2014年5月21日に発売された「StarRingChild」について考察していきます!
この曲はOVA『機動戦士ガンダムUC』episode7『虹の彼方に』の主題歌にも起用され、元Aimerさんを知らなかった方もこの曲をきっかけに知ったという情報もSNS上でチラホラ見受けられます。
注目度が高いだけでなく、サウンドも激しめで今までのAimerさんの曲の中でもトップレベルに激しい曲に入ります。
ただ音や歌い方が激しいというだけではなく、歌詞もまた聴く人の心を揺さぶる内容になっています。
今まさに世代だという方も、かつて子供だった大人の方も共感できる内容がたくさんあります。
では、歌詞の考察を始めていきましょう!

StarRingChild 歌詞考察
大人と子供の狭間で揺れる心の葛藤
素直に開ければ 触れる芽を
大人びたセリフの陰に隠した
背伸びして覗いた街は揺れてる
出典:StarRingChild / 作詞・作曲:Hiroyuki Sawano
大人に成長していく過程で、中々自分の気持ちを素直に打ち明けられない心境が描かれています。
形だけ大人のように取り繕っても、中身が追いついていないと自分の心はザワついたままになってしまいます。
「背伸びして覗いた街は揺れてる」の「揺れてる」の部分は、こうした主人公の心の揺れ動きとも連動していると思われます。
大人と子供の間、自我が発達していく中での心の葛藤が伺えます。
遠ざかるあの日の約束も 色褪せてしまえばすり替えられる
本当と嘘を混ぜた強がりは 見失った声を隠せない
出典:StarRingChild / 作詞・作曲:Hiroyuki Sawano
誰かに対して、あるいは自分に対して固く誓ったはずの決意も、時間の経過と共にどんどん熱量は薄れていき、それに伴って内容もいつの間にか変わってしまったなんてことはよくありますよね。
たとえば5kg痩せる!と最初に決めていても、段々と3kg瘦せられればもういいか…とゴール地点を近づけてしまったり。
しかし、最初に決めたゴールに向かって、最後まで走り抜くからこそ価値があるのではないでしょうか。
「本当と嘘を混ぜた強がりは 見失った声を隠せない」
先ほどの話で言うと3kg痩せたからもういいんだ!と言ったところで、確かに3kg痩せたことは事実でも、最初に5kgと目標設定したのにも確かなことであり、何かそこに目標設定した理由もあったはずです。
また、本当は後2kg痩せられれば一番良かったのにな…という思いはいつまで経ってもなくならないと思います。
そういった弱い部分を的確に指摘しているフレーズですね。
Star・Ring・Child
この震えた鼓動握れば 音を鳴らせる
まだ小かった頃の手が描く全てに
ノートからはみ出す未来がいた
出典:StarRingChild / 作詞・作曲:Hiroyuki Sawano
スターリング○○は『○○主演』という意味です。
つまり、Star Ring Childとは『子供が主演』ということになります。
この曲は冒頭でも述べた通り、OVA『機動戦士ガンダムUC』episode7『虹の彼方に』の主題歌に起用された曲であり、同作品は戦う子供を描いた作品です。
だからこそ「Star Ring Child」という曲名になっており、サビの一文目のフレーズにもなっているんですね。
「まだ小さかった頃の手が描く全てに ノートからはみ出す未来がいた」
小さい子供は画用紙や枠の中に何か描いてと言っても、範囲内に収まりきらずに机やテーブルにはみ出してしまうことがあります。
そのはみ出した部分をポジティブに解釈し、『枠の中に収まりきらない突き抜けた発想』と捉えているからこそ書ける秀逸な一文ですよね。
一般的、普通と言われるようなものばかりを子供に押し付けるのではなく、子供の可能性や多様性を信じて伸ばしていこうという考え方も垣間見えます。
飾れば飾るほど本当の自分を見失う
ザラついた響きばかり選んで
耳鳴り止まず ノイズまた被せる
歪んだ膜はもう真意も拾えないまま
出典:StarRingChild / 作詞・作曲:Hiroyuki Sawano
尖った表現は刺激的で目を引きやすいですが、そういったものばかりに囚われているといつの間にか真実から遠ざかってしまうという内容が描かれたフレーズです。
「ザラついた響きばかり選んで 耳鳴りやまず ノイズまた被せる」
嘘を嘘で塗り固める、虚像を求められるままに演じてしまうといったところでしょうか。
こうなってしまうと本当の自分の気持ちのままに行動することが難しくなってしまうのかもしれません。
弱さを忘れた足音リズム 無垢な愛の詞(うた)さえかき消してゆく
演じる意味はどこもブレたまま 見失った線は繋げない
出典:StarRingChild / 作詞・作曲:Hiroyuki Sawano
先ほどの流れと同じで、自ら虚像を演じ続けることによってどんどん本来の自分を見失っていきます。
弱さは優しさと表裏一体ですから、それを失った歩みは横暴で危険にも繋がりかねません。
純粋な愛を伝えてくれる言葉すら入ってこなくなったら、他人を信じられなくなってしまいます。
きれいごとだけではやっていけないのは確かですが、尖ってばかりだと真実にはたどり着けないというのも人間の性ではないでしょうか。
ちらかった星空に似ている願いが こわく見えた
臆病に飾った言葉振り回しても どこもかすらない
出典:StarRingChild / 作詞・作曲:Hiroyuki Sawano
あんな風になりたい、こんな風になりたいと星空に願った自分の理想の姿と今の自分の姿があまりにもかけ離れすぎていることに主人公は恐怖感を覚えます。
それを悟られないよう言葉を飾ったところで、状況や心境に変わりありません。
大切なのは飾った言葉や大人ぶった態度ではなく、ありのままの素直な気持ちなのです。
Star・Ring・Child
この震えた身体もまだ 音を鳴らせる
あの小かった頃の手が描く全てに
ノートからはみ出す願いがいた
出典:StarRingChild / 作詞・作曲:Hiroyuki Sawano
「この震えた身体もまだ 音を鳴らせる」
先ほどの続きで、恐怖に身体を震わせていてもまたやり直すことができる、立ち上がることができることを示唆しています。
「あの小さかった頃の手が描く全てに ノートからはみ出す願いがいた」
一番のサビでははみ出していたのは未来でしたが、今回は「願い」というワードに変わっています。
願いは基本的には未来に向かって行うものですよね。
未来はじっと待っているだけでもやがてやってくるものですが、願いは自らの何らかの思いから作り出すものです。
より自発的で力強い意味に変わっていますね。
ノートにも収まりきらない願いでも、それに向かって突き進む身体が恐怖で震えていようとも願いは叶えることができるという強いメッセージが込められています。
夢中で今を生きることが未来に繋がる
手を振らない子供達が 終らせなかった
好きに広がる宝地図
あの場所で答えなんて 欠片さえいらなかった
1秒に詰めた世界
出典:StarRingChild / 作詞・作曲:Hiroyuki Sawano
「手を振らない子供達」とは別れようとしない、いつまでも遊んでいる無邪気な子供達のことを指しています。
大人の都合やルールに縛られないその自由さが新たな可能性を広げ、未知なる宝の地図に繋がるというメッセージを感じます。
そこに必要なものは明確な答えではなく、今という瞬間を懸命に生き抜く姿勢なんですね。
駆け出した 無邪気な色は ぶつかり合っても
塗り上げる音忘れない
なぞられた答えなんて ここに必要ないから
1秒に見えた世界を 次へ
出典:StarRingChild / 作詞・作曲:Hiroyuki Sawano
たとえ衝突することがあっても、ありのままの心で駆けだす子供たちの未来はいつかきっと何らかの形になるという意味のように感じられます。
誰かが提示した答えではなく、自分たちが感じるままに行動することが未来を作っていく何より大切な要素であると伝えたかったのではないでしょうか。

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さいごに
StarRingChildというまさに曲名通り、子供をテーマにしながら幅広い層が共感できる内容になっています。
子供ならではのまっすぐな純粋さ、それ故の不安定さ、心の葛藤など様々な側面を巧みな表現で描いているからこそ、子供の心にも大人の心にもこんなに響くんですね。
OVA『機動戦士ガンダムUC』episode7『虹の彼方に』を見る流れでそのままこの曲を聴いていただくと、更に感動が増すこと間違いなしです!