今回はUruさんの新曲「セレナーデ」の歌詞を考察していこうと思います。
セレナーデは、6月1日に発売される「それを愛と呼ぶなら」に収録されている新曲で、作詞作曲をUruさん、編曲をトオミヨウさんが手がけました。
またデビュー記念日である6月15日には、この楽曲から書き下ろした同タイトルの短編物語を収録した自身初の短編集が発売されます。
短編集「セレナーデ」の情報も合わせてみていきましょう!
短編集「セレナーデ」
6月15日のデビュー記念日に発売される自身初の短編集。
「しあわせの詩」「鈍色の日」「セレナーデ」の3作品が収録されています。
私は病院で不思議な光を浴びてから、体に異変を感じるようになる。
夫と息子の3人の幸せな日々に、予測できない奇妙な運命が待っていた。
僕が自死を決意した日、実家で暮らす母から荷物が届いて――。
摂食障害で悩んでいる、高校三年生の葵。ある出来事を境に、恋人の隼人、幼馴染の陽との関係が崩れていく。瑞々しい青春群像劇。
書籍の紹介ページには「幸せだった日々にしがみついたまま、今を生きていないのは僕の方だ」という一文が書かれています。
果たして、このセリフはセレナーデの中の誰のセリフなのか。
物語の内容を想像しながら考察していこうと思います。

セレナーデ 歌詞考察

物語の登場人物は、摂食障害に悩む葵と恋人の隼人、そして幼馴染の陽の3人です。
物語は公開されていないので勝手な想像になってしまいますが、この曲の歌詞を見て幼馴染・陽の目線で歌われているのではないかと感じました。
陽を主人公と仮定して歌詞を見ていきましょう。
冒頭のシーンは葵の病室でしょうか?
ベットの上で弱々しく笑う葵の姿が浮かんできました。
「伸ばしたくなる手を押さえるのが大変で」という歌詞から、陽が葵に対して幼馴染以上の好意を抱いていることがわかります。
摂食障害によって日を追うごとに元気のなくなっていく葵に何もしてあげられない無力感と自分の叶わぬ恋に対する切なさで溢れ出しそうな涙をこらえ、カッと熱くなる手を必死に隠している様子が伺えますね。
幼馴染の自分は葵と隼人を1歩離れて見守る存在なのだ、と自分自身に言い聞かせながら二人を見ている陽の姿が浮かんできました。
「君を知らない誰かになれたら きっと楽になれるのに」という一文には、何もしてあげられない自分への苛立ちも叶わぬ恋の切なさも、葵を忘れてしまえば楽になれるのに、という陽の心の声が込められているのではないでしょうか?

陽の心情が歌われます。
本当は今すぐにでも駆け寄って抱きしめたい、もう自分の気持ちに嘘はつきたくないんだよ、と叫んでいる様子が浮かんできました。
しかし、実際に行動することは出来ません。
葵の恋人である隼人も、陽にとって大切な存在だからです。
どちらも大切であるからこそ叶わぬ恋に打ちひしがれる陽の切なさが伝わってきますね。
「ねえ、聞こえていますか」と葵に心のなかで問いかける陽の姿が映ります。
ここでタイトル「セレナーデ」についてご紹介します。
セレナーデとは夜曲・小夜曲とも言われますが、夜、恋人のために窓の下などで演奏される楽曲のことを指します。
注目したいポイントが”夜”という時間。
主人公の名前が陽であることを考えると、” 陽が登らない夜 “に歌われる曲は、報われない恋を暗示しているように思います。
陽が窓の下から歌うセレナーデは葵に届くのでしょうか?

摂食障害に悩まされ、だんだんと元気が無くなっていく葵の姿が表現されていますね。
声をかけようとした陽でしたが、葵の弱々しい姿を見て言葉を失います。
「見えない心」「触れられない体」は、葵が周囲の人を避けている様子を表しているのではないでしょうか?
どんなに拒絶されても、葵のことを待ち続ける陽。
想いの強さが伝わってきます。
そして「虹なんて見えなくてもいいから 雨は降らないで」と笑う葵。
”虹”=幸せなこと・良いこと、”雨”=良くないこと、を暗示しています。
つまり、幸せなんて感じられなくてもいいから、もうこれ以上悪いことは起こらないで欲しいという願いを表現しています。
これからの未来に期待を持てず、ただこれ以上は悪くならないで欲しいという葵の切ない願いが伝わりますね。

未来に絶望している葵を側で見ていて、自分の無力さに打ちひしがれる陽。
「だからその心を分けてよ」というセリフからは、辛い気持ちを分け合って、少しでも楽にしてあげたいという陽の優しさが感じられます。
しかし、「叫ぶ声は胸の中」
隼人という恋人がいる葵には想いを伝えることは出来ません。

陽は、まだ葵が元気だった頃を思い出しています。
葵と隼人が付き合う前でしょうか?
イヤホンを分け合って二人で流行りの曲を聴いた懐かしい日々。
微笑ましく素敵な思い出ですが、今の葵にその話をすることは出来ません。
「どうにでもなれと思うのに 神様 どうか二人を〜」
自分の恋は叶うことはない、でも、大好きな二人を放っておくわけにはいかない。
陽の優しい性格がわかる切なすぎる歌詞ですね。

二人の関係を崩したくないからこそ、打ち明けられない想い。
前半では自分の報われない恋を歌っていた陽のセレナーデは、二人の未来・幸せを願う詩へと変わっています。
側にいられるだけで幸せだと思う気持ちと、どれだけ頑張っても想いを伝えることはできないんだという切なさが混じった儚くも美しい素敵な楽曲でした。

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さいごに
いかがでしたか?
楽曲のリリース、短編集の発売が待ちきれません。
これからの情報も要チェックです!