セカオワことSEKAI NO OWARI「プレゼント」の歌詞の意味を考察します。

プレゼント 歌詞考察
自分を嫌わないで!
「知らない」という言葉の意味
間違えていたんだ
知らない人のこと
いつの間にか「嫌い」と言っていたよ何も知らずに
出典:プレゼント / 作詞:Saori 作曲:Nakajin
知ろうともしなかった人のこと
どうして「嫌い」なんて言ったのだろう
流されていたんだ
第82回「NHK全国学校音楽コンクール」(通称:Nコン)中学校の部の課題曲「プレゼント」。
NHK「みんなのうた」(初回:2015年8月~9月)にも起用されました。
Nコンの楽曲指導経験者Saoriさんが作詞した歌詞には「中学時代の自分へのプレゼント」といった意味が込められています。
思春期にはさまざまな悩みがあるものですが、なかでも人間関係がうまくいかない人もいるのではないでしょうか。
好きな人ばかりだと毎日楽しく過ごせそうな気がしますが、どうしても相性が合わないと感じることもあるものです。
ただ、語り手は「よく知らない人のことを嫌いと言っていた」と後悔しています。
「あまり知らない人なのに、誰かが悪口を言うから、何となく自分も嫌いだと思い込んでいた」のかもしれません。
とくに学校生活では集団心理が働き、仲間はずれが問題になりがちです。
そういった側面を「流されていた」と表現しているのかもしれません。
「知らない」ことは怖いから
出典:プレゼント / 作詞:Saori 作曲:Nakajin
醜い言葉ばかり吐き出して誤魔化して
自分のことまで嫌わないで
思春期にさまざまな葛藤と直面するのは成長の証ともいえますが、実際にはイライラしたり、落ち込んだり、ネガティブな感情にとらわれることもあるものです。
「知らないから怖い、嫌い」と拒否するのは、防衛本能のようなものかもしれません。
だからといって「醜い言葉を吐く」などの行為は、他人を攻撃しながら「自分」を傷つけることにもなりがちです。
他人を受け入れられないときは、結局「自分が嫌い」の裏返しであることも多いでしょう。
まず「自分を好きになる」ために「楽しい言葉を言いたくなる」ことをすると、好きな人ばかりの毎日になるかもしれません。
ひとりぼっちになりたくない
ここにいてよ
その言葉言えなくって
心閉ざさないでひとりぼっちにさせないから
出典:プレゼント / 作詞:Saori 作曲:Nakajin
大丈夫だよ
その言葉返せるように
強くなりたい
1番のサビです。
孤独を感じやすいのも思春期の特徴といえるでしょう。
たとえば「まわりと同じように、特定の誰かを嫌いと言わなければ、自分が仲間はずれにされるかもしれない」といった恐れもありがちです。
それでも大人になったSaoriさんやセカオワのメンバーたちは、中学時代の自分に向かって「大丈夫だよ」と言えるように「強くなりたい」と願っています。
何もかも「嫌い」と殻に閉じこもるのは、本当は孤独が「怖い」からかもしれません。
そうやって悩んでいるときに、同じような葛藤を経験したことがある大人に「ひとりぼっちにさせない」と言われたら、心強いのではないでしょうか。
好きに生きていい!
「人生」のこと
あまりにも問題ばかり起きるから
難問解決プログラムなのかと思っていたけれど気付いたんだ
出典:プレゼント / 作詞:Saori 作曲:Nakajin
「プレゼント」みたいなものなんだって
何十年か好きに生きていい特別なプレゼント
「人生」は「難問解決プログラム」ではなく、「プレゼント」だと「気付いた」という展開です。
これこそ「楽しく生きる秘訣」といえるでしょう。
たしかに「人生の問題点」ばかりに着目していると、「好き、嫌い」の「嫌い」、「ポジティブ、ネガティブ」の「ネガティブ」にとらわれがちになるでしょう。
ところが「プレゼント」をもらったと意識するだけで、途端に嬉しくなるのではないでしょうか。
しかも「好きに生きていい」という贈り物です。
そう考えると、「嫌い」などのネガティブな感情に執着する時間がもったいなくなるはず。
こうした「特別なプレゼント」を誰もが受け取っているところがすばらしいですね。
だから楽しみにしながら
出典:プレゼント / 作詞:Saori 作曲:Nakajin
ゆっくり開けたら良いんだ
自分自身にその言葉を贈るよ
いつも忘れちゃうから
「プレゼントみたいな人生を、楽しみながらゆっくり開ける」という発想にワクワクさせられます。
おまけに「いつも忘れるから自分に贈る言葉」という点がお茶目です。
「人生」そのものが「プレゼント」であり、そう考えるという「言葉」も「プレゼント」になっていますが、いずれにしても「忘れがち」なので「自分に言い聞かせるように贈る」のでしょう。
大人になっても落ち込んだり、まわりに振り回されたり、孤独を感じたりすることはあるもの。
つまり「人生はプレゼントだと気づいても、楽しむことを忘れて悩みがち」という話です。
この後、1番のサビが繰り返されます。
いま君のいる世界が
出典:プレゼント / 作詞:Saori 作曲:Nakajin
辛くて泣きそうでも
それさえも「プレゼント」
だったと笑える日が必ず来る
何らかの「問題」に直面しているときは、それが「プレゼント」だとはとても思えないかもしれませんが、時間が経つと「ありがたい体験だった」と感謝することもあるものです。
「苦労しないとありがたみがわからない」という感覚も、実際に体験しないとわからないのではないでしょうか。
それでも「笑える日」を経験したことがある人は「必ず来る」というでしょう。
この辺りが「人生」のおもしろいところですね。
ひとりぼっちになって
気付いた
本当は大切な人がたくさん
いるんだってことがひとりぼっちにさせないから
出典:プレゼント / 作詞:Saori 作曲:Nakajin
大丈夫だよ
その言葉返せるように
強くなりたい
ラスサビです。
人間は「孤独を感じないと、大切な人の存在に気づかない」ものかもしれません。
本当は誰かに愛されているのに「誰にも愛されていない」と思い込むケースもあるでしょう。
あるいは誰かに愛されていても、「誰しも自分の考えることしかわからない」などの観点から「人間は本質的に孤独な生き物である」ともいえます。
逆に「生きるだけで誰かの世話になっている」と考えると、「ひとりぼっちの人はいない」という話になるでしょう。
考え方次第なので、「心を閉ざすより、ゆっくり開ける」ほうが「人生」という「プレゼント」を楽しめるのではないでしょうか。
セカオワの「大丈夫」という言葉がありがたいですね。

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さいごに
「プレゼント」には「贈り物」以外にも、「存在する」や「現在」といった意味もあります。
「誰もが存在するだけで宝物」と考えることもできるでしょう。
苦労が感謝に変わる「笑える日」を楽しみに、「現在」を積み重ねていきましょう。