セカオワことSEKAI NO OWARI「スノーマジックファンタジー」の歌詞の意味を考察します。

スノーマジックファンタジー 歌詞考察
雪の妖精に恋した
スノーマジックファンタジー
出典:スノーマジックファンタジー / 作詞:Fukase 作曲:Nakajin
雪の魔法にかけられて
僕は君に恋した
もしかして君は雪の妖精?
JR東日本のスキー旅行のキャンペーン「JR SKISKI」(2013年度)のCMソング「スノーマジックファンタジー」。
語り手の「僕」が異なる世界に住む「君」に恋するという設定のファンタジックなラブソングです。
頭サビでは、その「恋」こそが「雪の魔法」であり、「君」は「雪の妖精」かもしれないと匂わされます。
もしかしたら「ゲレンデマジック」と呼ばれる現象と関連があるのでしょうか。
「スキー場では男女とも通常より素敵に見えるため、恋に落ちやすい」という都市伝説ですが、「通常より素敵」どころか「異世界の住人」に見えるという「ファンタジー」のようです。
「ゲレンデで出会って、遠距離恋愛が始まった」などの現実感を超越してくるところがセカオワらしいといえるでしょう。
僕は星の降る雪山で、
出典:スノーマジックファンタジー / 作詞:Fukase 作曲:Nakajin
君を見るまではオカルトの類はまったく信じていなかったのだけれども
君が住む山は“スノーランド”
1年中、雪の降るこの国で私は生まれたの、と君は話してくれたんだ
1番のAメロです。
裏を返すと「君を見て、オカルト(超常現象)を信じるようになった」という話でしょう。
やはり「君」は「雪の妖精」のような「人間ではない存在」という設定のようです。
「僕」が出かけたのは地球上の「星の降る雪山」だったのかもしれませんが、いつのまにか「君が住む山=スノーランド=1年中、雪の降る国」にまぎれ込んだ模様です。
「1年中、雪の降る国」といえば、たとえばデンマークのグリーンランドを連想することもできますが、こちらも地球上のどこかではないという設定なのでしょう。
「君」も、「僕がスノーランドの住人ではない」ことを理解し、自己紹介を始めたようです。
ねぇ、私は夏を見たことがないの、
出典:スノーマジックファンタジー / 作詞:Fukase 作曲:Nakajin
燃えるようなあの夏を、それを見るのが私の夢なの
でも良いの
この世界は知らない方がロマンチックな事もたくさんあるのでしょう?
1番のBメロです。
どうやら「スノーランド」には「夏」がないようで、「1年中、雪が降る」つまり「1年中、冬」なのでしょう。
それでも「夏」という季節が存在することや、「夏」が「燃えるように暑い」ことは知っている様子です。
つまり「話に聞いたことはあるけれど、見たことはない」状態。
人間にとっては「ゲレンデマジック」が都市伝説で、「雪の妖精」は「オカルト」になりますが、当の「雪の妖精」にとっては「暑い夏」こそ都市伝説や「オカルト」みたいなものなのかもしれません。
その辺りを「知らない方がロマンチック」とまとめることで「ファンタジー」に仕上がっているといえるでしょう。
この後、頭サビが繰り返されます。
初めて愛し愛された結末は?
僕はこれまでの人生を誰にも愛されることもなく1人で生きてきた
出典:スノーマジックファンタジー / 作詞:Fukase 作曲:Nakajin
君と出逢うその時までは
ふいに、
「君は妖精だから、やっぱり年齢は200歳とかなのかい?」と聞いたら、
それはなんか無視された
1番のAメロと同じく、2番のAメロも裏を返すと「君と出会って、初めて誰かに愛された」という話でしょう。
お互いに愛し合うようになり、打ち解けたので踏み込んだ質問をしてみたのかもしれません。
ところが「年齢の話は無視」されてしまいました。
「女性に年齢を尋ねるのは失礼」といった現実的な話のようでもあり、「妖精の年齢」も「知らない方がロマンチック」な「ファンタジー」とも考えられるでしょう。
ところがこの「無視」には深い意味が隠されていたことが判明します。
続きを見ていきましょう。
ねぇ、命はいずれ終わるものよ
出典:スノーマジックファンタジー / 作詞:Fukase 作曲:Nakajin
貴方と私は終わりがくるの
なのに、なんで出逢ってしまったの?
貴方は「幸せ」と同時に「悲しみ」も運んできたわ
皮肉なものね
2番のBメロです。
「命も、2人の関係も、いずれ終わりがくる」というのは地球上の人間の現実的な話として理解できるでしょう。
ところが「幸せ」と「悲しみ」のくだりが加わることによって、一気に「ダークファンタジー」の様相を呈してきます。
もしかしたら、これまで「スノーランド」には「悲しみ」が存在しなかったのかもしれません。
なぜなら「妖精」および「スノーランドの住人」には「命の終わり=死」がなく、「200歳」どころか、永遠に生き続ける存在だから。
ところが人間には「命の終わり=死」があることを話としては知っていて、実際に「死の悲しみを運んできた」のが「貴方=僕」だったと解釈できます。
「200歳という年齢の話を無視した」のは「貴方=僕」がそれほど長生きできないことを悟り、「悲しみ」に暮れたためのようです。
スノーマジックファンタジー
出典:スノーマジックファンタジー / 作詞:Fukase 作曲:Nakajin
雪の魔法にかけられて
僕は君に恋した
もしかして君は雪の精?
雪の妖精とのファンタジー
やがて、僕は眠くなってきた
君と一緒にいるという事は、やはりこういう事だったんだろう
でも良いんだ、君に出逢えて初めて誰かを愛せたんだ
これが僕のハッピーエンド
2番のサビです。
「眠くなってきた、こういう事、ハッピーエンド」は、「僕の命の終わり」をあらわしているでしょう。
もちろん抽象的に表現されているので、必ずしも「死」とは限りませんが、やはり「そういう事」なのではないでしょうか。
しかし「初めて誰かを愛せた」ことで「ハッピーエンド」だと本人が言っているので、そのまま受け取りましょう。
いわゆる異世界転生もののように、「星の降る雪山」から「スノーランド」に転生して、永遠の「命」を授かる流れにはならなかったようです。
ラストに「スノーマジック~雪の妖精とのファンタジー」が繰り返されます。
「雪の魔法による恋の幸せ」と「2人の終わりによる悲しみ」を同時に味わうことになる「ファンタジー」でした。

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さいごに
さまざまに解釈できますが、スキー旅行のキャンペーンソングとしてはかなり刺激的な「ハッピーエンド」になっているのではないでしょうか。
遭難事故や日常生活に戻ると冷めるような「ゲレンデマジック」には気をつけるようにといった注意喚起も込められているのかもしれません。
あくまでも「ファンタジー」というフィクションであることを理解して、人間にとっては限りある命も愛も大切にしたいものですね。