今回は、Official髭男dismの新曲「Subtitle」の歌詞を考察していきたいと思います。
10月6日から放送がスタートするドラマ「silent」の主題歌として書き下ろされた楽曲。
Official髭男dismがフジテレビのドラマ主題歌を担当するのは、人気爆発のきっかけにもなった「コンフィデンスマンJP」以来4年ぶりとなります。
歌詞にはどんな想いが込められているのでしょうか?
ドラマのあらすじ、楽曲コメントと合わせてみていきましょう!
ドラマ「silent」
10月6日から放送がスタートする川口春奈さん主演の新ドラマ。
人気ジャニーズグループ・Snowmanの目黒蓮さんも出演しており、話題になっています。
音のない世界で出会い直す二人の切なくも温かいラブストーリーが描かれます。
ドラマの放送が楽しみですね。

Subtitle 歌詞考察
ドラマの内容を含みます。ご覧になっていない方はネタバレにご注意ください。
「凍りついた心には太陽を」 そして「僕が君にとってそのポジションを」
出典:Subtitle / 作詞・作曲:藤原聡
そんなだいぶ傲慢な思い込みを拗らせてたんだよ ごめんね 笑ってやって
火傷しそうなほどのポジティブの 冷たさと残酷さに気付いたんだよ
きっと君に渡したいものはもっとひんやり熱いもの
この楽曲は、ドラマの登場人物・想の目線で描かれています。
高校時代は仲良く付き合っていた二人でしたが、大学進学で遠距離になってしまい、想の方から一方的に別れを告げます。
歌詞冒頭では、幸せだった高校時代を振り返っている様子が歌われていますね。
僕が君にとっての太陽のような存在になりたい。
ポジティブで明るい想の心が伝わってきます。
しかし、想は、遺伝性の難聴になってしまいました。
自分が “凍りついた心” を持って初めて分かった太陽の “火傷しそうなほどのポジティブ”。
太陽だと思っていた自分は、心を更に凍えさせてしまう残酷さを持っていたのかもしれないと気づきます。
考察途中で、イソップ童話「北風と太陽」を思い出しました。
暑すぎる太陽でもなく、冷たすぎる北風でもなく、君に渡したいのは “ひんやり熱いもの”。
つまり、どちらの良さも併せ持った存在でありたいという想の考えが読み取れます。
綺麗事じゃないけど 綺麗で揺るぎないもの
うわべよりも胸の奥の奥を温めるもの
理想だけはあるけど 心のどこ探しても まるで見つからないんだよ伝えたい伝わらない その不条理が今 キツく縛りつけるんだよ
出典:Subtitle / 作詞・作曲:藤原聡
臆病な僕の この一挙手一投足を
ずっと探し続けている “綺麗で揺るぎないもの”。
この綺麗なものは、紬との思い出を指していると感じました。
耳が聞こえなくなり、一方的に別れを告げてしまった想。
紬を傷つけたくない、迷惑をかけたくないという思いでの別れでしたが、想の中では、幸せな時間がずっと記憶として残っていたのでしょう。
高校時代に過ごした理想は知っているけど、紬のいない今は見つからない。
偶然、紬と再会を果たした想でしたが、手話で伝えようとしても、紬は立ちすくんだままでした。
伝えたいのに、伝わらないもどかしさが伝わってくる歌詞です。
言葉はまるで雪の結晶 君にプレゼントしたくても
出典:Subtitle / 作詞・作曲:藤原聡
夢中になればなるほどに 形は崩れ落ちて溶けていって 消えてしまうけど
でも僕が選ぶ言葉が そこに託された想いが
君の胸を震わすのを 諦められない 愛してるよりも愛が届くまで
もう少しだけ待ってて
このドラマは、「想いを紬ぐ言葉」をテーマに作られています。
ここでは、藤原さんの言葉に対する想いが歌われています。
“言葉はまるで雪の結晶”
綺麗で繊細、すぐに溶けてしまうという儚さも併せ持った神秘的な存在であることが分かります。
伝えようとすればするほど、逆に伝わらない、伝わってもすぐに消えてしまう。
そんな非合理的な言葉ですが、
“でも僕が選ぶ言葉が そこに託された想いが 君の胸を震わすのを 諦められない”。
これこそが、髭男が音楽を紬ぐ理由なのでしょう。
伝わらない手話で何度も必死に伝えようとする想と、ファンに向けて何度も曲を贈り続ける髭男の姿が重なりました。
“もう少しだけ待ってて” という一言からは、これからも伝えることを続けていくんだという決意が読み取れますね。
薄着でただそばに立ってても 不必要に汗をかいてしまう僕なんかもう
どうしたって生温くて君を痛めつけてしまうのだろう「手のひらが熱いほど心は冷たいんでしょう?」
出典:Subtitle / 作詞・作曲:藤原聡
冗談でもそんな残酷なこと言わないでよ
別に言えばいいけど 全人生を賭けても ちゃんと覆さしてよ
傍にいるだけで君を傷つけてしまう主人公。
自分の存在が、君を徐々に蝕んでいることに気が付き、このまま側にいても良いのかと葛藤している様子が浮かびます。
“「手のひらが熱いほど心は冷たいんでしょう?」”
おそらく君は、冷たいをネガティブな意味ではなく、冷静で繊細といった意味で使ったのでしょう。
主人公には冷酷という意味で伝わってしまったのでしょうか?
言葉で伝える難しさが表現されているような気がしました。
救いたい=救われたい このイコールが今 優しく剥がしていくんだよ
堅い理論武装 プライドの過剰包装を正しさよりも優しさが欲しい そしてそれを受け取れるのは
出典:Subtitle / 作詞・作曲:藤原聡
イルミネーションみたいな 不特定多数じゃなくてただ1人
君であってほしい
君を救いたいと思っていた主人公ですが、実は君を救おうとすることで自分自身が救われたいと思っていました。
自分が傍に居ることで傷つけてしまった君を助け、罪の意識から救われたいという思いでしょう。
プライドを捨て、自分の本心(救われたい)と向き合うことで、素直に君のそばに居ることができました。
暑苦しい主人公の優しさ、それを受け取るのは “君であってほしい”。
君への想いがストレートに表現されていますね。
かけた言葉で 割れたヒビを直そうとして
出典:Subtitle / 作詞・作曲:藤原聡
足しすぎた熱量で 引かれてしまったカーテン
そんな失敗作を 重ねて 重ねて 重ねて
見つけたいんだいつか 最高の一言一句を
これまで何度も失敗してきた主人公。
自分のかけた言葉で傷ついた相手にフォローしようとして、更に傷口を広げてしまったことも何度もあります。
失敗を繰り返した結果、たどり着けるであろう ”最高の一言一句”。
それが見つかるまで、側にいてほしいという願いが込められていますね。
髭男自身に当てはめて考えると、これからも最高の曲を届けるから、ずっとついてきてほしいという髭団へのメッセージなのではないでしょうか?
言葉はまるで雪の結晶 君にプレゼントしたとして
出典:Subtitle / 作詞・作曲:藤原聡
時間が経ってしまえば大抵 記憶から溢れ落ちて溶けていって
消えてしまう でも
絶えず僕らのストーリーに 添えられた字幕のように
思い返した時 不意に目をやる時に
君の胸を震わすもの 探し続けたい 愛してるよりも愛が届くまで
もう少しだけ待ってて
言葉は雪の結晶のように、儚く綺麗で繊細なもの。
もしうまく伝わったとしても、時間が経つとその想い、感動は薄れてなくなってしまう。
それでも伝えることをやめない理由、それは、君を見て思い返したとき、字幕のようにこれまでの言葉が浮かんでくるから。
曲のタイトル「Subtitle」は、小見出し・副題という意味もありますが、「字幕」という意味を持っています。
この曲では「字幕」という意味で使われていますね。
この曲自体が、手話で必死に紬に思いを伝える想のSubtitle(字幕)なのでしょう。
ドラマのストーリーとリンクした素敵な楽曲でした。

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さいごに
いかがでしたか?
曲への想いが伝わってくる素敵な書き下ろし曲でしたね。
ドラマがどう発展していくのか、続きも気になります!
高校時代に彼の声と紡ぐ言葉に惹かれた青羽紬(川口春奈)は3年の時に佐倉想(目黒蓮)と同じクラスになる。
中学からの幼馴染である戸川湊斗(鈴鹿央士)の紹介もあり、二人は音楽という共通の趣味をきっかけに仲良くなり、愛おしいかけがえのない時間を過ごしていた。
大学進学というタイミングで東京と群馬で離れ離れになるも、何も心配することはないと思っていた紬だったが、紬は想から一方的に別れを告げられてしまう。
何が理由なのかもわからないまま振られた紬。
8年という時が過ぎ、紬は心残りはありながらも、今は大型CDショップで大好きな音楽に囲まれて働きながら、湊斗と幸せな日々を送り、2人の将来を考えるようになっていた。
しかし、そんなある日、駅で想の姿を偶然見かける。思わず声をかける紬だったが、彼にはその声が届いていなかった。なぜなら彼は…
ドラマ公式ページより