今回は2021年8月18日に無料配信リリースされアルバム「FOREVER DAZE」に収録された「SUMMER DAZE」の歌詞考察をしていきます。
「SUMMER DAZE」は、ヴォーカル・ギターの野田洋次郎さんが作詞作曲を手掛けました。
では早速歌詞の考察を始めていきましょう!
SUMMER DAZE 歌詞考察
SUMMER DAZEのはじまり
SoundCloudでの音源及びYouTubeでのMVが無料配信された本楽曲「SUMMER DAZE」。
どのような経緯でスタートしたのか、野田洋次郎さんの下記コメントを見てみましょう。
毎年夏には当たり前の様に開催されていた夏フェス。コロナ渦の影響を受け、昨年に引き続き今年も中止になったフェスやイベントも数多くありました。
どの業界もその影響を受けたかと思いますが、とりわけ、音楽業界にとってはかなりのインパクトでした。
世の中全体がどことなく鬱々とした雰囲気の中、まさに「自主制作」のような形で野田洋次郎さんの元に仲間が次々と集い本楽曲「SUMMER DAZE」が作られ配信に至ったようですね。
疑問と後悔と憂鬱
「なんでこんな目に遭わなきゃいけないんだ」
「なんでもっと違う未来にできなかったんだ」
そんな言葉がこの世界を今日も覆っている
歌詞は終盤以外、英語で歌われています。英語の次に日本語を併記し見ていきましょう。
先ず、冒頭では音楽に関わる全ての人たちの本音が描写されています。
コロナ渦で、これまで当たり前の様に行われていたライブ、コンサート、イベントは中止や延期になりました。
しかもいつ元通りに音楽活動が出来るのかも見通しが立たない状況でした。
音楽を生業とする人々から音楽が奪われてしまい「何故?」と思うのは当然ですし、「もっとどうにかできなかったのか?」という後悔の念もあったでしょう。
しかもこの状況は日本国内だけの問題ではなく、世界共通の問題となったのです。
コロナはまだ終息していませんので、現在も世界中でこのような悲痛な言葉は飛び交っている状態なのです。
音楽に関わる人でなくとも、誰しもが何らかの影響を受けて日々を過ごしていますので、こういった言葉は共感できますね。
音楽と歓び
今日だけは意味なんて忘れよう
明日の朝陽が昇るまで
約束してくれよ
ここでは、前述のような嘆きの言葉や後悔の念など、「今日だけ」は横に置いておこう、と呼びかけています。
1日だけでも憂鬱な気持ちになる事は忘れ、リフレッシュすることを提案しているようです。
鬱々とした生き辛い今を生きる私たちリスナーにとっても、”息抜き”は大事ですよね。
一晩中起きて 僕らで新しく作ったこの曲で踊ろう
どうかな?
ここでの「この曲」は本楽曲「SUMMER DAZE」に他ならないかと思います。
コロナ渦のさなかに作られた「この曲」を聴いて、憂鬱な事は1日だけ忘れて踊ってみてはどうか?と提案しています。
ライブやコンサート、その他イベントなども、様々な約束事を守った上で徐々に開催されるようになっています。
残念ながら完全にコロナ以前の状態に戻ることはまだありませんが、工夫を凝らして音楽は世界のあちらこちらで鳴っています。
様々な制約がある中、窮屈に感じることもある日常生活を誰しもが送っています。しかし、音楽を聴いている時は鬱々とした気分はどこかに吹き飛んでいる筈です。
憂鬱な日々は続いているけれど、1日だけでも忘れて音楽を楽しまないか?という野田さんやその仲間たちの心意気を感じますね。
今日なら この場所にいる誰とでも僕は愛し合える気がするんだ
試してみるかい?
音楽を愛する人たちと、同じ空間で同じ時間を共有する事は、今となっては本当に貴重なことだと実感できます。
音楽を愛する者同士全員とこの気持ちや愛おしさや歓びを分かち合える気がする、ということでしょう。
同じ気持ちを共有しあえる仲間がいることは、本当に心強い事だと実感できます。そして、この様な気持ちは音楽を送り届けるアーチストやスタッフの方々だけでなく、受け取る私たちリスナーも同様ではないでしょうか。
今と未来
何光年の星たちも 僕らに届きやしないよ
はるか未来なんか今はいらない
ここでは星になぞらえて「未来」のことを表現しています。
何光年もの星ははるか遠くにあります。直ぐに手の届くことのない先の事よりも、「今」が大事なのです。
この今の日本を含めた世界の情勢において、今後の事を思ったり話し合ったりする機会はあるかと思います。しかし、あまりにも「未来」に重きを置き過ぎて、かけがえのない「今」が蔑ろにされているのではないか、という警告とも感じられる部分です。
「未来」は勿論大事ですが、それと同じくらい「今」を大事に生きたい、という切実な願いが垣間見られます。
何百回と何万回 名前も聞かずに愛し合いたい
涙でなんか流すまい この想い
このラストの「涙でなんか流すまい」というフレーズに、大事な音楽が奪われてしまい悔しい思いをしてきた人々が救われて欲しい、といった”祈り”にも似た心情が伝わってきます。
同じ音楽、場所、そして時間を共有する人たちと歓びを分かち合いたいという熱い想いが感じられますね。
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さいごに
本楽曲「SUMMER DAZE」の日本語訳は野田さんのコメントの中にもあったように”夏の眩惑”です。
ちなみに”眩惑”とは、広辞苑によると”目がくらみまどうこと”と定義されています。
強い太陽の光にくらくらするような夏に相応しい本楽曲「SUMMER DAZE」。
コロナ前には想像もしなかった現実と向き合いながらも、腐ることなく前を向いて音楽を愛していくアーチストやスタッフの方々に思いを馳せてしまう本楽曲ですが、リスナーの私たちも共に音楽を愛していき、今を大切に生きて行きたいものです。そして、音楽のパワーで共に前を向いて行きたいですね。
本楽曲を手掛けた野田洋二郎さん率いるRADWIMPSの今後の曲にも是非注目したいですね!
昨年2020年、各音楽フェスは軒並み中止に。
2021年に大きな期待を寄せて迎えてはみたものの、明るい兆しが一向に見えてこなかった今年の春頃。
友人の訓ちゃん(野村訓市)とこんな話になった。
「なんだかまた鬱屈した夏が来そうだね。せめて聴いている間は気持ちが晴れて、どこまでも駆けていけそうな、踊り続けられるような夏のアンセムを作ろうよ。この夏の眩惑を一曲に閉じこめよう。」
そこからこのSUMMER DAZEは出発しました。
夏が近づくにつれアレンジも徐々に決まっていき、友人たちに聴かせると皆一様に喜んで踊り出すのでした。
そして映像を作ろうと盛り上がり、一人、また一人と参加したいと言ってくれるクリエイターが増え、学生の自主制作のようにワイワイと映像制作も進んでいきました。
皆がそれぞれの仕事を終えた夜中に打ち合わせやロケハンを繰り返し、撮影をしていきました。
音源作り、Tシャツ作り、ムービー制作、ジャケット撮影のすべてを自分たちだけで行ったのは初めてのことでした。
この音源と映像は僕たちから、共に2021年夏を生きるすべての同士たちへのプレゼントです。
無料でSound Cloud、YouTubeにアップします。この夏の好きなシーンで聴いてもらえると嬉しいです。
忙しい合間を縫ってやりたいと賛同し参加してくれたYOSHIROTTEN、カメラマンの川上くん、映像まわりを寝ずにやってくれた笠井くん、夜中の街を全速力で走ってくれたNANAMI、そして訓ちゃん、改めてありがとう。
皆さんの夏が輝きますように。