながる伏線でした。
「君」には「僕」以外の相手がいる「三角関係」だったというオチです。
ただ「謎を解く」なら「恋愛関係に限らず、本音で話し合おう」というテーマだったのではないでしょうか。

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さいごに
憶測の域を出ませんが、もしかしたらインディーズレーベル、メジャーレーベル、ヒゲダンの「三角関係」のような準備段階の時期があり、今後の方向性について話し合っていたのかもしれませんね。