今回は、人気バンド・緑黄色社会の『スカーレット』の歌詞を考察していきたいと思います。
メジャーデビュー後では初となるフル・アルバム「SINGALONG」に収録されており、ポップなメロディーと元気の出る歌詞で、大変人気のある楽曲です。
曲名の由来と合わせて、見ていきましょう!
『スカーレット』の曲名に込められた思い
スカーレットとは、炎のような少し黄味のある赤色を表します。
さらに、スカーレットという花も存在し、花言葉は「純愛、秘められた情熱、小さな強さ」だそうです。
「誰かへの純粋な愛」
「沸々と心に湧き上がっている情熱」
「見た目からはわからない芯の強さ」
そんな意味が、『スカーレット』の曲名、ひいては歌詞に込められているのかもしれません。

スカーレット 歌詞考察
やるせないな 不甲斐ないな
出典:スカーレット / 作詞・作曲:穴見真吾
こんな今日じゃ終われないや
真っ赤な終電車は
ガタゴトあなたを連れて行った
何か納得のいかない感情があるけれど、どうすることもできない。
そんな歯がゆい状態で今日という一日を終わらせるのは、もったいないからできない。
主人公のやるせない気持ちが、歌詞の冒頭から描かれています。
夜の真っ赤な終電が、「あなた」をどこかへ連れて行き、その様子を見届けながら、ぽつんと取り残される主人公。
孤独感はよりいっそう、納得のいかない今日を際立たせるようです。
何かしようと思っても何もできず、不本意ながら代わりばえしない毎日を過ごすことは、多くの方も共感できるのではないでしょうか?
ちなみに、真っ赤な終電車というのは、おそらく緑黄色社会の地元にゆかりのある名古屋鉄道ではないかと思われます。
これから展開するストーリーは、作詞・作曲を担当した穴見真吾さんの実体験なのかもしれません。
味気ないアイデア ベタなユーモア
出典:スカーレット / 作詞・作曲:穴見真吾
こんな今日じゃ笑えないや
降りかかった雨に
泣き言吐き捨てた
退屈な毎日を変えるために何かアイデアを出してみるけれど、味気なくてつまらない。
自分なりにユーモアを加えてみても、ありきたりすぎてやはり納得いかない。
結局何もできなかったことを含めて、今日も笑えないや。
どこか日常から離れた場所を求めて、主人公は試行錯誤を繰り返しましたが、やはり納得のいかない一日になってしまうようです。
退屈な日々を変えることができず、なんで自分にはどうすることもできないのか、降りかかっていた雨にそんな泣き言を吐き捨てる。
「降りかかった雨」というのは、八方ふさがりで絶望に近い心情とリンクしているのでしょう。
自分の中でうずまいていた感情を、ボロッと外に吐き出してしまいます。
鬱屈とした日々を
出典:スカーレット / 作詞・作曲:穴見真吾
吹き飛ばすその笑顔ください
鬱屈とした毎日を吹き飛ばすために、あなたのその笑顔を見せてほしい。
「その笑顔」というのは、冒頭に出てきた「あなた」の笑顔のことでしょう。
退屈な日々に耐えられないから、「あなた」に会って状況を変えたいという、わらにもすがるような気持ちが伝わってきます。
気分が滅入っているときに笑顔が見たい相手というのは、おそらく恋人ではないでしょうか。
主人公にとっての「あなた」は、恋愛感情を持つ相手といえるでしょう。
なんにもないなんでもない
出典:スカーレット / 作詞・作曲:穴見真吾
日々の連続です
そのせいあなたの声だけが
胸をざわつかせるのです
願ったり叶ったりだと
思い込んで仕舞えば
なんにもないなんでもない
明日も悪くない
いつもと変わらない日々の連続。
そのせいか「あなた」の声をきくと、私の心が揺さぶられるんだ。
「あなた」の声をきくと、気持ちが前向きになるよ。
明日も平凡な日がやってくるけれど、むしろ歓迎だと思えば、悪くないものだと受け入れられるよ。
普段がなんにもない毎日だからこそ、好きな人に会えるとより嬉しかったり、ワクワクした気分になりますよね。
ポジティブ思考になり、嫌なことも乗り越えられます。
サビの盛り上がりに乗じて、「あなた」という存在のおかげで、主人公が徐々に前向きになっていくような様子が伝わってきます。
愛のメロドラマ あのテレビスターのように
出典:スカーレット / 作詞・作曲:穴見真吾
ヘラヘラしてられたら
真っ新に全て
捨ててしまいたいや
自分もドラマに出ている有名人のように、ヘラヘラと笑っていられればいいんだけど、実際にはできない。
羨ましいし、くやしい。
今の納得のいかない日々を捨てて、全部なかったことにしたい気分だ。
2番のAメロになり、ふたたび現実を突きつけられる主人公。
どうしようもできない自分に嫌気がさし、テレビに出ている有名人に、羨ましさと嫉妬がまじった感情を抱いています。
まわりと比較することでさらに自信を失い、今の状況を全て捨ててしまいたいと自暴自棄になっている様子がわかりますね。
あなたという終点に
出典:スカーレット / 作詞・作曲:穴見真吾
たどり着く乗車券ください
今の状況に耐えられそうにないから、「あなた」に会いたい。
どうやら主人公は、「あなた」とひんぱんに会える環境にないようです。
だからこそ、恋しくなって「あなた」に会いたくなる衝動に駆られるのでしょう。
「あなた」を「終点」と表現していることから、「あなた」さえいればすべてが変わる、「あなた」こそが最後の希望である、といった、主人公の熱のこもった思いがうかがえます。
なんにもないなんでもない
出典:スカーレット / 作詞・作曲:穴見真吾
日々の往復です
そのせいあなたの声だけが
この身をただ生かすのです
願ったり叶ったりだと
思い込んで仕舞えば
なんにもないなんでもない
明日も悪くない
なんにもないなんでもない、いつもと変わらない日々を行ったり来たり。
そのせいか「あなた」の声をきくと、自分は生きていると感じることができるんだ。
「あなた」の声をきくと、やはり気持ちが前向きになる。
明日も平凡な日がやってくるけれど、むしろ歓迎だと思えば、悪くないものだと受け入れられる。
ふたたび繰り返されるサビ。
自分は生きているという実感さえ掴めないような状態だったけれど、「あなた」がそれを気づかせてくれるんです。
何度も「あなた」のことに触れるまっすぐな歌詞から、スカーレットの花言葉「純愛」がひしひしと感じられます。
ずぶ濡れになっていいのさ
泣きたけりゃ泣けばいいのさ
降り続く雨に
訪れぬ晴にぶつけてしまえメロディ
出典:スカーレット / 作詞・作曲:穴見真吾
叫ぶのだ派手に
終わりが見えないつらい状況に立たされることもある。
そんな時、泣くほどつらいのであれば、たくさん泣いたっていい。
弱音を吐いたって別にかまわない。
苦しい状況にいるときは、感情を押し殺してはいけません。
今の感情をそのまま受け入れることの大切さを説いています。
心にうずまいている気持ちや感情をメロディにのせて、派手に大声で歌おう。
自分の感情をありのままに受け入れたら、それを外に思いっきり吐き出せばいい。
今まで味わっていた不甲斐ない状況から一変、心にひそかに溜まっていたエネルギーに感化されています。
スカーレットの花言葉「秘められた情熱」が、主人公から垣間見れる瞬間です。
主人公は最後にどんなメロディを奏でてくれるのでしょうか。
なんにもないなんでもない
出典:スカーレット / 作詞・作曲:穴見真吾
日々の連続です
それでもあなたの声だけが
明日へと連れ出していくのです
真っ赤に光る始発電車
飛び込んで仕舞えば
なんにもないなんでもない
私とサヨナラ
いつもと変わらない日々の連続。
だけど、「あなた」の声をきくと、今までとはちがった明日になるんだ。
真っ赤な始発電車に乗って「あなた」に会いに行くよ。
退屈な自分とサヨナラするために。
なんにもない退屈な日々から抜け出すため、「あなた」に会いにいくことを決意。
落ち込んでいた小さな存在から、現状を打破する前向きな強い意志を感じます。
まさに、スカーレットの花言葉「小さな力」を表しているでしょう。
始発電車で会いに行くことから、はやく「あなた」に会いたいという気持ちもうかがえますね。
退屈でやるせない毎日を送っている方に向けて、現状を嘆きつつ、どうすれば明るい未来につながるかを考えて、実際に行動に起こすことの大切さを伝えたい。
そんな緑黄色社会のメッセージが込められているように感じました。
未来への希望がわいてくる素敵な楽曲なので、落ち込んでいる時はぜひ聴いてみてください!

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さいごに
「毎日が平凡すぎてつまらない…」
「だけど何をすればいいかもわからない…」
そんな方にピッタリの歌詞でしたね。
緑黄色社会のメンバーたちも同じような思いから音楽活動に励み、人気のあるバンドに成長したのでしょう。
今後も緑黄色社会がどんな楽曲を届けてくれるのか注目していきましょう!