SEKAI NO OWARI メジャーシングル第2作品目の『スターライトパレード』。
『はじめまして、ラジオです。IN 渋谷』のために書き下ろされた楽曲ですが、発売から9年後の2020年には『この恋あたためますか』のCMソングにも起用され、長く愛されるセカオワの代表曲です。
仮タイトルは『眠れぬ街』。
眠れない主人公を演じるFukaseが夜中、自転車に乗って偶然幻想的なステージに出会うという不思議で神秘的な世界観が描かれています。
”文明が発達することによって見えなくなってしまったもの、本当はあるのに見えなくなってしまっているもの”をテーマにし、星はその「見えなくなってしまったもの」の象徴として書かれているのだとか。
不眠に悩まされた過去を持っているFukase。その経験から「眠れない夜」に寄り添った楽曲に仕上がっています。
独自の哲学観を持つSEKAI NO OWARIの『スターライトパレード』、一体どのような歌詞なのでしょうか?考察していきます。
『スターライトパレード』歌詞考察
「あの世界へ」連れて行って
まるでセカオワから誘い出されているような冒頭。
「あの世界」とはタイトルの「スターライトパレード」の世界のことでしょう。
幼い頃、眠れない寂しい夜に魔法の世界へ誘われることを夢見た人も多いのでないでしょうか?
そんなロマンチックで、少し儚く、キラキラとした情景が目に浮かび、幼心を呼び覚まされる感覚に陥ります。
MVも白くぼんやりと紗のかかった映像。夢かうつつか分からない曖昧な世界線を味わえます。
夜の孤独な世界を彩る
”スターライトパレード”は、いわば眠れない人にしか見えないパレードではないでしょうか。
夜の孤独な世界を知っている人にしか見えない輝きのように思います。
子供の頃とは異なり、起きている時間の苦しみを知ってしまった孤独な大人の私たち。
そんな私たちにもそっと寄り添ってくれるような歌詞です。
輝きしかないあの世界へもう一度
昼間とは違う世界線が繰り広げられてるのが美しいサビ。
真っ暗な夜空に点々と光る星や、流れ星までもが歌詞の中に閉じ込められているような神秘的な歌詞です。
「もう一度連れて行って」という言葉からは、眠れない夜のとろりとした寂しくも切実な願いのようにも聞こえます。
失われた存在への鎮魂
「時間が止まったようなあの夜」とは深い眠りの夢の中ということでしょうか。
しかし「笑ってた君はもうここにはいないんだね」と、辛い現実を突きつけられます。
現実で起きた悲しい思いが、夜だと余計に迫ってくることを経験した人は多いのではないでしょうか。
「やっぱり夢だったんだ…」と思ってしまう瞬間を想起させます。
「Requiem」とはキリスト教における「死者に捧げる歌」のこと。
”本当はあるのに見えなくなってしまっているもの”をテーマにした本楽曲においては、人間の手によって失われてしまった全てのものへの鎮魂の祈りが込められているのだと思います。
スターライトパレードからのいざない
ここの一節が歌われるMVでは、主人公役のFukaseも偶然出会ったフェスを楽しんでいる様子がうかがえます。
形容しがたい夢の中の質感、その中で楽しむ人々。
失われた何かともう一度出会えるような予感さえ帯びています。
星が見えなくなってゆく世界で
最後の部分では「僕たちは探していくんだ」という呼びかけがあります。
夢の中の美しさやロマンチックな世界を描くだけではないセカオワ。
ここでは、人間ひとりひとりの責任(文明)によって大事な何かを自ら奪ってしまった現実を示唆しているのでしょう。
最後に深い問いを置いていくのがセカオワの楽曲の良さです。
MVでは、観客側だったFukaseがステージで歌う側に変容するする不思議な感覚を伴ったシーンに。
眠れない夜の孤独、夢や理想を描ける自由、文明と共に生きる現実。
多様なテーマを『スターライトパレード』は持っています。
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おわりに
いかがでしたか?
眠れない夜のお供に『スターライトパレード』を是非聴いてみてください。
夜の美しさを改めて知るきっかけにもなるかもしれません!