今回は、ずっと真夜中でいいのに。の「正しくなれない」の歌詞を考察していきます!
この作品は2020年12月公開の映画「約束のネバーランド」の主題歌として書き下ろされた楽曲です。
「約束のネバーランド」は2016年か8月から2020年6月まで週刊少年ジャンプで連載された漫画を実写化した作品です。
主演は人気女優の浜辺美波さん。
日本でアニメや小説となったほか、英語や韓国語にも翻訳された漫画は世界で人気となったストーリーとなっています。
この映画の内容は、孤児院で幸せに暮らしていた子どもたちが、実は鬼に献上される食用児として飼育されていたことを知り、逃げつことを決意し、主人公エマを中心に、果敢に逆境に立ち向かっていく、というもの。
新感覚の脱獄サスペンスとしても話題となりました。
主題歌『正しくなれない』には、作詞作曲を担当する『ACAね』さんの独自の世界観が散りばめられていて、彼女の繊細かつ力強いハイトーンボイスともマッチしています。
映画のストーリーともリンクする歌詞の切なさや、人の強さが表現された歌詞の意味を解釈していきましょう。
正しくなれない 歌詞考察!
この曲は印象的なサビから始まっています。
主人公は正しくない何かに苦悩しています。
苦悩を抱えつつも、その中で何か前向きな気持ちを持っているようにも感じます。
「約束のネバーランド」の舞台は孤児院です。
子どもたちは暖かく穏やかな日々を過ごしていました。
しかし、どこかでその日常に違和感を覚えていたのかもしれません。
「穏やかな波を読む」「澄んだ朝色」はACAねさん独特の表現ですね。
『約束のネバーランド』で孤児院の真実が発覚したシーンはこの部分の歌詞にリンクしていでしょう。
自分たちを愛してくれていた”ママ”は成長した子どもたちを殺して鬼の食肉として出荷することを知っていて鬼側に加担していました。
愛していた人が自分たちを殺そうとしていたという衝撃的で残酷な現実。
これまでの幸せな日々は嘘によって支えられていたものばかりで、知らない方が幸せだったのかも知れない、という苦悩が感じられます。
そんな物語の世界観を反映したものであるように思います。
「毒」は子どもたちの過酷な境遇という嘘のこと。
霧がはれていくことで、隠されていた嘘がどんどん明るみになります。
こんな偽りの世界で出会った子どもたちだったけど、そこで育まれた絆は本物です。
枯れ木のように冷め切った心で、笑顔を浮かべ、鬼側の大人たちに真実に気づいたことを悟られないように隠しています。
そしてこの世界から抜け出すことを決意していきます。
知らない方が幸せだったのかも知れないと思っていたけど、いっそ知ることができた方が幸せを感じることもあるはず。
2番のサビでは美しい言葉が綴られています。
ここにはない孤児院の外の美しい景色を象徴しているのでしょう。
もうこれまで歩んできた真っ直ぐな道のりから外れ、分かれ道に立っている状態です。
自分らの命を守るため、仲間の子どもたちの命を守るため、彼らは逆境に立ち向かっていきます。
この部分の歌詞には、主人公たちの強い意志と覚悟が感じられますね。
強い意志と覚悟を持って、真実を暴こうとしています。
可能性を見逃せたとしても、可能性がある限り諦められない。
外の世界に飛び出して新たな未来を手に入れようと、
少なくない犠牲を払いながら、今いる世界から抜け出そうと奮闘します。
最後のサビの歌詞には「正しくなれない 君が僕をみた」とありますが、
実際は「霧が毒を見た」という風に聴こえます。
つまり、「霧」が「君」で、「毒」が「僕」のことを表しているのでしょう。
真実を暴こうとする子どもたちの行為によって、関係が変わってしまうこともある。
思い通りにしようとすると、必ず誰かを傷つけてしまいます。
しかし、自分の正しさを信じて、立ち向かいながら生きていくしかないのです。
きっといつかまた幸せだった時の関係に戻れるのではないか、という希望が感じられるでしょう。
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さいごに
世の中には誰かを傷つけないための優しい嘘もあります。
真実を暴くほど逆に苦しくなってしまうものもあるでしょう。
誰かにとっては正しくない行為だとしても、自分や他の誰かにとっては正しく生きようとする強さを表現した歌詞は、多くの人の心を動かすでしょう。
『ずっと真夜中でいいのに。』が生み出す音楽の世界観には、薄暗さの中に美しさや希望を感じます。
ACAねさんの独特なワードセンスが歌詞により深みを生出していますね。
他の楽曲にもそうした表現が散りばめられています。
圧倒的な音楽と歌詞の力に、ぜひ触れてみてください。