mol-74(モルカルマイナスナナジュウヨン)「Replica」の歌詞の意味を考察します。
アニメ「ブルーピリオド」(2021年10月~)のエンディングテーマに起用された楽曲。
ボーカル&ギター&キーボードの武市和希さんが作詞、mol-74が作曲した「Replica」の歌詞をチェックしましょう。
アニメ「ブルーピリオド」の概要
原作は、2017年6月から「月刊アフタヌーン」(講談社)で連載中の山口つばささんの青春漫画。
世渡り上手の高校2年生・矢口八虎(やぐち やとら)が、国内最難関の美大・東京藝術大学を目指して受験に励むアート系スポ根物語です。
Replica 歌詞考察!
レプリカのような生き方から脱したい?
漫画&アニメ「ブルーピリオド」の主人公・八虎は成績優秀な不良で、1枚の絵に心を奪われ美術にのめり込むまでは、リア充なのに虚しい日々を過ごしていました。
こうした八虎の心情に寄り添った歌詞です。
誰からも好かれるクラスの人気者ですが、愛嬌を振りまくのが上手なだけで、どこまで行っても交わらない「平行線」のような空虚さを抱えています。
どれほど成績が優秀でも、その先の夢や目標がなければ何のために努力しているのかが曖昧になり、達成感が得られないという事態に陥るもの。
こうした虚しさが「平行線」として絵画のように表現されています。
勉強や人間関係など、何らかの判断基準でレベルが高いとしても、本当に充実しているかどうかは本人次第です。
自分で考えて行動するより、他人の言いなりになるほうが楽で波風が立たないという側面もあるでしょう。
そんな「操り人形」のような存在に「もたれかかる」状況だと、自分の意思はまったくありません。
何事も卒なくこなすだけでは満足感は得られないことに気づくかどうかがポイントです。
タイトルにもなっている「レプリカ」とは、オリジナルの「模写、複製」のことです。
本物はこの世に一つしかありませんが、偽物のコピーなら量産できます。
自分の思いどおりに行動した果ての「ハッピーエンド」なら、何よりも嬉しく感じるはず。
ところが自分らしさを見失った偽物のような状態では、どれほど他人から幸せそうに見えてもありがたみを感じることができないでしょう。
優秀すぎて「劣等感」をうらやましいと思うほどこじらせています。
それでも将来に夢を抱いているので、本当は自分らしさを取り戻したいと思っているはず。
つまり「終わり」にしたいのは「自分らしくない誰かのコピーのような生き方」でしょう。
他人との比較では満たされない
2番になっても「平行線」は続いています。
「山あり谷あり」の人生のほうが、退屈せずに過ごせるかもしれませんね。
まわりで何が起きても関わらないようにしていると、感情の起伏がなくなってしまいます。
大変なことが起きたときは穏やかな日々のありがたさに気づきやすくなるものですが、ずっと「静止画」のような暮らしのままだとますます生きている実感がわかなくなるでしょう。
そんな自分の生き方を客観視して「滑稽」だと認識できれば、いつかはダイナミックな動画のような人生に切り替わるのではないでしょうか。
「過去問」という言葉が出てくるところが受験生らしいですね。
「君」とは「Replica」を聴いているリスナーのことでしょう。
八虎の心情に寄り添いつつ、八虎と同じような虚しさを抱えているリスナーに向けて、mol-74なりのメッセージを伝えようとしています。
リスナーも八虎も、「操り人形」や「レプリカ」のままでは喜怒哀楽すべての感情をほとんど失ったような状態に陥ってしまうでしょう。
無気力な状態が続いていることを自覚して、どうにか自分らしさを取り戻したいところです。
「優越感」は「劣等感」の裏返し。
どちらに振り切っても、ネガティブな状態が心地よいと感じていることに変わりはありません。
他人と比較して落ち込んだり舞い上がったりしても、自分自身が変わったわけではないことに気づくと我に返るはず。
ともあれ「明日に夢を抱いている」ところが唯一の救いでしょう。
「操り人形」や「レプリカ」のまま「平行線」の人生を続けていくのかと問われ、ドキッとした人もいるかもしれませんね。
自分で世界を変えよう!
具体的な目標は決まっていなくても、「未来」に対して夢や希望を抱いていたいという思いがあるなら大丈夫!
八虎が1枚の絵をきっかけに美術の道へと進むようになったみたいに、ふとしたことで変わる可能性もあります。
mol-74からの問いかけやメッセージに心を揺さぶられた人も多いでしょう。
「操り人形」や「レプリカ」のような生き方から脱するためには、目や口を開けること、「平行線」ではなく仲間と関わること、誰かと比較したり他人に期待したりせず、自分で世界を変えることが大切です。
もちろん「明日に夢を見る」ことも。
「Replica」を聴いているうちに、リスナー自身の偽物の部分(レプリカ)もはがれ、本物の自分らしさを取り戻せたのではないでしょうか。
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さいごに
「Replica」がリード曲となっている3rd EP「Replica」(2021年11月24日)も併せてお楽しみください。