ヒゲダンことOfficial髭男dism「旅は道連れ」の歌詞の意味を考察します。
SUZUKIのコンパクトカー「スイフト」のCMソングに起用された、メジャー1st(通算2nd)アルバム「Traveler」(2019年10月)の収録曲。
楢崎誠さんが作詞・作曲した「旅は道連れ」の歌詞の意味を紐解きましょう。
旅は道連れ 歌詞考察
海外へ逃避行?
ちょっと遠い国へ行って ぶらりパンをかじって
出典:旅は道連れ / 作詞・作曲:楢崎誠
街の営みに溶けて いなくなって
しまうのもいいな 写真のサファイア
「旅は道連れ」はベース&サックスの楢崎誠さんが初めて作詞・作曲をした楽曲で、メンバー4人とも歌っています。
冒頭でボーカルを務めているのは楢崎誠さん。
「旅は道連れ」という曲名なので、「海外旅行に出かけて、パンをかじって、街に溶け込み、いなくなるのもいいな」と想像していることは伝わってきますが、「写真のサファイア」の意味はわかりません。
「宝石のサファイアが写った写真を見て、原産地のスリランカ、カシミール、ミャンマー、マダガスカル、オーストラリア、カンボジア、タイなどに行きたくなった」とか、「写真に写っているのは、サファイアの指輪をつけた女性、サファイアのように美しい女性、(誕生石なので)9月生まれの女性、失恋相手」とか、「青いサファイア」から「青写真」を連想することもできそうです。
あるいは「サファイア」の星形に輝く「スター効果」と「いなくなる(消える)」ことに何らかの関連があるのかもしれませんが、いずれもはっきりしません。
ただ「しまうのもいいな」と「写真のサファイア」で韻を踏んでいるので、空耳的な言葉遊びのようにも感じられます。
それじゃ新しき地図を買って 悪くない場所へGOです
出典:旅は道連れ / 作詞・作曲:楢崎誠
どうです?
引き続き、楢崎誠さんのボーカルパートです。
「旅の青写真を描く(計画を立てる)ことができたので、さっそく地図を買って出かけよう」という展開でしょうか。
あるいは「サファイアの女性に振られて、気分転換に逃避行したい気分なので、一緒に出かけよう」と友だちを誘っているのかもしれません。
いずれにしても「GOです」と「どうです?」で韻を踏むという言葉遊びが続いています。
旅立ちの合図は 外の晴れた空
出典:旅は道連れ / 作詞・作曲:楢崎誠
冷えたヨーグルトが 空になったら行こうか ※から
下らないジョークが 聞き慣れたノイズが
僕らのアイデアに 虹みたいに光って
色を重ね出す
だれかが言ってた口ぐせは
「いつだって旅は道連れ」
1番のサビです。
「旅立ちの~重ね出す」の部分はボーカル&ピアノの藤原聡さんとドラムの松浦匡希さん、「だれかが~道連れ」の部分は藤原聡さんが歌っています。
「晴れた」と「冷えた」、「空(そら)」と「空(から)」、「ヨーグルト」と「ジョーク」、「ノイズ」と「虹」などで韻を踏むといった「下らないジョーク」が、「僕ら(ヒゲダン)の(楽曲の)アイデア」となって「多彩に光る」と解釈できるでしょう。
「旅は道連れ、世は情け(旅をするときに同行者がいると心強いように、世の中を渡るにも思いやりが大切)」ということわざのように、「ヒゲダンのメンバーや仲間が協力し合って、音楽活動という旅を続けていこうとしている」ことが伝わってきます。
実際に、楢崎誠さんがDJを務めるラジオ番組「ロヂウラベース」で募集した「ノイズ」が使われているところにも、仲間(道連れ、同行者)意識があらわれているのではないでしょうか。
「傷心旅行に友だちを道連れにする」というラブソング的な解釈より、「音楽活動を共にするバンドの物語」として捉えるほうがしっくりくるようです。
ジョークは笑い合うため?
もっとああなりたいだとか ずっとこうしてたいだとか
出典:旅は道連れ / 作詞・作曲:楢崎誠
時々ひとりで考えそうです そんな風な夜が僕らを待ってる
2番に入り、「もっと~考えそうです」の部分はギターの小笹大輔さん、「そんな~待ってる」の部分は松浦匡希さんと藤原聡さんがボーカルを務めています。
4人のメンバー全員が歌うところにも「道連れ」感はあらわれているものの、より良い音楽を追求するあまり「ひとり」で悩んだり、変化を恐れて停滞したりすることもあるかもしれません。
それでも音楽活動やバンド活動には紆余曲折がつきものだと達観しているようにも受け取れます。
こうしたヒゲダンの「音楽の旅」には、リスナーそれぞれの人生を重ねることもできるでしょう。
結局「写真のサファイア」や「冷えたヨーグルト」など、もしかしたら深い意味が込められているかもしれない言葉を「ジョーク」や「ノイズ」として受け流していいのかどうかもはっきりしないままですが、たとえばその辺りを「ひとりで考えそうな夜が待っている」こともお見通しなのでしょうか。
僕らの失敗が 誰かを苦しめて
出典:旅は道連れ / 作詞・作曲:楢崎誠
お互いの荷物の 重みは分からない
だけど忘れないで 喜びと後悔
似たもんで出来てる 誰かと笑えるように
「たとえ仲間に迷惑をかけるかもしれない失敗をしても、笑い合えるのが仲間だから、ひとりで抱え込まないで大丈夫」と優しく語りかけてくれているような、藤原聡さんのボーカルパートです。
「喜び」と「後悔」が韻を踏めるほど「似ている」というのも、落ち込んだ仲間と「笑い合う」ための「ジョーク」ではないでしょうか。
この後、1番のサビおよびラストのフレーズ「いつだって旅は道連れ」が繰り返されます。
「海外へ逃避行に出かけて、いなくなるのもいい」といった意味深な始まり方でしたが、最終的に重要だったのは「いつだって」の部分でしょう。
「ひとりで考えたくなる夜があっても、どこにいても、常に人生という旅は仲間がいるおかげで続けることができる」と幅広く解釈することができそうです。
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さいごに
たとえばSUZUKI「スイフト」などによるドライブも逃避行も海外旅行も音楽活動も人生も、すべて旅と捉えると毎日ワクワク暮らせるような気がします。
「喜び」と「後悔」は言葉の響きが似ているだけでなく、「表裏一体の感情」という考え方も気が楽になるのではないでしょうか。