目次
今回は、2020年にリリースされた緑黄色社会の楽曲「Shout Baby」の歌詞の意味を考察していきたいと思います。
アニメ『僕のヒーローアカデミア』第4期第2クールのエンディングテーマとして、ボーカル長屋さん作詞・作曲のもと書き下ろされた楽曲です。
楽曲コメント


Shout Baby歌詞考察
髪のにおいが知らせる喜びと悔しさ
「Shout Baby」は日本語で「叫ぶ赤子」という意味。
「叫ぶ」と「赤子」、一見して正反対の言葉が並ぶこのタイトルにはどの様な意味が込められているのか、歌詞を考察しながら確かめていきましょう。
いつもと違う髪のにおい
出典: Shout Baby / 作詞・作曲:長屋晴子
踊らされてしまう悔しいな
緩んでしまう口元 マフラーにそっと沈めた
まず、ここの部分ですね。
曲の主人公のイメージはロングヘアの女の子。
動くたびに揺れる自分の長い髪が放つにおいの違いを敏感に感じ取ります。
髪のにおいが変わるのはどんなときか、あえて言うとしたら誰かの家に泊まったときでしょうか。
相手に踊らされてしまっていると理解し、悔しさを感じながらも主人公の口元は緩んでしまい喜びを隠しきれていません。
それを横にいるであろう相手に悟られないようにマフラーで隠します。
自分はとても好きな相手だけど、その好きという感情を見せることができないほど相手には好きだと思われていないことがわかりますね。
相手への大きな想いと叶わないその想いへのくやしさとが力強く、透き通った歌声で表現されこの曲は始まっていきます。
見せない涙と霞んでいく叫び声
いつから私こんな風に
出典: Shout Baby / 作詞・作曲:長屋晴子
我慢強くなれていたんだろう
子供の頃から泣き虫だって馬鹿にされたのに
主人公はいつからか泣かなくなっていたことにふと気づきます。
子供のころから泣き虫だと馬鹿にされた自分が、こんなに悲しいことがあっても泣かないのだと。
しかし、本当は主人公はすぐにでも泣き出したい気分です。
簡単に泣けていた子供のころを思い返し、そのころを羨ましがっているようにも聞こえます。
内緒にしていてね
出典: Shout Baby / 作詞・作曲:長屋晴子
なんて残酷な言葉
叫び声霞んでく
ありふれてるはずの未来には遠くて
内緒にしていてねというのは相手からの言葉でしょうか。相手は二人の関係を周りに悟られたくないのでしょう。
そんな言葉に当然主人公は打ちひしがれます。
泣くことができない主人公は、声が霞むほどに叫んでいます。
二人が付き合ったり、結婚したりといった、ありふれている未来が本当に遠いことを改めて実感するのです。
縋り付くしかない自分から「変わりたい」
誰に聞かずとも分かる
出典: Shout Baby / 作詞・作曲:長屋晴子
いつの元には届きやしない
どこに辿り着けばいい?
分からなくてただ縋り付いて
毎日の不安をかき消すほど
胸を焦がす憧れなど消えない
変わりたい
サビが始まりました。
相手(以下あいつ)と幸せになれやしないことは自分が一番わかっているのにも関わらず、どうすればいいのかわからない主人公は結局あいつに縋り付いてしまうのです。
しかし、そんなことを繰り返す度、憧れともいうべきその感情は高まってしまいます。
あいつと呼ぶことくらいしか抵抗のできない主人公は一言こう呟きます。
「変わりたい」
後回しにしてしまう主人公の矛盾
何でもすぐに後回しに
出典: Shout Baby / 作詞・作曲:長屋晴子
してしまうような私だから
僅かな繋がりだけでもずっと守りたかった
なんでも後回しにしてしまう主人公はあいつとの僅かな繋がりを守ろうとします。
後回しにしてしまう性格だからつながっていようとするというよりむしろ、あいつは後回しにすることができないような存在なのではないでしょうか。
この歌詞に生じる矛盾は直接主人公の婉曲した気持ちにつながっていそうです。
内緒にすればするほど忘れられない思い
内緒にしていたら
出典: Shout Baby / 作詞・作曲:長屋晴子
あってもないようなものだね
忘れてしまえる程
ちっぽけな想いではないよ分かってる?
こうして、主人公はあいつの言ったように二人の関係を内緒にすることにしたようです。
ただ、ここでいう内緒のニュアンスはもうあいつと関わらないというものだと思います。
関わらなければおのずと今までの関係もあってないようなものです。
しかし想いが強ければ強いほど、その無関心があいつのことをいっそう思い出させていきます。
夜を明け、突きつける言葉
夜が明ける頃にまた
出典: Shout Baby / 作詞・作曲:長屋晴子
真面目な姿だけ身に付けて
だってそれしかなかったの
初めてのことに戸惑ってる
退屈な時間をかき消すほど
胸を占めるあいつなんて
もう
二番のサビです。
夜が明け、まじめな姿だけを身に着ける。
これらの言葉から主人公が新たな一歩を踏み出そうとしていることがうかがえます。
それしかなかったという歌詞がこの一歩の苦しさを表していますね。
こうしてその新たな一歩を踏み出した主人公はあいつに「もう」をつきつけます。
新たなステージに立ち気づくこと
こんなもの知りたくなかった
出典: Shout Baby / 作詞・作曲:長屋晴子
あの時ああすれば良かった
こんなに脆いものだけど
自分を肯定したかった
悪いことをしてるようで
自分が情けなかった
だけど全て初めてで
まだ信じていたかった
過去の出来事を後悔するようなネガティブな歌詞の羅列が続くCメロ。
今まで、新しい一歩を踏み出そうとして失敗してきた過去、それら初めての出来事に悪いことをしているような気がしていた主人公。
新たなステージに進んだ主人公は、それらの挫折はすべて初めてのことを恐れていただけだと気づいたのです。
変わりたい
誰に聞かずとも分かる
出典: Shout Baby / 作詞・作曲:長屋晴子
あいつは幸せをくれやしない
それでもあいつがくれたもの
何もなかったわけじゃないから
毎日の不安をかき消すほど
ずるい嘘が嬉しくて消えない
変わりたい
ついにラストのサビです。
あいつを突き放しつつ、それでもあいつのくれたものを認める主人公。
最後に、あいつは主人公が歩いていけるようにずるいウソをくれます。
その言葉を胸に、決意のような形で主人公はこう言います
「変わりたい」

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さいごに
いかがでしたか?
苦しい過去と決別し、忘れられないものに折り合いをつける。そのための一歩を踏み出そうとするBaby(赤子)の成長物語ともとれる楽曲です。
忘れられないものがあるとき、新たな一歩を踏み出す時、この曲がきっとあなたに寄り添い、背中を押してくれるでしょう。