今回はRADWIMPS『正解』の歌詞について考察していきます!
2018年12月に発売したアルバム『ANTI ANTI GENERATION』に収録された『正解』。
NHK主催の「18祭」で披露された本楽曲は、青春の葛藤や輝きをRADWIMPSらしく描いた合唱曲に仕上がっています。
タイトル「正解」に込められた意味、若者ならではの悩み…。さまざまな側面から『正解』に迫っていこうと思います。
『正解』歌詞考察
大事な間柄だから言えること・言えないこと
本楽曲のテーマは「友情」。
これを読んでいる人の中にも、かけがえのない友達に助けられた人がいると思います。
辛いとき、悲しいとき。そばにいてくれる友人の存在は本当に大きなもの。
家族や恋人には言えないことを言える。友情にはそんな不思議な力がありますよね。
しかしその強い絆がゆえに、強がったり、頑なになってしまったりすることもあります。
特に学生時代には親友との間にある強固な絆と、素直になれない頑なさが心にたびたび生じることもあるのではないでしょうか?あなたにもそんな経験があると思います。
ここでは強く深い友情で結ばれた親友に「ごめんね」と言えない葛藤がつづられています。
ささいなことでも笑いあえる
ここでは親友との「些細な出来事」が描かれています。
明日も会えるのに真夜中まで遊んだり、電話をしたり。
夜の眠気に勝てるのも若いからこそ。
夜だからこそのワクワク感に心が満たされるあの青春の一幕がイメージできますね。
非常に甘酸っぱくうるおしい。大きな出来事も小さな出来事も分かち合えるし、分かち合いたいと思えるのが友情なのでしょう。
「理屈に合わないこと」とは「無駄なこと」だと推測できます。
例えばテスト前に遊んでしまったり、無駄話をしたり、進路に関係ないことをしたり、生産性のないことを指すような気がします。でも、そうした「無駄」にこそ楽しさや面白さは詰まっていると思いませんか?
友達とならそういうことをいつまでも一緒にできる。それが友情であり、青春でもあるのでしょう。
そして振り返った時にはじめてそれが「青春」だと理解できるのです。
「正解」がわからない人生
私たちが学校で教わるのは「正解」のあるもの。
テストの点数で測れるもの、方程式で答えが出るもの、暗記すれば覚えられるもの。
しかし青春時代に私たちが欲しいものは、正解のないものです。
それは「仲直りの仕方」であり、「心の振り向かせ方」。誰一人その正解を知らないから、私たちは困惑し、悩み、葛藤するのです。
でも野田洋次郎はここで「答えが既にすでにある問いなんかに用などない」と言います。
つまり「正解」を探そうとすることこそが青春であり、人生であり、生きるおもしろさなのだ、ということ。
「答え」がないことだって実は、尊く素晴らしいことなど教わることのできるサビです。
友情は時に恋より素晴らしい
2番冒頭では、友情を通して自分を好きになれたことがつづられています。
一緒に笑ったり、励ましてもらったり。親友にかけてもらった言葉の一つ一つで立ち直り乗り越えることができる経験をした人も多いのではないでしょうか。
友情の中に流れるあたたかな思いに、自己を受け入れることができた経験ほど素晴らしいものはありません。そんな経験をさせてくれた友達へ感謝の気持ちが歌われています。
切磋琢磨の日々とのさよなら
『正解』は卒業式にふさわしい合唱曲。
ここの個所では「卒業」がちらつく歌詞がつづられています。
友情には「大好き」という気持ちと共に、無意識にも「すごいな」「尊敬する」という敬意も表れるもの。
追いつけない部分を悔しく思いながらも、同じ地点に立ちたいと思ったりもしますよね。
友達と切磋琢磨して、自分自身を成長させることもできます。
しかし「卒業」という別れがやってくると、一緒にいた日々は突然分断されてしまいます。
大人が勝手に決めたそのルールに切なさややるせなさも感じる一節です。
大人も「正解」を知らない
2番のサビのポイントは「正解など大人も知らない」という部分。
つまり、ここでは、大人になった視点も込められているのです。
青春時代に得たかった「答え」は、大人になってもわからないし、どんな先輩も教えてくれない。
結局、自分の人生の中で「答え」を導き出さなければならないのだということです。
「夜の眠り方」「心の傷の治し方」「励まし方」…。これらは「卒業」を終えて、大人になったあとも経験すること。
青春時代を抜けて大人になっても路頭に迷う人に共感できる歌詞へ変貌しているのも注目ですね。
想いの伝え方がわからない
ここでは「あなた」「君」と呼称が変わっているのが気になります。
「あなた」が恋人で、「君」は親友を指しているのでしょうか?
「僕」が恋人と怒鳴り合ってしまったことを聞いた親友が、「あいつは変わらないな」と笑っていたといったところかもしれません。
でも変わらない事実は、主人公の「僕」が想いの伝え方がわからないということ。
怒鳴ることでしか自己表現ができず、いまだ拙く幼い「僕」が存在しているのです。
そんな「僕」の心を親友は、卒業してもずっと知ってくれていているという描写なのでしょう。
卒業を迎え、今までのような日々と別れを告げる日がやってきました。
教科書では「答え」が得られても、人生の「答え」は自分で模索しなければならない。
きっと毎日を一緒にしてきた友達も「答え」を見つけ出してくる。
一緒にその「答え」を見せ合いっこできる日を楽しみに門出を迎えるのです。
「答え」を出しに行くことこそ人生
きわめてRADWIMPSらしい歌詞。「□」を用いているのは巧みな表現ですね。
今までの青春の日々を抜けた世界で自分はどのように歩んでいくか決意表明の歌詞だと読み取れます。
卒業の日に問われた問いに「答え」を出しにいくことこそが、人生なのです。
「卒業」という名の新しい門出
ラストでは呼び方が「あなた」に変化しているのがポイント。
これは未来から過去の自分に対しての呼びかけだと読み取れます。
学生時代は友達に頼って生きてこれたけれど、もう明日からはいない。
自分ひとりで人生をかけて「答え」を導き出すんだと背中を押してくれるラストです。
「正解」という世界共通のものを導き出すのではなく、自分にとっての「正解」を出してほしいという願いも込められているんですね。
卒業は別れではなく、もう一つのスタートだと言わんばかりの「よーい、はじめ」が響き渡ります。
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おわりに
いかがでしたか?
卒業式にぴったりの本楽曲。RADWIMPSらしい個性的な歌詞にも注目です。
この春にぜひ聴きたい一曲になりそうです!