「Prayer X(プレイヤーエックス)」はKing Gnu(キングヌー)の1作目のシングルとなっており、2018年9月19日に発売されました。また、セカンドアルバムである『Sympa』にも収録されています。
この楽曲は、ノイタミナ枠で放送されたアニメ『BANANA FISH』のエンディングテーマに起用されました。
『BANANA FISH』には、アメリカのスラム街の少年アッシュ・リンクスと日本人学生である奥村英二という二人の主人公が出てきます。
この二人が問題にぶつかりながらも「バナナフィッシュ」の謎を探るという物語になっています。
King Gnuのボーカルを担当する井口さんはこのアニメの原作である漫画を幼い頃、夢中になって読んだのだと語っています。
また、本楽曲に対して
「物語の登場人物たちも現実世界の僕たちも、生きていく中で苦悩し、もがき、心の何処かで祈っています。その先に待っているのが絶望なのか救いなのかわからない。でも今は祈ることしかできない。『Prayer X』は誰しもが持つ葛藤と祈りの歌なんだと僕は思います。」
とコメントをしています。
Youtubeでは3200万回以上も再生をされており、大人気でたくさんの注目を浴びているKing Gnuの『Prayer X』の歌詞を考察していきたいと思います。

Prayer X 歌詞考察
タイトル『Prayer X』の意味とは
「Prayer」とは英単語であり、「祈り、祈る人」という意味を持ちます。
そして「X」とは方程式で未知数を示す記号となっていたり、特定できないものに対しても使ったりしますね。
つまり、タイトルの意味は「何かの祈り、何者かの祈り」という意味が込められているのではないでしょうか。
儚い人生で信じるものを求めて

MVにはピアニストのような主人公が出てきます。この部分の歌詞は主人公の心の中を表しているようです。
自分の命はこんなにも儚いものなのであれば、何を信じて生きていけばいいのか?という問いかけがされています。自分の人生について描かれている楽曲なのだとわかります。

「生まれ落ちた」というのは主人公が音楽の世界で生きるとした時のことだと考えられます。ただ自分で音楽をして生きていくために一生懸命になっていたのだと思います。
しかし、「胸に刺さったナイフ」という歌詞から彼はどこかに納得のいかない何かを抱えていることがわかります。そのナイフを抜くことができるかもしれないけれど、抜いてしまったら感情のコントロールができなくなってしまうことから恐れているのかもしれません。
消えない葛藤

MVでは主人公を支配しようとする「黒服」が出てきます。その黒服によって不本意な曲を作らされているのです。主人公の信者たちは「作られた主人公」を崇拝しており、それが主人公にとって違和感を感じる原因となっているのでしょう。
このまま言われるがままに支配されている人生でいいのかと葛藤をしている様子が綴られています。

信者たちに見せる笑顔の裏にはこれでいいのか疑う自分の気持ちが隠れています。
ここでの「生きるため」というのは音楽の世界で売れ続けていくためというように解釈できます。嘘の自分のせいでもう何が本当の自分だったのか見失ってしまう様子が描かれています。
それでもこの世界でうまくいくことを夢に見て、まだ諦めきれずに今日も空を眺めてしまうのです。
自分と音楽の人生

自分の音楽を必要としている信者に問いかけています。「脆く、儚い日々」というのは流行してはまた廃れていく音楽の世界のことを皮肉に歌っているのでしょうか。
そんな日々の中で自分のできることをして、不本意である音楽でさえも作ってきた。
それでも負の感情が消えないことに苦しみ、何を信じてこれから生きていけばいいのかと疑問に思います。

これからも音楽をして生きていくことに希望を捨てることができないのに、今のまま生きていくのは苦しい。
MVでは涙を流す主人公が描かれます。これは自分の感情をやっと出すことができ、胸に刺さっていたナイフを抜くことができたことを表しているのではないでしょうか。
やっと自分の気持ちに嘘をつかず主人公の大切な「音楽」に正面から向き合っていく気持ちになったのではないかと感じます。

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さいごに
今回は歌詞とMVを中心に考察をしました。
また、アニメの内容ともリンクするような歌詞となっているため、気になった方はぜひアニメも見られてはいかがでしょうか。