今回は、あいみょんの「プレゼント」の歌詞考察をしていきます。
この曲は2019年2月に発売されたメジャー2ndアルバム「瞬間的シックスセンス」に収録される形でリリースされました。
フジテレビ「めざましどうようび」のタイアップのために書き下ろされた曲です。休日の始まりの朝にふさわしい爽やかな曲ですね。
めざましどようびとタイアップする際に公開されたあいみょんからのメッセージには、
「弱った人、参った人、そんな人へ、私からのプレゼントです」とありました。
曲のイメージと同様、歌詞の内容もあいみょんからの爽やかな応援歌です。
この歌詞の意味について、読みながら考察を進めていきましょう。
プレゼント 歌詞考察
涙とは助けを呼ぶためのシステム。
こんなに近くに落ちている夢を
出典:プレゼント / 作詞・作曲:あいみょん
次から次へと蹴飛ばしている
やりたい事をやれない人達が
次から次へと沈んでく
やりたいことは、やろうと思えばできる。
夢はそこら中に転がっているのだから。
だけど、人々はそれを次から次へと蹴飛ばしてしまいます。
それは、「やらない」のではなく、「やれない」から。
本当は夢を手に入れて自分の理想の姿で生きたいのに。
あいみょんは、この辛さを「沈んでく」と表現しています。
まるで水の中に沈んでいくように。
先の見えない世界は暗い海の底のよう。
他人から与えられるプレッシャーは、水圧に潰されるよう。
息も出来ないような苦しさは、水に溺れているよう。
ただ生きることに精いっぱいで、日の光を浴びて深呼吸することさえできない。
世界はそんな人たちであふれています。
「知らない」で誤魔化せる日々は
出典:プレゼント / 作詞・作曲:あいみょん
きっと続かないから
ちょっとあなたにプレゼントあげる
どうしようもない現実から目を向けて生きること。
自分に嘘をついて生きることは出来ますが、ずっとそんな生き方をしていては疲れてしまう。
だから、疲れて嫌になってしまう前にプレゼントをあげる。
というあいみょんからのメッセージです。
こうして誰かの胸に
出典:プレゼント / 作詞・作曲:あいみょん
溢れそうな泉を作るよ
少しでも傷ができたらきっと
助けが来るシステムにしてあるよ
幾千年も前からこうして
涙を作っている
涙は弱いから流れるものではなくて、耐えられない時に助けを呼ぶためのシステム。
人が傷ついたとき、胸の泉の水があふれて、耐えられないと誰かにSOSを伝えるためのものです。
昔からそうやって、人は誰かに助けられて生きてきたんだよ。
そんなことを伝えてくれています。
でも、このシステムはあいみょんがくれたプレゼントではないと思います。
数千年前からあいみょんが涙を作ってくれていたの? と思ってしまいますが、あいみょんはさすがにそこまで長生きではないはずです……
プレゼントが何なのか、それは後でまた考察しましょう。
愛とはトキメキにぶつかった時に光るシステム。
サイズ違いのピースを拾いすぎて
出典:プレゼント / 作詞・作曲:あいみょん
次から次へと捨ててしまう
「やれる気がしない」と病んだ人達が
次から次へと沈んでく
サイズ違いのパズルのピース。
そんなものがいくらあってもパズルが完成することはありません。
無理やり入れようとしても、完成しかけている部分まで壊れてしまいます。
本当はやりたくない仕事だったり、全く合わない人との人間関係だったり。
自分の世界に上手くはまらない物や人との関係に悩んでは、全て捨てたくなってしまう。
そんな状況を、サイズ違いのピースに例えているのでしょう。
合わないものを合わないと言えない日々。
それはやはり、1番で言われていたように、水に沈むような感覚ですね。
そうして誰かの胸に
出典:プレゼント / 作詞・作曲:あいみょん
弾けそうなガラスを作るよ
小さなトキメキにぶつかったら
光る恋するボタンにしてあるよ
幾千年も前からこうして
愛を作っている
胸に弾けそうなガラスを持っていれば、小さなトキメキにぶつかった時に眩しく光る。
だから、どんなに病んでいたとしても、トキメキを見落とすことはないはず。
ずっと昔から、そうやって愛を育ててきたのです。
あいみょんがくれたプレゼント
その背中にはいつだって
出典:プレゼント / 作詞・作曲:あいみょん
立ち上がれる呪文を一つ
その唇にはいつだって
分け合えるような強さを二つ
忘れない 忘れないようにね
弱ったなら 参ったなら
あのプレゼント開けてもいいからね
涙が出るほど弱ったなら。
病んでしまうほど参ったなら。
その時に開けてもいいプレゼント。
では、あいみょんがくれたプレゼントは何だったのでしょうか。
これを読み解くカギは、この箇所の前半にあります。
「唇」「呪文」この辺りの言葉から連想できるのは、歌です。
背中には、立ち上がれる呪文を一つ。
疲れた誰かの後ろから、元気づける曲を歌ってくれるあいみょんの姿が浮かびます。
唇には、分け合えるような強さを二つ。
分け合って、強さは二つになります。
あいみょんがくれた力強い歌、そしてそれを口ずさんで強さを受け取る誰か。
プレゼントを開けるという行為は、CDを取り出してあいみょんの曲を聴いてみることだったり。時には口ずさんでみることだったり。
あいみょんのくれた曲の世界に身を寄せることです。
そうして心を動かし、息苦しさの中に光を当てることこそが「誰かの胸にあふれそうな泉を作るよ」だったり「誰かの胸に弾けそうなガラスを作るよ」という歌詞になるわけですね。
あいみょんのくれたプレゼントは、弱った時、参った時、きっと助けになってくれることでしょう。
決して、忘れてはいけません。
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さいごに
現代社会はとても生きづらく、自分ひとりの力で乗り越えるのが難しい場面も多々あると思います。
だけど、「そういう時も、決して一人ではないよ」と、そっと背中を押してくれるのがこの曲ですね。
あいみょんがくれた歌を歌うことは、あいみょんと強さを分け合うこと。歌を通して繋がっているんですね。
この力強いメッセージは、おそらくあいみょん自身が同じように誰かの曲に元気づけられた経験があるからこそなのかもしれません。
「幾千年も前からこうして涙を作っている」という通り、歌を通して繋がり、弱った人を元気づける行為は、はるか昔から受け継がれているのです。
幾千年前から繋がってきたメッセージ。
それをあいみょんが受け取り、そして次は、あなたに繋がっていく。
だから決してあなたは一人ではないし、幾千年前から、同様の悩みを持った何百人が見守っている、ということも出来る。
そのことを覚えておけば、きっと、もう少しだけ生きる辛さが減るかもしれませんね。