今回はまふまふが作詞作曲した「サクリファイス」について考察します。
「サクリファイス」は2019年にネット上で公開され、アニメ『かつて神だった獣たちへ』のオープニング主題歌として起用さました。
内容はかつて神として崇められていた異形の兵士”擬神兵”たちが有り余る力ゆえ次第に「獣」として蔑まれた存在となり、獣を殺すため獣狩りのハンクと、ハンクに獣だった父を殺された少女シャールが旅をする物語です。
サクリファイスの歌詞はアニメの世界観にマッチしており、物語をより盛り上げる楽曲になっています。

サクリファイス 歌詞考察
タイトルのサクリファイス(sacrifice)とは神にいけにえを捧げること、犠牲にすること、犠牲的行為という意味です。
早速アニメと密接にリンクしている歌詞を考察していきましょう!
終わらない負の連鎖

人々は争いが絶えない荒廃した世界で生きており、終わりの見えない悲しみに絶望し嘆いています。
下段はかつては英雄として崇められていた擬神兵が必要となくなり疎まれる存在になってしまったことを悲観してます。
必要な時はもてはやされ、いらなくなると手のひらを返されてしまう人々の無常さを見たら、人類のために世界を救おうと思っていたことが馬鹿らしくなってしまいますね。

ここの「どうして?」は擬神兵の問いかけと受け取れます。
擬神兵の「崇められていたのになぜ疎まれてしまうのか」という意味がここの「どうして?」に込められているのです。
争いだらけの世界で生きていると心まで荒れ果ててしまい、疑心暗鬼になり、優しい心を持って小さな命を守ることすら難しくなってしまうと嘆いています。
変わらない未来だとしても

1番目のサビになります。
人々から望まれて戦ってきた擬神兵が今では獣ととして扱われだし、それは神が身勝手に決めた無慈悲な宿命のように感じ、自分の手で求める未来をつかもうとしている内容です。

擬神兵の気持ちを切なく表している部分になります。
獣として恐れられる存在ではなく、人格を持った一人の人として名前で呼んでほしいと願っています。
憧憬はあこがれるという意味で、獣として蔑まれてしまった現在も昔に懐かしみ憧れ、過去に戻りたいと思っているのでしょう。
叶わなかった未来

何気ないくだらない冗談を言い合える日常や夢を追い求めていたはずなのに叶わなくなった現実に打ちひしがれ、お互いに疑心暗鬼になり心が離れ、武力での解決法しかできなくなってしまいました。
どこで間違えてしまったのかと後悔しています。

間違えた道を歩んでいると知りながらも軌道修正できず悔いてばかりいます。
自分の手は人を守るためにあるのに、今は奪い合うために使ってしまっているのが現実であり自分を責めているのでしょう。

空はもともと青いものなのに主人公の目には灰色に見えています。
数々の戦で奪った命や罪の重さを考えると綺麗なものも灰色に見えてしまうということでしょう。
贖罪とは罪を償うこと、輪廻は霊魂が人間、動物あるいは場合によっては植物などと1つもしくはそれ以上の存在に次々に生まれ変わっていくという思想という意味です。
戦いが終わった今も罪の意識を持ち、たとえ生まれ変わっても幸せを手に入れることはできないだろうと諦めに似たような悲しみを抱いています。

罪を抱え償いながら生きていくと覚悟した時に君と出会ってしまったことで、より思い出すと息苦しくなる記憶が蘇り、自分を苦しめていきます。

擬神兵が最後は獣として疎まれたことから自分の存在している意味がないと絶望していることが読み取れます。

擬神兵の苦しい叫びが続きます。
十字架は罪と苦難の象徴なので、苦しみばかり背負っても何もできない、何者にもなれない苦しみを表しています。
歪んだ運命

最後のサビになります。
1番目の歌詞とほぼ同様ですが、「仮初の翼」の部分だけ違います。
「仮初の翼」とはその時限りの翼という意味で、擬神兵の英雄として崇められていた時期を指します。
罪を背負いながら生き、国のために犠牲なったといってもいいでしょう。

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まとめ
「サクリファイス」は擬神兵の視点で書かれた歌詞のようですね。
かつては人々に存在を求められ崇められていたが、平和になった途端獣として邪魔者扱いされ、その苦しみを表現した歌詞です。
平和な世の中でただ皆が笑いあえる日々を送れればいいと思っていただけなのに、思い描く未来とは正反対になってしまい後悔、苦悩している心情がリアルに描かれています。
アニメの内容を忠実に再現し、まふまふファンもアニメファンも虜にしている楽曲になります。
以上「サクリファイス」の歌詞考察でした。
これからの楽曲にも期待です!