緑黄色社会(リョクシャカ)「大人ごっこ」の歌詞の意味を考察します。
1stアルバム「緑黄色社会」(2018年3月)のリード曲で、音楽番組「夢チカ18」のエンディングテーマ(2018年3月)、「音ドキッ!」のオープニングテーマ(2018年3月)に起用されました。
長屋晴子さんが作詞・作曲した「大人ごっこ」の歌詞の意味をチェックしましょう。

大人ごっこ 歌詞考察
大人ごっこはまだ早い?
明日になればこの夢は醒めてしまうの
出典:大人ごっこ / 作詞・作曲:長屋晴子
バスタブの泡は多過ぎて溢れる
頭サビから始まる「大人ごっこ」は、長屋晴子さんの女性友だちのエピソードが元になっているとのこと。
曲名から推察できるとおり、「大人っぽく背伸びしたい女性」の心情が描かれています。
その語り手の女性は「泡があふれたバスタブ(浴槽)につかっている状態」を「明日になれば醒める夢」だと捉えているようです。
いったいどのようなシチュエーションなのでしょうか。
黒いシャツが揺れてる
出典:大人ごっこ / 作詞・作曲:長屋晴子
靡く風も含めてよく似合ってるね
知らない街に2人ぼっちだ
「2人ぼっち」というのは「語り手の女性」と「黒いシャツを着た男性」のことでしょう。
「風に靡(なび)いて揺れている」のは男性の「黒いシャツ」ですが、女性自身が男性の魅力に「靡き(引き寄せられ)」、心が「揺れている」ことも連想できます。
そもそも「黒いシャツ」が「大人っぽい男性」を象徴しているのでしょう。
おそらく年上の男性に誘われるがまま、女性にとって「知らない街」にたどり着いてしまったシチュエーションだと考えられます。
アルコールがかけた魔法
出典:大人ごっこ / 作詞・作曲:長屋晴子
解ける前にその手に触れてしまいたい
なのにまだとぼけていたい
「2人」でお酒を飲んだのでしょう。
「ほろ酔い気分で夢見心地になっている状態」を「魔法にかかっている」と表現しているようです。
女性は酔いに任せて男性の「手に触れたい」と思いながらもためらっているので、裏を返すと、「2人」は「手をつなぐ」間柄ではなく、「まだ付き合っていない」ことがわかります。
要するに「友だち以上、恋人未満」の関係のままでいたいという話でしょう。
言葉にしなくちゃ届かないけど
出典:大人ごっこ / 作詞・作曲:長屋晴子
言葉にしたら失うものもあるよ
「あのね…」
また言えなかった
「好き」という気持ちは「言葉にしないと届かない」と自覚しつつ、告白してしまうと「2人」の関係性がおかしくなるかもしれないと考えているのでしょう。
交際を受け入れられなければ「男性を失う」ことになり、付き合うことになると「友だち関係や子どもらしさを失う」のではないでしょうか。
女性は後者の可能性が高いと感じていて、「大人っぽい恋愛」は自分にはまだ早いと思っているため「好き」と伝えられなかったと受け取れそうです。
明日になればこの夢は醒めてしまうの
出典:大人ごっこ / 作詞・作曲:長屋晴子
バスタブの泡は多過ぎて溢れる
臆病が身に付いて
明日の夢さえ作れない
まだまだまだまだこのままがいい
1番のサビです。
「バスタブの泡」が「大人ごっこ」の象徴とも考えられますが、どのタイミングでお風呂に入ったのかははっきりしません。
帰宅してひとりで自宅のお風呂に入ったのか、男性とデート中にお風呂に入ったのか、どちらでしょうか。
いずれにしても「明日になれば醒める夢」は「友達以上、恋人未満の関係」、「明日の夢」は「大人の恋愛」で、女性は前者を望んでいることが伝わってきます。
このままがいい
黒いシャツのその向こう
出典:大人ごっこ / 作詞・作曲:長屋晴子
今鏡に映して確かめたい
舞い上がって私 馬鹿みたい
「その向こう」というのも「シャツの下の肌」なのか、「シャツの下の心」なのか、はっきりしません。
「今」や「鏡」という言葉があるので、デート中にお風呂に入った雰囲気も漂いますが、帰宅してから自宅のお風呂で回想している可能性も残されています。
このいろいろと「どっちつかず」の状態になっているところも「大人ごっこ」といえそうです。
近付く度に離れちゃいそうで
出典:大人ごっこ / 作詞・作曲:長屋晴子
壊れないように後ろを気にしていた
「あのね…」
ああ 言いたかった
どうやら男性に「好き」と伝えたら友だち関係が「壊れる」だけでなく、恋愛関係には発展しない可能性もあるようです。
「付き合えるかどうかわからない状態」だから、男性は女性を誘うけれども、女性が男性のことを「好き」だとわかったら冷める恐れがあるのかもしれません。
ガラス窓に映ったあなたが曇って消えてゆく
出典:大人ごっこ / 作詞・作曲:長屋晴子
誤魔化しがきかないくらい胸がつぶれる
気付かれないようにと
可愛げのない顔してる
まだまだまだまだこのままがいい
2番のサビです。
男性の姿が「ガラス窓に映っている」ということは、デート中の入浴と考えるほうが妥当でしょうか。
その段階で「大人の関係」になることをためらったという解釈です。
あるいは「このままがいい」という純愛説を貫くなら、帰宅後に「ガラス窓に映る男性を想像した」ことになるでしょう。
「自分にないものをあなたはたくさん持ってる」
出典:大人ごっこ / 作詞・作曲:長屋晴子
あなたもそう言っていたね
ふたりはまるで別の生き物のようで
結末はもう分かっていた
「大人っぽい男性にないもの」とは「女性の子どもらしさ」かもしれません。
お互いに「好き」かどうかを「確かめる」こともせずに「大人の恋愛」に発展させようとする男性に対し、女性は純愛の望んでいたということでしょう。
「ないもの」を補い合う「破れ鍋に綴じ蓋(われなべにとじぶた)」的な良好な関係を築くことも考えられますが、「バスタブ」関連の「大人と子どもの違い」についてはハッピーエンドになるはずがないようです。
明日になればこの夢は醒めてしまうの
出典:大人ごっこ / 作詞・作曲:長屋晴子
バスタブの泡が焼き付いて離れない
臆病が身に付いて
明日の夢さえ作れない
まだまだまだまだこのままがいい
ラスサビは1番のサビとほとんど同じですが、「バスタブの泡は多過ぎて溢れる」が「バスタブの泡が焼き付いて離れない」に変わりました。
女性にとって「バスタブの泡」がトラウマになってしまったようなので、「大人っぽい男性」に合わせようと無理をしたものの、「臆病」が勝って「大人の恋愛」には発展しなかったという「結末」だったと考えられます。

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さいごに
早く大人になりたいと思ったり、いつまでも子どものままでいたいと思ったり、揺れ動くのが思春期の特徴ともいえるでしょう。
長い人生で考えると若い時期のほうが短いので、無理して「大人ごっこ」をする必要はなさそうですね。