Official髭男dism(ヒゲダン)「最後の恋煩い」の歌詞の意味を考察します。
メジャー1st(通算2nd)アルバム「Traveler」(2019年10月)の収録曲で、山本美月さん主演のドラマ「あと3回、君に会える」(2020年3月)の主題歌に起用されました。
藤原聡さんが作詞・作曲した「最後の恋煩い」の歌詞をチェックしましょう。

最後の恋煩い 歌詞考察!
最後のケンカを繰り返している
最後の恋煩いを始めよう
最後の恋煩い / 作詞・作曲:藤原聡
何度も「これが最後」って言いあおう
タイトルにもなっている「恋煩い」とは「恋に悩むこと」。
恋についての悩みはできるだけ少ないほうが幸せのような気もしますが、恋人同士でまったくケンカせず、何もかも大満足というわけにはなかなかいかないものです。
それなら恋に悩みはつきものだという前提に立って、「最後の悩み」や「最後のケンカ」を繰り返しながら一緒に生きていきたいということ。
恋人同士の悩みやケンカは「これで最後」と思いながらも結局繰り返してしまうものであり、お互いに不満をため込んで何も言わなくなるくらいなら、どれほどケンカしても本音で向き合う間柄でいたいといった考え方が伝わってきます。
目を閉じたって 見落とせないだろう
最後の恋煩い / 作詞・作曲:藤原聡
日々の呼吸が乱れだす瞬間
まあいっかなんて放っておいたら
真っ逆さまジ・エンド
それだけは回避しなくちゃな
なぜ歌物語の語り手が冒頭の歌詞のようなことを言い出したのかというと、相手の言動に「見落とせない」不満の兆しを感じ取ったからでしょう。
「ジ・エンド」は恋愛関係が終わることを意味していて、別れることだけは避けたいという語り手の意図が浮き彫りになっています。
たしかに別れは突然訪れるわけではなく、少しずつ関係性がほころんでいるにもかかわらず、修復せず放置した結果として現実になるものです。
小さな問題が起きた段階で、早めに向き合うことが大切になるでしょう。
特大の罵声も 受け取るからいっそ
最後の恋煩い / 作詞・作曲:藤原聡
いい人なんてやめちゃえよ
生前贈与の冊子の表紙を飾るような年頃になっても
全てを語らいあう2人でいたい
女性は男性に対して不満があるような態度をとっていても、まだ何も言葉にしていない状態なのでしょう。
なるべくケンカをしないほうがいいと思って、女性は我慢しているのかもしれません。
そこで男性は「罵声」を吐く「悪い人」になっても構わないから、不満をぶつけてほしいと願っています。
「生前贈与」とは「生きているあいだに財産を贈ること」。
夫婦関係を長く続けた晩年に、お互いの老後を考えて行うケースが多いでしょう。
要するに「年をとってもお互いに本音を語り合いながら一緒にいたい」という話。
銀行員の経験がある藤原聡さんらしいワードチョイスですね。
最後の恋煩いを始めよう
最後の恋煩い / 作詞・作曲:藤原聡
「うんざりだよ これだからもう!」 って言いながらも
笑みがこぼれる 何度も「これが最後」って言い合おう
最後の意味がすり減ってゆくこと
幸せの意味みたいに 思えた 僕ら
どれほど「これが最後」と覚悟しても、相変わらず悩みやケンカを繰り返してしまうので、結局「最後」の真実味が薄れるという展開です。
男性はそこまで含めた一連の流れをずっと続けていこうと女性に語りかけているので、ある意味プロポーズとも受け取れます。
ケンカするほど仲がいい証とも考えられるので、これこそ「幸せの意味」と実感する男性に共感する人も多いのではないでしょうか。
別れる可能性もある?
慣れたふりで やり過ごせるほど タ
最後の恋煩い / 作詞・作曲:藤原聡
フな心なんてない 一切合切
堪え続けた後で 勝手にオーバーヒート
それは理不尽すぎるなあ
しかし現実問題「恋煩い」は面倒なものです。
男性は女性に対して「罵声」を吐く「悪い人」になってもいいと言っていましたが、実際に女性が我慢を重ねた挙句「オーバーヒート」すると、男性は「理不尽」だと感じてしまいます。
おそらく男性にも女性にもそれなりの言い分があり、ケンカをするとお互いにダメージを受けざるを得ません。
最初に悩んでいたのは女性だけかもしれませんが、本音をぶつけ合ったことで男性側にも悩みが生じました。
断腸の思いを投げ合うのはきっと
最後の恋煩い / 作詞・作曲:藤原聡
僕らだけが持ち合わせた専売特許
とは言っても常識の範囲を超えてしまいそうだと
頭を両手で抱えて ooh!!
「断腸の思い」は「非常に苦しく悲しい思い」、「専売特許」は「特許、特技、十八番」といった意味です。
恋人同士のように親しい間柄だからこそ何でも言い合える側面もありますが、「親しき中にも礼儀あり」の枠を大幅に超えた「罵声」が飛び交う状況は受け入れがたいでしょう。
最後の恋煩いを始めよう
最後の恋煩い / 作詞・作曲:藤原聡
「似たようなこと 前あったよもう!」って言いながらも
どこか不可解で 今夜も儚い迷い星に問う
最後の意味が増してきて 眠れない
夢の波間に残されて立ち尽くしている
平常時はお互いに本音を語り合う間柄でいたいと願うものですが、実際に不満を吐き出されるとダメージを受け、もしかしたら本当にこれが「最後の恋煩い」になり、別れる結果に結びつく可能性すらあると「眠れない」夜を過ごしています。
状況次第で「最後の意味」が弱まったり強まったり、変化してしまうところがいかにも「恋煩い」らしいですね。
どうにか無事に乗り越えると、結局「最後」を繰り返していると笑い話にもなりますが、果たしてどうなるのでしょうか。
やんちゃな終身派とは?
突然に一瞬だけ光って 消える綺麗な
最後の恋煩い / 作詞・作曲:藤原聡
思い出より やんちゃな終身派
しょうもない事でも ご愛嬌
「終身派」は、期間限定の「定期保険」に対して一生涯続く「終身保険」のような、元銀行員の藤原聡さんらしい表現ではないでしょうか。
恋愛に関しては、期間限定(一瞬だけ光る、その場限り)の「定期派」のほうが「やんちゃ」で、一生涯続く「終身派」のほうが堅実な気もしますが、男性の考え方はその逆です。
いつか終わりがくる恋愛関係より、生涯添い遂げる結婚を望むほうがむしろ無謀という発想なのかもしれませんね。
最後の恋煩いを始めよう
最後の恋煩い / 作詞・作曲:藤原聡
「うんざりだよ これだからもう!」て言いながらも
笑みがこぼれる
何度も「これが最後」って言い合おう
最後の意味がすり減ってゆくこと
幸せの意味みたいに 思えた 僕ら 大丈夫だな ooh, ooh, ooh
最終的に「大丈夫だな」の一言が加わりました。
本気で「最後」かもしれないと怯えた「恋煩い」もどうにか乗り越えられたようです。
たしかに「綺麗な思い出」だけではない「やんちゃな終身派」でしたね。

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さいごに
ヒゲダンのラブソングは、大人の恋愛というか人間愛が描かれているところが幅広く受け入れられる理由ではないでしょうか。
おかげでヒゲダンとリスナーの関係も「やんちゃな終身派」として末永く続く効果があるように感じられます。