バクナンことback number(バックナンバー)「sympathy」の歌詞の意味を考察します。
1stミニアルバム「逃した魚」(2009年2月)の収録曲。
清水依与吏さんが作詞・作曲した「sympathy」の歌詞の意味をチェックしましょう。

sympathy 歌詞考察
交際中のすれ違い
雲がゆっくり流れる夜 窓から見える街灯を一人
出典:sympathy / 作詞・作曲:清水依与吏
指でなぞっては繰り返し
どこで間違えた なんて考えてます
「sympathy」の主人公は「夜に一人で」何かについて反省しています。
バクナンらしいラブソングだとすると、交際相手に振られてしまったのでしょうか。
あるいは交際相手とケンカしたのかもしれません。
「街灯を指でなぞる」行為を「繰り返し」ても、「間違えた原因」はわからないようです。
失恋したのか、交際中のすれ違いなのかはまだはっきりしませんが、いずれにしても相手の本心を推し量ることができず、悶々としている様子が伝わってきます。
今日は月が奇麗だよ
出典:sympathy / 作詞・作曲:清水依与吏
そんな理由じゃ電話はできないよな
理由の問題じゃないか
「月が綺麗ですね」というのは、夏目漱石さんの「I love you」の名訳として知られています。
主人公が「電話」をかけたい相手のことを「愛している」ニュアンスを読み取ることができるのではないでしょうか。
「電話」で愛を語り合いたいと思っても、あるいはただ「月が美しい」ことを口実にしても、主人公から相手に「電話」をかけることはできない状況のようです。
失恋したのであれば「もう別れたから電話をかけられない」のでしょう。
ケンカ中なら「交際相手を怒らせた理由もわからないのに、電話をかけるわけにはいかない」と推察できます。
いつもきっと二人は同じように願ってるのに
出典:sympathy / 作詞・作曲:清水依与吏
こんな風になるのはどうしてなんだろう
胸が痛いな
どうやら「二人」は交際中で愛し合っているはずなのに、すれ違いが起きてケンカしてしまったらしいことが明らかになってきました。
曲名の「sympathy」(シンパシー)は「共感」や「思いやり」といった意味なので、「同じように願ってる」の部分に該当すると考えられます。
お互いに愛情が冷めたわけでもなく、思いやりをもって接しているはずなのに、それでも「こんな風になる=うまくいかない」こともあるものです。
ただ、相手には機嫌を損ねるだけの「理由」があり、その点を主人公が理解していないところが問題なのかもしれません。
仲直りした
大事な事は忘れるくせにくだらない事は覚えてるのね
出典:sympathy / 作詞・作曲:清水依与吏
そんな風に君は言うけど
そんなのお互い様じゃないか
交際相手が機嫌を損ねた「理由」も提示されました。
「主人公が忘れた大事な事」は具体的には描かれていませんが、たとえば「君の誕生日」や「交際記念日」などでしょうか。
その日にデートしたのにプレゼントもお祝いの言葉もなかったとか、忙しくて「電話」すらしなかったなどの想像が膨らみます。
さらに「初デートの場所」とか「初めて一緒に観た映画」といった「二人」の出来事や趣味、好みシリーズになると、難問クイズのように感じる人もいるかもしれません。
ただ「家族関係」や「健康状態」など、本当に「大事な事」の場合は、主人公も「お互い様」などと反論しないでしょう。
逆にかわいらしい「大事な事」であれば、反論するまでもないと思われますが、主人公にもかわいらしい部分があるようですね。
それでも気付けばここで笑ってるんだから
出典:sympathy / 作詞・作曲:清水依与吏
こんなふうに二人は ゆっくり一つに
結局、仲直りしたようなので、これまでのケンカ話もノロケの一種だったと考えられます。
「ケンカするほど仲がいい」という話でしょう。
お互いに意地を張り這うところが似ているのではないでしょうか。
例えば
出典:sympathy / 作詞・作曲:清水依与吏
今日君が丸い地球の裏にいたって 隣にいたって
心が見えないのは同じじゃないか
たしかに物理的な距離にかかわらず、他人の「心は見えない」ものですが、その大前提のうえで人間関係は築かれるものなので、恋人同士の会話で根本的な理屈を持ち出しても仕方がないでしょう。
ただ、「君」も主人公も結局「自分はこれほど相手のことを愛しているのに、まったく伝わっていない(同じ熱量で愛されていない)」と苛立っているイメージです。
もし「心が見える」としたら、どちらの苛立ちも笑い話になるのではないでしょうか。
このわだかまりも消えないのならそれでいいから
出典:sympathy / 作詞・作曲:清水依与吏
分かりあえなくても 許しあえればいい
なんて思ってるんだよ
たとえば交際相手の誕生日を「忘れた」からといって、「この世に生まれてきてくれたことを嬉しい、ありがたいと思っていない」とは限りません。
記念日を祝う習慣が身についていなくても、交際そのものを軽んじていることにはならないはずです。
それでも「忘れられたことが悲しかったから怒る」のも、さらに「わかってもらえないから反論する」のも恋人同士の「あるある」でしょう。
どちらも「愛している」し「愛されたい」ところは共通しているので、どうにか歩み寄れるといいですね。
いつもきっと二人は同じように願ってるから
痛みも悲しみも その柔らかい手も離さないでいよう
出典:sympathy / 作詞・作曲:清水依与吏
最終的に「同じように願ってる」という「シンパシー」に通じる結論に達しました。
結局ケンカの原因となった「大事な事」は明かされないままだったので、誕生日などの記念日を例に挙げて考察しましたが、「相手を大切に思う」という「最も大事な事」では共感し合っているからこそケンカができるともいえるでしょう。
ただ、女優の貫地谷しほりさんが「人志松本の酒のツマミになる話」(2022年6月10日)で語った「女性が怒っているときは泣いていると思ったほうがいい」という名言を参考にすると、ケンカが減るのではないでしょうか。

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さいごに
主人公と「君」のどちらにより共感するかはリスナーによって意見が分かれるかもしれませんね。
いずれにしても「夫婦喧嘩は犬も食わない」ということわざを地でいくような結末だったのではないでしょうか。