今回は2021年2月19日に配信限定でリリースされたデジタルシングル「桜晴」の歌詞考察をしていきます。
「桜晴」は、優里さんが作詞と作曲を手掛けました。
では早速歌詞の考察を始めていきましょう。

桜晴 歌詞考察
桜の花びらと感謝の想い

歌詞の中の登場人物は主人公と「母」そして「父」の三人で、季節は春です。
主人公は自宅の部屋の窓の外で「洗濯物が揺れる」様が目に入る「午後」のひと時、ふと「母」のことを思い出します。
「胸がいつもより狭くなる」とあり、主人公は不意に母親を思い出すことにより胸が締め付けられるような思いに駆られているようです。
更に、かつて通っていたと思われる「桜のはなびら」が散っている、実家付近と思しき「あの高架下」で「父の背中を追いかけていた」ことをも思い出しているようです。
主人公は独り暮らしをしていることが推察され、離れ離れで暮らしている両親のことに想いを馳せている様子が垣間見られます。
主人公は、ふとした瞬間に以前は一緒に暮らしていた両親のことを思い出し、少し感傷的な気分になっているのでしょうか。
サビ部分では、「うまく笑えない」「涙が溢れそうになる」とあり、主人公の胸の内がセンチメンタルな状態になっている様子が伺えます。
それも「父と母」のことを不意に思い出し、センチメンタルな心持に浸っているからでしょう。
そしてここで、楽曲タイトルである「桜晴」という言葉が出てきます。
春の卒業・入学シーズンのまだ少し肌寒い時期の晴れた日に、桜の花びらがひらひらと舞い散る情景が目に浮かぶような言葉です。
前出の「桜のはなびら」「散る」と併せて、桜が舞い散る春という季節における両親との大切な思い出が主人公にはあるのが伝わってきます。
背中を押してくれる春の思い出

2番でも両親との何気ない日常生活のひとコマが描かれています。
「スーパーの買い物袋の音」「ただいまの声」とあり、食材などの買い出しから両親(又は両親のどちらか)が帰ってきた様子がわかります。よくある、何気ない日常のひとコマです。
そこで「ありがとう」という言葉が主人公の胸の内にひっそりと湧き上がってきているようです。
ただ感謝の気持ちは抱いているものの、言葉には出さなかったようです。
特に思春期の頃等は感謝の気持ちを抱えてはいるものの、口に出すのには抵抗があったりテレがあったりするものです。
中々感謝の言葉を相手に伝えることが出来ずにいることがあるのが特徴的な時期。ましてや、その相手が両親ということであれば尚更で、共感できる部分ですね。
日頃世話を焼いてくれていた事や、気持ちが塞いでしまっている時に慰められたりといった些細な事を含め、両親が主人公を「育ててくれた」という事実に改めて感謝をしていることがクローズアップされています。

そして2番サビ部分は、ポジティブな情感が垣間見られます。
春や桜に纏わる両親との思い出や、そこから派生する感謝の気持ち、また「突き刺すような言葉」すら、主人公の「背中を押し」ており、前を向き進んでいけるという気持ちになっているようです。
ネガティブな感情を抱いていたり、辛い状況にある時に、このように「足を踏み出せる」と思えることは、とても尊く素敵な気持ちだと言えるでしょう。
離れても忘れない

「憎しみ」「苦しいこと」とあり、主人公は恐らく常に辛い状態にいる様子がわかります。
いつも歌うお馴染みの歌というのが主人公にはあるようで、その歌を歌っている時は、ネガティブな感情とは切り離される様です。
主人公は音楽が好き、とりわけ歌が好きだということがわかりますが、音楽で身を立てることを目指していた以前の優里さん自身と重なっている部分かと思います。

コロナ渦が継続している現在、両親を含め、親しい人たちと会うことが困難な状態です。
また春という季節は卒業など別れの季節でもあります。
通常とは異なるこの現在の状態において親しい人々との別れてしまう時期ですが、別れてしまうけれども「忘れたくない」とあります。
たとえその人達とは距離があっても、いつまでも忘れずにお互いを想い合っていたいという強い願望が伝わってくるようです。
また「うまく笑えない」状態でも「そのままでいいよ」とあり、相手を気遣う気持ちに心が温かくなりますね。

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さいごに
本楽曲「桜晴」は、ポジティブで心が温かくなるような雰囲気を纏っており、心に響く秀逸な卒業ソングとなっていますね。
桜が咲いて散る季節である春は、徐々に温かくなりウキウキするような感情と共にどこか物哀しい感情も同時に沸き立つものです。
日常の何気ない情景から、親しい人々と過ごした大切な日々が思い出されて、ふと感傷的になったり、改めて感謝の念を抱いたりと、非常に繊細な情感が際立つ楽曲となっている「桜晴」。
本楽曲を手掛けた優里さんの今後の曲にも是非注目したいですね。