大人気女性シンガーソングライター、あいみょん。今回はメジャー9枚目シングル「空の青さを知る人よ」の歌詞について考察します!
「空の青さを知る人よ」は、同名アニメ映画の主題歌にも起用されました。
「これは、せつなくてふしぎな、二度目の初恋の物語」というキャッチコピーが付けられたこの映画。それにふさわしくさわやかで、強く、儚い、あいみょんらしい楽曲になっています。
「空の青さを知る人よ」には、どんな意味が込められているのでしょうか?考察していきます。

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空の青さを知る人よ 歌詞考察!
失ってから初めて気付く大切さ

唐突な独白「全然好きじゃなかった」という言葉。
「ホラー映画とキャラメル味のキス」の言葉からは、映画館のデートで頻繁にホラー映画を観ていたことが想起されます。
「キス」をこのように形容するのは、あいみょんならではの表現ですね。
でも、この楽曲の主人公はどうやらお別れした模様。
「好きじゃなかった」にもかかわらず、お別れした今では強烈にその相手を求めています。
失ってから初めて分かる、大事な人への愛情。後悔。
あいみょんらしい、失恋の描き方です。

「赤く染まった空から溢れ出すシャワー」とは、夕焼けに降る大雨のことでしょうか。
もしかしたら、赤く染まった自分の恋心によってもたらされる大雨のような涙かもしれません。
「一番弱い自分の影」という歌詞からは、大事な誰かに対して自分を責めているようにも思えます。
失恋などのお別れで何が一番辛いかと言うと、「何で忘れられないんだろう」「あの時どうすれば良かったのだろう」と自分を追いつめてしまうことではないでしょうか?
また「思い出隠せないのは」以降の歌詞からは、もう会えない悲しみを認めたくない抵抗感も垣間見れます。

失恋した時、意外にも思い出すのは相手の「嫌いだった部分」の方が多いかもしれません。
その時は嫌いだったとしても、離れてみればその部分すら好きだったのだと後悔している歌詞だと思われます。
「身体が動くよ」という言葉からは、思い出が身体レベルで主人公に強烈に刻まれているのが理解できます。
考えるほど思い出せない

主人公は、別れた相手との大事な思い出を思い返そうとしているようですが、なかなか隠れて記憶が出てこないようです。
思い出せば思い出すほど、大事な思い出は自分の強い感情によって良くも悪くも塗り替えられてしまうこともあります。
そんな悲しみすら感じられる情景描写です。
また、お別れしたこと自体が辛く悲しすぎるために、記憶自体が褪せてしまっていることも考えられます。
主人公の自分への怒りにも似た、強い悲しみが感じられる歌詞です。

ずっと過去を振り返った主人公が、高く手を掲げます。懸命に乗り越えていく情景が目に浮かびます。
会いたい人に会えない悲しみはまるで悪魔のようです。それらに耐える夜ほど辛いものはありません。
しかし、そんな悪夢を「食べてやるよ」と少し強い語気で言っている歌詞からは、主人公が少しずつ自力で乗り越えようとする強さも感じられます。
「人は、ずっと悲しい場所にいる存在ではない。」そんなあいみょんのメッセージが感じられます。

「いつも」「君が」「なんで」「僕に」と4回繰り返す印象的なフレーズ。
乗り越えて行こうとする気持ちに反動するように、悲しみが押し寄せるように感じられます。
主人公が自問自答を何度も反芻しているのでしょうか?
苦しい時、その理由や意味が分からないと余計に苦しくなります。
愛しい人が去ってしまった「意味」を何度も問うこと。
きっとこの曲を好きな人は、あいみょんの書くこの歌詞に共感を抱くのではないでしょうか。
空の青さを知る人とは?

最後のサビは、1番と一緒。
しかし「君が知っている空の青さを知りたいから」という最後の歌詞が加わることで、タイトルの「空の青さを知る人よ」の意味が徐々に見えてきます。
主人公は悲しみに暮れ、まだ「赤い空」を見ています。しかし、愛した人が見ていたのは「青い空」。
もう会えない悲しみを抱えながらも、愛しい人が見ていた「青い空」をやっと求められるようになったのではないかと思います。
きっと、主人公が愛した人は、青い空のように清々しく素晴らしい何かを教えてくれた人なのでしょう。あいみょんにしかできない美しい形容の仕方です。
愛しい人を「空の青さを知る人よ」と呼びかけているのですね。
映画「空の青さを知る人よ」にリンクさせたら・・・
あいみょんのこの楽曲は、映画「空の青さを知る人よ」の主題歌です。
あいみょん自身も、映画に強く共感し書き下ろしたそうです。
映画では、主人公の皆が夢と恋心を持ち、さらには大きな喪失を経験しています。
自分を育ててくれた姉・あかねに負い目を感じる、妹・あおい。
あかねの元恋人・金室慎之介(13年前の過去からやって来た「しんの」)に恋心を抱いてしまうあおい。
時空を超えた四角関係の青春ストーリーです。
この楽曲が、誰のどんな感情を歌っているのか、もう一度映画を見てから聴き直すのもいいかもしれません!