今回はプラントピアのPVに起用されたまふまふさんの楽曲「失楽園」について考察していきたいと思います。
まふまふさんのプロフィールも紹介していますのでどうぞお楽しみに!
まふまふさんとは
1991年10月18日生まれで、中性的な美しい容姿と歌声を持つ男性。
ギター、ベース、ピアノの演奏が可能という多才な面をお持ちです。
歌唱・作詞・作曲・編曲・演奏そしてエンジニアまで一人で行う事が多いという非常に器用で多才なまふまふさんです。
「何でも屋」という肩書を使われる事もありますが納得ですね。
そして2021年の、紅白歌合戦に見事出場するも2022年6月12日より今現在まで体調不良を理由にソロでの活動を休止されています。
今は少しずつですが元気になってきているそうなので一日でも早く、しかし無理されない範で活動再開される事を心待ちにしています。
プラントピアとは
2022年7月より始動した大型フィギュアプロジェクト。
このプロジェクトのプロモーションビデオにまふまふさんが活動休止前に制作していた楽曲「失楽園」が起用されています。
まふまふさんも、活動休止中の身ですがみなさまと楽しみたい、と前向きなコメントをされています。
「花人」と呼ばれる新しい生命体が生きる世界を描いた物語。
遥か遠い未来の世界を舞台に広がる物語とプロジェクト、私もとても楽しみです。
失楽園 歌詞考察
契る千の生涯は
出典:失楽園 / 作詞・作曲:まふまふ
深く目を閉ざした
芽吹けば枯れゆく
ボクら何処にいるのだろう
時間の流れを表しているのではないでしょうか。
人生は短いと言われますが実際生きて、人生を歩いていると終わりを意識する事は少なくて途方もない時間が与えられたように感じてしまう事もあるでしょう。
そんな時は道しるべもない時間の流れの中、今自分が何処まで歩いてきたのか何処にいるのか分からずに途方に暮れる事もあるのではないでしょうか。
「もしも一切を分かち合えるのなら」
願いはただ追憶の知らせ
風間の貰い火これでいい これでいい
すれ違った刹那に 過る空想君を愛していたよ
出典:失楽園 / 作詞・作曲:まふまふ
全てを相手と分かち合えれば幸せになれると思う事があります。
悲しみも不安も、不満も、そして幸せも。
そうする事で相手の全てを理解して、自分の全てを理解してもらえればお互いの気持ちが分からずに傷付け合う事はないと錯覚してしまいますね。
だけどそれは「分かり合える」という意味をはき違えてしまった間違えた感情といえるのではないでしょうか。
そして間違った感情は「風間の貰い火」で消えてしまうのでしょう。
故に愛していた、と過去形になっているのではと思っています。
両翼の運命も笑い合う今日も
機関銃の空へ
心に意味がある意味もない躯体
何処かで出会っていた
出会っていたんだ 此処じゃない世界なら
映し鏡の瞳に映る 少女は夢見ている春の事触れ
出典:失楽園 / 作詞・作曲:まふまふ
「両翼の運命」の両翼には色々な意味が込められているのではないでしょうか。
ボクと君、それぞれ、の意味。
光と影。憂いと幸。
二人の過ごしてきた日々は荒れた日常に消されてしまうのでしょう。
感情・心を閉ざしてしまい、ただ生きているだけとなった「躯体」には意味がないというのは現代社会を生きる私たちも感じる事ですね。
ここではない何処か違う世界なら二人はもう一度一緒に過ごす事ができると少女は思うのです。
値札のついた命で
出典:失楽園 / 作詞・作曲:まふまふ
日和見主義な世界だ
惨めでした 惨めでした
ボクには当然ふさわしい
日和見主義とは形成を伺いながら自分に都合の良い方へいこうとする姿勢を表現した言葉です。
社会とは世界とはそういう理不尽な一面もありますね。
他人から評価された自分が日和見主義な世界で生きる事を惨めだと思うのに、自分の価値を見出せないボクはふさわしいと諦めている様子が伺えますね。
泥にまみれたこの手に
配られたカードは
ああ 幸か不幸か 絵柄さえ
汚れに見えてしまうなこれでいい これでいい
空の降った地べたを睨む後世ボクは生きているよ
出典:失楽園 / 作詞・作曲:まふまふ
人生というゲームに挑むために配られるカード。
ボクにとってはジョーカーもハートのエースも同じに見えてしまうのでしょう。
堕ちた心で見るそれはジョーカーすら自分の持つ闇と同化して見えてしまうけど、それでいいということでしょうか。
空から降り注ぐ雨が地を創造したように、降り注いだ涙は心を創造しその心をボクは俯瞰してみているような感じがします。
辛くても、傷だらけでも、生きてると声にならない声で叫んでいるのです。
トラウマとハイオクで満たしていくんだ
空っぽの心は
拭えども消えない暗闇の黒色翡翠の音 外光に戸を叩いた
出典:失楽園 / 作詞・作曲:まふまふ
見つけてほしいんだよ
巡る未来世 正鵠を射る
その時間の狭間へ 今
ハイオク車を維持するのは簡単な事ではありません。
ここでのハイオクは身の丈に合ってない自分の持ち物を表しているのでは、と考えます。
ブランド物に限らず、自己肯定の低い方は幸せと感じる事さえ自分には贅沢品だと思ってしまう傾向にあります。
トラウマと必死にかき集めた贅沢品で心を埋めようとしても堕ちた感情はそう簡単に笑ってくれないのでしょう。
それでももがいて、自分の殻を破ろいうと試み、戸を叩いて「見つけて欲しい」と望むボク。
微かに見えた未来の中心に向かって動き始めるのでしょうか。
この歌詞に「翡翠」と出てきますが、実は宝石の翡翠は、宝石の中でも本物と偽物の区別がつきにくい事で有名なんだとか。
本当のボク。
堕ちた心でもがくボク。
そんな二人の僕が混ざり合ってどちらが本物なのか分からなくなっている事の暗示とも見る事ができるのではないでしょうか。
また失楽園が起用されたプラントピアの物語の設定に花人と出てきますが、翡翠葛という草花があり、名前の通り宝石の翡翠によく似た美しい色をした花を咲かせます。
花言葉は私を忘れないで。
もがき苦しむボクを、忘れないで、というメッセージが隠れていたとしたら・・・この歌はボクが君に送る壮大なラブレターと取る事もできるのではないでしょうか。
傷つけることを知って
これだけ人を憎んで
それなのにボクは
君の名前も知らないこれが間違いだと言うなら
これは間違いだと言えたらどれだけ夢見た世界だろう
出典:失楽園 / 作詞・作曲:まふまふ
ボクらの違わぬ未来へ行こうよ
人は傷付くばかりではなく、時に他人を傷付ける事がある。
誰しもがその刃を持っている、と気付いたボク。
それでも人を憎んでいるだけだから君の名前も知らない。
自分本位に生きてしまった結末。
そんな現実は受け入れる事が辛いでしょうし、間違いだと言えればどんなに楽でしょう。
二人で目指すのはお互い答え合わせした、二人が望む世界。
それはきっと明るい未来なのでしょう。
両翼の運命も笑い合う今日も
機関銃の空へ
刹那でも時を止めて見せて お願い
何処かで出会っていた
繋いでいたんだ 此処じゃない世界なら
映し鏡の瞳に映る ボクはきっと知っている春の事触れ
出典:失楽園 / 作詞・作曲:まふまふ
ここでAメロに出てきた歌詞が少し言葉を変えて繰り返されます。
Aメロはおそらく少女目線・今回はボク目線だと思うのですが「君」ではなくなぜ「少女」となっているのでしょうか。
映し鏡に映ったボクは気付いていたのかもしれません。
真実なんてさ どうせ
都合のいい錯覚だろう
どんな言葉も君の目には二度と映らない幻のまま
出典:失楽園 / 作詞・作曲:まふまふ
直前に出てきた「春」という言葉に期待しましたが目の前にある現実に失望しているので君ともう一度一緒に歩む事は叶わなかったと思われます。
最後「幻のまま」で楽曲が締めくくられている為、私は君の存在自体を「居なかった」のではないかと考察します。
楽曲全体は現実に希望の持てないボクの唯一の救いである君へのラブレターに読めなくもないと感じるのですが、そうだとすると一度だけ出てくる「少女」という言葉はあまりにも異質で非常に違和感を感じます。
ですが君の存在自体が僕の心が作り出した存在だとすると、俯瞰して少女を見る瞬間がある事も納得できるのです。
最終的には救われない楽曲になっていますが、優しい切なさや世の中の理不尽さに感じる絶妙な精神のバランスを、まふまふさんの巧みな言葉で表されていて寄りかかる事ができる楽曲だと感じました。
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さいごに
いかがだったでしょうか。
まふまふさんの楽曲「失楽園」は切なくも心の内をストレートに吐き出した、現代を生きる私達に必要な楽曲となっていました。
現在活動休止されているまふまふさんですが、いつかまた活動再開し元気な姿をみれる事を期待して待っていようと思います。