今回は劇場版呪術廻戦0のエンディングテーマ、King Gnuの「逆夢」という曲を考察していきたいと思います!
映画公開当日のサプライズ発表は、SNSでも大きな話題になりました。
King Gnuは、ED「逆夢」の他に映画の主題歌「一途」を提供しています。
アップテンポな「一途」とは対照的に、落ち着いた雰囲気のバラードに仕上がっている「逆夢」。
歌詞にはどんなメッセージが込められているのでしょうか?
映画のあらすじと合わせて見ていきましょう!
『劇場版 呪術廻戦 0』
芥見下々(あくたみげげ)先生による大人気漫画『呪術廻戦』の前日譚として、本編連載前に短期集中連載として描き下ろした「東京都立呪術高等専門学校」を映画化した作品。
原作漫画も「0巻」として単行本化されており、ファンからの人気も高いものになっています。
主人公は、本編主人公の虎杖の先輩であり、 禪院真希、狗巻棘、パンダらの同級生にあたる呪術高専の2年生・乙骨憂太(おっこつゆうた)。
結婚の約束を交わした幼馴染が交通事故によって亡くなり、呪いになった彼女に取り憑かれてしまった主人公。
呪いの強すぎる力で周りの人を傷つけてしまうことを恐れた乙骨は、人との関わりを避けて生きてきました。
しかし、呪術高専の教師で最強呪術師である五条悟との出会いによって、幼馴染の呪いを解くため呪術高専に転校し、修行を始めます。
そこに、非術師(呪術を使えない人間)を皆殺しにして、呪術師だけの世界を作ろうとする夏油傑(げとうすぐる)が登場し、乙骨をはじめ、呪術高専のメンバーと激しいバトルを繰り広げます。
果たして、夏油との闘いの決着はどうなるのでしょうか?
また、乙骨は呪いを解くことが出来るのでしょうか?
本編とも関わりのある過去ストーリーに注目です!

逆夢 歌詞考察
原作・映画のネタバレを含みますので、まだご覧になっていない方はご注意ください。

この楽曲も、一途と同じくメインは映画の主人公の乙骨さんと、幼馴染の里香ちゃんの関係性を表現しています。
あなた=里香ちゃんが望むように変わっていきたい。
呪術高専に入る前の乙骨は、気弱な性格でクラスでもいじめられていました。
いつか里香ちゃんに心配されないくらいの人になりたいという乙骨の想いが表現されているように感じました。
「涙が溢れそうな夜を埋め尽くす」という不安を感じている心が、「輝く夢となる」と言う歌詞で、少し希望が見え前向きになっている様子が伺えます。
一途もそうした作りでしたが、曲の裏主人公を夏油さんと見た時、「頼りの無い僕もいつか何者かに成れたなら」という歌詞が、学生時代から天才的な才能を開花させていた五条さんの相棒として一緒に戦いたいという夏油さんの願いとして捉えることもできますね。

非術師を滅ぼそうとする夏油さんは、12月24日に百鬼夜行という名の大量虐殺を企てます。
この部分の歌詞は、百鬼夜行当日のシーンを表していると考えました。
吐く息が白くなるほど寒い12月、「あの日重ねた手と手」とは、乙骨さんと里香ちゃんが結婚の約束をしたときの指切りを指しているのではないでしょうか?
遠い昔のように感じる二人の約束、里香ちゃんは呪霊として取り憑いていますが、あの日の温もりはありません。
「春はいつだって 当たり前の様に 迎えに来ると そう思っていたあの頃」
これは、11歳の時交通事故で亡くなってしまった里香ちゃんとの関係を表しているように感じました。
当たり前にあると思っていた時間でも、永遠に続くことはなく、いつかは終わってしまう。
映画の内容に限らず、日常生活においても大切なメッセージですね。
また、この部分の歌詞に関しては、King Gnuの代表曲『白日』の一節との関わりを指摘する考察も見られました。
また出逢えたら 君の名前を 呼んでもいいかな その頃にはきっと 春風が吹くだろう
白日は、亡くなってしまった友人への想いを歌ったが曲ですが、里香ちゃんを失ってしまった乙骨さんの心情と重ね合わせることもできますね。

タイトル『逆夢』は、夢で見たことと反対のことが起こったときのことを表す言葉です。
対して正夢は、夢で見たことがそのまま起こることですね。
「瞼閉じれば 夢はいつだって 正夢だと信じてたあの頃」という歌詞は、何もかも自分の思い通りになると信じていた子供の頃を指しているのだと思われます。
『一途』の一節でも出てきましたが、乙骨さんは自分の生きる意味、生きてる証を見つけるために戦っています。
里香ちゃんという呪いを背負いながらも、二人でどこまでも飛躍していこうという強い想いが感じられました。

「愛と憎」という相反するふたつの心を聢と(しかと)つなぎとめる。
愛するがゆえに呪霊となって取り憑いてしまった乙骨さんと里香ちゃんの関係性を表しているのでしょうか?
呪術高専に入る前は、その強大な力で周囲の人間を傷つけてしまっていた二人。
その過去を「荒んだ夢」と表現しているように感じました。
裏主人公・夏油さんの目線で見ていきましょう。
元々は、非術師を守るのは呪術師の使命だと考えていた夏油さんでしたが、ある出来事によってその考えが変わってしまいます。
まさに、愛が憎に変化した瞬間ですね。
愛していたがゆえに、憎む気持ちも一層強くなってしまいます。
そこから夏油さんの「一生涯醒めない程の 荒んだ夢」が始まったのです。
「凍える夜空を 二人で抜け出すの」という歌詞は、乙骨さんと夏油さんを指しているのでないかと考えました。
もちろん、乙骨さん&里香ちゃん、夏油さん&五条さんなど、いろいろな「二人」が考えられますが、「荒んだ夢」を見ている乙骨さん、夏油さんの二人が、その呪縛から解放されたいという願いのように聞こえました。
敵対している二人にも、それぞれの想い、葛藤があり、醒めない夢から逃れようと苦しんでいる。
映画の根幹を示す重要な部分であると感じました。

この部分の歌詞も乙骨&里香、夏油&五条どちらも当てはまりますね。
当たり前のように隣りにいると思っていた存在でしたが、突然離れることになります。
世の中には当たり前のことなどないんだという呼びかけのようにも聞こえますね。
「失くせやしない 記憶の雨が古傷へと 沁み渡ろうとも」は、夏油&五条ペアの色が強い歌詞です。
古傷とは、夏油が考えを変える原因となったある任務のことでしょう。
五条と過ごした楽しい時間、非術師を守ろうとしていた自分の記憶が、古傷と矛盾を生んだとしても、非術師への憎しみは消すことはできない。
百鬼夜行実行への強い想いが読み取れます。

「記憶の海を潜って 愛の欠片を拾って」里香ちゃんとの思い出を回想している様子が浮かんできます。
常田さんの言葉選びのセンスが爆発していますね。
『愛ほど歪んだ呪いはないよ』という五条さんの言葉の通り、愛と呪いはどちらも相手を強く思うという点で非常に似ています。
里香ちゃんに対する愛が呪いに変わり、その呪いによって身体が蝕まれようとも、自分は愛し続けるという乙骨さんの強い想いが読み取れる歌詞です。

ラストの一文では、これまで歌ってきたことが「正夢でも、逆夢だとしても」進み続けようという想いが歌われています。
一途に思い続けた二人は、たとえその出来事が正夢でも、逆夢であったとしても、お互いを想いながらずっと一緒にいるという絆の強さが表現された一節です。
映画館で聴くと泣いてしまうこと間違い無しの、感動バラードでした!

1ヶ月無料で音楽聴き放題!
通常880円/月のAmazonMusicUnlimitedが今なら1ヶ月で体験可能!
この機会に聴き放題サービスをお試ししてみよう!
いつでも解約OK!
さいごに
いかがでしたか?
サプライズで発表され、ファンの人にとっては嬉しいクリスマスプレゼントだったのではないでしょうか?
映画の内容も楽しみですね!