2013年3月20日に発売された「RE:I AM」について考察していきます!
機動戦士ガンダムUCのEP6「宇宙と惑星と」の主題歌としても注目されたこちらの曲。
Aimerファンの方のみならず、ガンダムファンの方もご存じの方は多いのではないでしょうか。
作詞作曲は澤野弘之さんが手掛けており、Aimerへの感謝のから、名前のアナグラムでこの曲名にしたんだとか。
実際、この曲をきっかけに後の「StarRingChild」などAimer×澤野弘之という組み合わせは最強タッグとしても知られることとなりました。
この曲のどこがガンダムファンの方の心を掴んだのか?
では、歌詞の考察を始めていきましょう!

RE:I AM 歌詞考察
聞きたかったこと、言いたかったこと
Please hear me
出典:Re:I AM / 作詞・作曲:澤野弘之
I want to tell you
Please sing to me
I wanna hear your voice
「ねえ、聞いて。あなたに伝えたいことがあるの。ねえ、歌って。あなたの声が聞きたいの」
冒頭から英語で語りかけるようなメッセージから歌は始まります。
しかし、これ以降の歌詞で明らかになりますが、この曲は志半ばで戦いの最中、命を落とした仲間たちに向けられた曲なのです。
こうした呼びかけに答えてくれることはありませんが、それでも声をかけずにはいられない哀切な心情が伝わってきます。
時の鼓動がまだ響く間 裸の言葉胸に閉じこめた
出典:Re:I AM / 作詞・作曲:澤野弘之
記憶の色が滲み始める 破れた世界の隅で
何も求めずにただ抱き寄せる 今の僕にはそれしか出来ない
震えた強がりでもプライドに見える 逸れた子供のように
「時の鼓動がまだ響く間」はまだ生きていた時を、「裸の言葉胸に閉じこめた」は何らかの伝えたかったメッセージを言葉にはしなかったことを指しています。
生きている間に伝えられなかったことがあるようですね。
「何も求めずにただ抱き寄せる 今の僕にはそれしか出来ない」
まさに息絶えた瞬間、その身体を抱き寄せる瞬間が思い浮かびます。
辛い現実ばかりが続いて、記憶も段々と曖昧に滲んできているようです。
最後の声さえも 風がさまようせいで消された
出典:Re:I AM / 作詞・作曲:澤野弘之
月に手を向けたまま 君は空の星に消えた
仲間が最期に言いたかった言葉さえ聞き取れなかった悲しみは、もはや計り知れません。
月に手を向けるのは何かを掴み取りたかったからでしょうか。
何かを夢見て、追い求めた結果仲間は星の一つになったのです。
残された人間はもはや真実を知ることはできず、想像することしかできません。
「側にいて」と抱きしめても もう2度と聞こえない君の歌声は
出典:Re:I AM / 作詞・作曲:澤野弘之
降り注いだ雨のサイレン 僕の代わりに今この空が泣き続ける
どれだけ抱きしめても、想いを寄せても命を吹き返すことはない残酷さが描かれています。
主人公の泣き出したい気持ちを代弁するかのように、空からは雨が降り注ぐ様子が思い浮かびます。
表面的なものでは癒えない悲しみ
これまで踏みつけてきた教えを 今掻き集めこの胸に当てても
出典:Re:I AM / 作詞・作曲:澤野弘之
救い求め歌うようなお遊戯に見える 物語る大人のように
仲間を失うことになった戦場。
その戦場に行くまでに教官をはじめとする様々な大人たちから、戦い方や心得などの教えを受けます。
それら全てを搔き集めてみても、今の状況に役立つものは見当たりません。
それどころか、まるでお遊戯のようにすら思えると主人公は言っています。
強い悲しみの淵から立ち直る方法など、大人もまた知らないのです。
戦うことで身体を強くすることはできても、辛い時にどうしたらいいかという心の強さまでは教えられないのです。
言葉に寄り添うだけの 空の愛と導きはいらない
出典:Re:I AM / 作詞・作曲:澤野弘之
飾られた祈りでは 明日の手掛かりに触れない
表面的な導きや教えならもういらない。
誰かのために捧げる祈りではなく、自分の保身のための祈りなんて明日には繋がらない。
そんな強い否定的なメッセージを感じます。
絶望の最中にいる主人公が今欲しているのは、表面的・形式的なものではなく、本質的な救いです。
いつか君に届くはずの 名も無き幼い詩(し)が描くわがままを
出典:Re:I AM / 作詞・作曲:澤野弘之
忘れたいよ一度だけ 眠れぬ悲しみがその詩(うた)を抱きしめてる
仲間に伝えたかった想い、伝えられなかった悔しさを嘆いています。
名前すらない詩を、感情を膨らませ続けた結果、それを伝えることすらできず永遠の別れを告げてしまった。
「忘れたいよ一度だけ」
一度も忘れたことなどない、という裏返しでもあります。
仲間に捧げたかった詩、仲間を失った今贈ることもできず、かと言って手放すこともできないどうしようもない心境が伺えます。
前に進むことも後ろに戻ることもできない、ただただ悲しみに暮れる様子が目に浮かびます。
今の仲間を、生活を守るために
Freezing cold shatters my sorrow
出典:Re:I AM / 作詞・作曲:澤野弘之
And scorching sand puts it together again
「凍り付くような寒さが悲しみをも粉々にし、焼け付くような砂粒が再び悲しみを呼び戻す」といった意味合いだと思われます。
春夏秋冬、時間が過ぎても悲しみの傷が癒えないことを表していると思われます。
投げ捨てられる正しさなら 消える事ない間違いの方が良い
出典:Re:I AM / 作詞・作曲:澤野弘之
臆病に隠してた声を今 この手でもう一度さらせば良い
「投げ捨てられる正しさなら 消える事ない間違いの方が良い」
素晴らしいフレーズですね。
たとえ正しいことであっても薄っぺらいよりは、間違っていても消えることのない意味あるものの方がいいということだと思います。
この一文がこの曲の全てを凝縮していると言っても過言ではないかもしれません。
「臆病に隠してた声を今 この手でもう一度さらせば良い」
過去をもう一度やり直すことはできませんが、また新たな方法でやり始めることは可能です。
伝えられなかった想い、そのまま気持ちにフタをしようとしていたこと…
それらは自分の意思次第で解決するかもしれないのです。
掴む軌道も咲く光も 乾いた心のせいでモノクロに見えた
出典:Re:I AM / 作詞・作曲:澤野弘之
忘れないよ今日の景色を ありふれた願いが足元を照らしてくれる
心が満たされない状態と満たされた状態では、見える景色も見え方も全く違ってきます。
「掴む軌道も咲く光も 乾いた心のせいでモノクロに見えた」
たとえ目の前にあるものが素晴らしいものだったとしても、それを写す目が乾いていれば色褪せてしまいます。
「忘れないよ今日の景色を ありふれた願いが足元を照らしてくれる」
大切な仲間を失った今、これ以上仲間を失いたくない。
大切な人たちを守りたいという前向きな気持ちが最後に芽生えます。
大切な人を失った悲しみが、大切な人を守るという強さや愛に変わるんですね。

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さいごに
悲しみの深淵、まさに絶望と言うべき感情を深く表現した曲だと感じました。
歌詞もさることながら、曲のアレンジも雰囲気を盛り立てており、そこにAimerさんの歌声が乗っかることで、生で聞いたら涙が止まらなくなりそうです。
ガンダムのストーリーにもなぞらえたものとなっているので、アニメファンの方はそれも相まって余計に泣けてくるかもしれませんね。
ガンダムファンの間でも話題になった理由が少し分かった気がしますよね。