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落日【東京事変】の歌詞を考察!喪失を光に変える不朽の名作

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今回は2012年8月29日に発売されたカップリングアルバム『深夜枠』に収録された、東京事変の不朽の名曲『落日』の歌詞を考察します!

「落日」とは「沈みゆく太陽」を指す言葉。

太陽が沈むと暗くなるように、大切な存在を失った悲しみを表現しているのでしょう。

『落日』が誕生した際、東京事変は、ギター・コーラスの晝海幹音(読み:ヒラマミキオ)、キーボードのH是都M(読み:えいちぜっとえむ)が脱退した時期でした。

また椎名林檎は、飼い猫を亡くしてしまい、その気持ちを『落日』にしたという説もあります。

椎名林檎の喪失感が悲しく色鮮やかに描かれ、今もなお大人気を誇る楽曲です。

そんな『落日』の歌詞を考察していきます!

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『落日』歌詞考察

季節を一緒に過ごしてきた「君」へ

君は産まれ僕に出会い春を憂い秋を見た
記憶を辿る過程であどけない君の写真に
認めたのは僕が所詮季節すら知らない事
現在では声を失くした君だけが映す月花

優しいピアノの音で始まる冒頭。悲しみと喪失感を癒すような音階がリスナーに響きます。

”君は産まれ 僕に出会い”

このフレーズから「君」は、恋人や友人ではなく、主人公の前で出生した人物(たとえば子どもやペット)を想っているように思えますね。しかしここはリスナーの解釈に委ねられるでしょう。

既に主人公の前から姿を消している「君」を、主人公は回想しています。

「春」「秋」に言及されているのは、短い季節すらも共に過ごし堪能したことを表現しているのでしょうか。

「君」の写真を見た主人公が”認めたのは僕が所詮季節すら知らない事”だと自嘲気味に言います。

ここでは

・一緒にいる時間が幸せ過ぎて時間の経過すら忘れてしまったことへの自嘲
・時間が経てばいずれ「君」が居なくなってしまう事実を見失っていた呆れのような感情

が感じられます。

「月花」とは「特別に可愛がること」を意味します。

今はもういなくなってしまった「君」への愛情だけが宙に浮遊し、主人公の心はあてもないその気持ちに打ちのめされているのでしょう。

悲しみをそっと抱く

「当てにならないことばかり」って
嘆いたこの舌の根でさえも
乾く前に期待を仄めかす
まるで手応えの得られぬ夜
また一つ小さく冷えていく生命を抱いた

主人公は”「当てにならないことばかり」”と誰かから言われたのでしょうか。

今の喪失感の原因になった人物とのやりとりの中で、期待や裏切りを何度も感じ、絶望してきたのでしょう。

自分がどんなに頑張っても前進していかない現実、大事な存在が去っていく事実に抵抗できるわけもなく、主人公は途方に暮れます。

自身が手塩にかけて育てた何かの生命を、そっと抱き、悲しみを心に溶かしていくのです。

確実にそこにいた事実がもたらす救い

雪に生れ何時も笑い雨を嫌い此処に居た
確かなのは只唯一君のさっき迄の温もり

「君」を何度も振り返る主人公。

”雪に生れ 何時も笑い 雨を嫌い 此処に居た”

この歌詞からは「君」の像がありありと伝わってきます。

一方で、東京事変のデビュー曲『群青日和』を彷彿とさせる「寒い冬」のイメージがあります。

こうした部分からも、脱退したメンバーへのメッセージと解釈されているのかもしれません。

主人公は「君」を無くしたことから、どこかぼんやりとしてしまっていますが、確実にあった”君のさっき迄の温もり”だけはしっかりと感じ取っています。

誰かを失った時、どれだけ悲しくてもその人がそこにいた事実だけは変わりません。

そんな事実がリスナーを励ます一節ですね。

「別れ」と諸行無常

「何が悲しい?」と尋かれたって
何も哀しんでなど居ないさ
丁度太陽が去っただけだろう
微かな希望と裏腹に
ごく当たり前の白け切った夕日を迎えた

一見、主人公が強がっているように見える歌詞です。

しかし椎名林檎はよく「諸行無常」(万物はいつも流転し、変化・消滅がたえないことを意味する仏教用語)にまつわる歌詞を書く達人。

大切な存在を失っても、それと必ず「別れ」を迎える事実を淡々と受け入れています。

そのような悲嘆との向き合い方を”ちょうど太陽が去っただけだろう”と表現します。

当たり前にあるものは、当たり前のように消滅していく。

その事実にしっかりと向き合うことで、心を癒しているのだと思います。

一筋の光に希望を見出す

独りきり置いていかれたって
サヨナラを言うのは可笑しいさ
丁度太陽が去っただけだろう
僕は偶然君に出遭って
ごく当たり前に慈しんで 夕日を迎えた
さあもう笑うよ

”サヨナラを言うのは可笑しい”のは何故でしょう?

それは前節と同じく「別れ」は当然訪れるべきものであるとコペルニクス的転回の思考で喪失を受容しているからでしょう。

主人公にとっては、「君」との出会いも、愛情もすべてが偶然のもの。

だから「別れ」も偶然訪れるのだ、と考えているのかもしれません。

「何一つとして最初から自分のものではない。だから離れて行っても当然なのだ」

そうした釈然とした心情が通底しています。

主人公の表情が笑みに変化するラストです。

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おわりに

いかがでしたか?

東京事変の中で最も優しい旋律で奏でられている『落日』。

東京事変の初心者に聴いてほしい一曲です!

「再生」した今後の活動にも目が離せません!

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