今回はあいみょんの『スーパーガール』の歌詞について考察していきます!
Amazon musicにて「Amazon Original」として限定配信された『スーパーガール』。この試みは日本人初のものとのこと。
配信ジャケットはあいみょんのCDジャケット常連のとんだ林蘭さんによってデザインされています。
あいみょんは『スーパーガール』について次のようにコメントしています。
「今年一番新しく作った曲で、家にいる時、今までと違う楽曲を作ってみたいなと思ったときに作った曲です。今まで作った楽曲の中で一番歌うのが難しく、声が高いところを出したり、ウィスパーボイスを出したり、自分の声を最大限活かせてる曲だと思っています。ライブでも映えるし、楽曲としてもすごく自信のある一曲です。」
レトロな昭和歌謡曲感とあいみょんらしい美しい濁りのある歌詞、一体どのような歌詞なのでしょうか?早速見ていきましょう!

あいみょん『スーパーガール』歌詞考察
嫌いな「君」に魅了される「僕」

ここで歌われているのは「君」という女性と「僕」という主人公。
「僕」は「君」をぶしつけに傷つけてばかり。女性特有の「察して」のサインにも一切気付くこともありません。主人公は自分が「君」にとってひどい人間だということを自覚すらしています。
結局「君」のことが嫌いなのか?と思えば反対で、主人公は「君の世界」から離れられないほど魅了されているのです。
≪僕は矛盾と理屈で君を締め付けている≫
嫌いな態度を取るけれど「君」との関係をやめることはない。つまり「僕」は「君」を都合のいい女として飼いならしているのです。一体二人はどんな関係なのでしょうか?
「僕」の気持ちの変化

かったるい気持ち、どうにもならない関係。それらの気持ちを「君」に押し込んでしまう主人公。
「君」をむやみに傷つけることや、愛のない体の関係への虚無感がやんわり示唆されているように感じます。
しかし気になるのはここ。≪情が湧いて捨てられないなら最後まで≫の歌詞。
最初は都合のいい女として扱っていた「君」に対して情が湧いてきているのが垣間見れます。
「可哀想」「都合よく使えなくなってきた」
そんな思いが終始「僕」の心を覆い、「君」から離れられなくなってしまっているのです。
いまやスーパーガールの「君」へ

かつては全くどうでもよかった「君」に対して情が湧いてしまった「僕」。
今や「僕」はなぜか「君」に魅了され、その世界観に浸ってしまっています。
主人公はいつのまにか完全に「君」に心を支配されてしまうのです。
≪知らなかったろ≫
この嘆きのような呟きには「君」が自分の魅力に全く気が付いていない無自覚さ・天然さも感じられますね。
歪な僕らの関係

周囲から見れば「僕」と「君」の関係は歪です。
都合よく呼び出す「僕」、従順に従う「君」。でも恋愛関係ではない。不思議だと揶揄されても仕方ないですね。
でも「僕」はそんな関係を幸せとは思っていない模様。
周囲が思うほど今の関係は「僕」にとって刺激でもなく、もうとっくに慣れた生活の一環になっているのです。それを俯瞰的に見て、自嘲しているような歌詞です。
罪悪感も歪さもすべて流してしまう

二人の関係は罪悪感や重圧が伴うもの。ということは、不埒な関係であるのは間違いないでしょう。
歪な関係を二人とも自覚しているからこそ、その都合のよさを笑うしかない。
体を重ねれば重ねるほどその重圧から解放されてしまうから、主人公たちは歪な関係をやめられなくなっているのでしょう。
罪悪感からも逃れられ、都合のよさも正当化されてしまっている関係だからこそ「僕」はやはり君から離れられなくなってしまう一方です。
知りすぎてしまったから離れられない

ここでは愛のない肉体関係が色濃く描写されています。
一回きりでよかったのに、今はもう「君」も快楽に溺れて主人公から離れることはない。
「君」のことを何も知らなければ、割り切った関係になれるのに。
知りすぎてしまったがゆえに「僕」は君からますます離れられなくなってしまうのです。
快楽だけで繋がる依存関係

意味もなければ愛もない。二人の関係は恋愛ではなく、あくまでも都合のよい関係でとどまっています。でも「僕」が「君」に寄り添ってしまうのは、些細な情があるから。
知りすぎなければ簡単に「君」を捨てることだってできたのに。
それができないもどかしさも渦巻いているのです。
そうしている今も「君」によって「僕」は快楽に溺れ、「君」の世界観から解放されることはなく続いていくのです。

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おわりに
あいみょんらしい、じめじめと湿度の高い感情がノスタルジックに歌われる『スーパーガール』。
独特な魅力を放つ女性とそれにほだされる男性の。メロドラマを見ているような感覚に陥る楽曲。
隠れた神曲、ぜひ聴いてみてください!