今回は2021年4月2日にリリースされた配信シングル「四季」の歌詞考察をしていきます。
フジテレビ系「奇跡体験!アンビリバボー」のエンディングテーマとなった「四季」は、ヴォーカル・ギターの尾崎世界観さんが作詞・作曲を手掛けました。
では早速歌詞の考察を始めていきましょう!
四季 歌詞考察
「四季」MVについて
本楽曲「四季」のMVの監督を務めたのは長島翔さんで、以前MV「バンド二〇一九」でもタッグを組んだことがあります。
当初のMVの演出は、メンバー4人が原付バイクに乗って旅をするというものでした。しかし、尾崎世界観さんが原付免許の試験に不合格となってしまったため、4人仲良く自転車に乗っての撮影となったのです。
そんな面白エピソードのあるMV「四季」は、クリープハイプらしい、ほのぼのと、そして和気あいあいとしたロードムービーの様な仕上がりとなっていますね。
春
歌詞の中の登場人物は主人公と恋人の「2人」で、まずは季節は春です。
主人公は、ゆっくりと過ごす暇もなくコンビニのように「年中無休」、1年365日を忙しくせわしなく生きています。
「疲れるけど」の後に「楽しいから」とありますので、ただ仕事などをして疲労困憊しているだけではないようです。
その忙しい日々の合間に恐らく楽しいイベントなどの予定も入れ、全力で楽しんでいるのでしょう。また、仕事自体大変だけれど「楽しい」と感じているのかもしれませんね。
「疲れるけどしょうがねー」と最初は愚痴モードです。そして、休みを取って旅行にでも行きたいと言っています。
その続きは、「楽しいからしょうがねー」とあり、愚痴モードではなく、恋人と2人で日常を楽しんでいる様子が伺えます。
日々を2人で楽しく過ごしていますが、「2人でどっか行きたい」とあるので、「たまには」旅行などもしたいと思っているのです。
「春」は主人公にとって、恋人との日常又は旅先での「少しエロい」思い出があるようです。
主人公は「くしゃみ」をした後に恋人の「顔」が思い浮かんだようです。ふとした拍子に恋人の表情が思い浮かぶという、特別ではない日常の中のひとこまも主人公にとっては大切な「思い出」のようですね。
夏
主人公には夏になると「無性に聴きたくなるバンド」があります。
「全然さわやかじゃない」とありますので、恐らく癖のある、あまり万人受けする感じのバンドではないのでしょうね。
「忘れてた分」を「思い出せる」とありますので、夏以外は殆どそのバンドの音楽を聴くことはないのでしょう。しかし、「思い出せるのが好き」と続いており、夏限定でその音楽を聴いて「思い出」を回収するという行為を毎年繰り返しているようです。そして、そのバンドや音楽だけでなく、”思い出す”という行為自体も含めて主人公は「好き」なのでしょうね。
また主人公の「夏の思い出」として夕方から夜、「蛍の光」が見える時間帯に「寄り道」をすることも提示されています。
「さわやかじゃないけど」と前置きをしていますが、主人公にとっては日常のなにげないことも「優しい夏の思い出」なのですね。
秋
ここでは季節は秋に移行しています。
「間違うけどしょうがねー」と、生きていたら間違うこともあるよね、という感じの軽めの愚痴モードです。
「謝ってばかり」というフレーズが2回出てきます。更に最後で謝罪ばかりしていることにも「ごめんね」と謝っています。
主人公は間違いをして、謝り、謝った相手から許してもらったり、また、逆に自分も誰かを許したりということを繰り返して、最終的に「正解」に辿り着いています。
「ダサい秋の思い出」は、常に謝罪ばかりしていてカッコ悪い自分自身の姿のようですね。この思い出も特に「秋」ならではのものではなく、日常のひとコマといった感じの出来事となっていますね。
ふたりの関係性
ここでは、主人公と恋人の2人の関係性を「布団」になぞらえて絶妙な表現がされています。
2人一緒にくっついて寝ていても、熱いと「蹴っ飛ばして」離れて、寒いと引き寄せて「また抱きしめたり」します。
更に、喧嘩してちょっと距離を置いたりしても、また仲直りをして包み込むように抱き合ってといった感じの情景が目に浮かぶようですね。
「四季」の移り変わりに伴って様々な扱いをうける「布団」ですが、愛し合う男女も同じように一年を通して様々なことが起こるという、当たり前のことを改めて認識させられます。
冬そして春
ここでは季節は冬となります。
「帰り道」が「息が見える」ほど「寒くて暗」かったり、「雪」が降ってきたり「風邪ひいたかも」など、冬ならではの言葉が出てきます。
「雪」が降るタイミングも特にドラマチックなものでもなく「どうでもいい時に限って」というあたりいかにも尾崎さんらしい表現ですね。
しかし、そんな「どうでもいい時」に降る雪の中、「生きてて良かった」とふいに思い、「意味」もなく「涙が出た」主人公。急にそんなことを思ってしかも涙まで出てきたことは、やはり「恥ずかしい」ことにには違いなく主人公にとって「冬の思い出」として記憶に残っているのです。
そして、「風邪をひいたかも」しれない、ということも「しょうがねー」の一言で少し愚痴モードとなり、冒頭春の思い出の最後の「くしゃみ~」のフレーズへと巧みに繋げています。
季節は冬から春へとまた移行し、「春の思い出」でラストが締めくくられています。
春で始まり春で終わるこの楽曲の歌詞は、温かく優しい雰囲気が漂っています。
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さいごに
本楽曲「四季」の春夏秋冬のそれぞれの思い出は、特別なドラマチックな出来事ではなく、日常生活の中のふとした瞬間を切り取ったようなものが特徴となっています。
私たちリスナーも、例えば旅に出たとして、有名な観光スポットに立ち寄った時のことよりも、その旅とは何も関係ないような、どうでもよいような事であったり感情を鮮明に覚えていることは、意外とよくあるのではないでしょうか。
そんな何でもないような、でもとても大切な普通の日常が淡々と「思い出」として描かれた本楽曲「四季」。
普通の日常がいかに大切かしみじみと感じられるような秀逸な楽曲に仕上がっています。
本楽曲を手掛けたクリープハイプの今後の曲にも注目したいですね!