『おしゃかしゃま』は2009年3月11日にリリースされた5th album『アルトコロニーの定理』の2曲目に収録されています。
ラップ口調かつ早口なのでとても印象に残る楽曲ですね。
カラオケJOYSOUNDの『難しくて歌えない曲ランキング』で2位にランクイン。
また楽器陣もかなりテクニカルでありコピーするのはかなり難しい曲です。
制作初期は5倍以上の歌詞があり、ディレクターに削るように言われ、今の歌詞になったそうです。
それだけの歌詞を詰め込みたかった『おしゃかしゃま』。
どんなことをVocal野田洋次郎は伝えたかったのでしょうか。
歌詞に込められたメッセージを考察してみましょう。

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おしゃかしゃま 歌詞考察
利己的な人類

利己的な人類を痛烈に批判してますね。
街のゴミを漁り、景観を損ねるカラスは害鳥として殺します。
農作物を食い荒らす猿も邪魔だから殺します。
でも動物園で柵越しに見るパンダは可愛いから増やします。
人間は産めよ、増やせよ。
人間の基準で命を選択してます。あたかも「人間は神様ですか?」と考えさせられる内容になってます。
僕らは神様

私たちは宗教は違えど神様や仏さまへの祈りを生活の一部とし、豊作や無病息災・家内安全などを太古から祈ってきました。
しかし、近年科学が発達し自分たちで生死を決定できる存在になり、「何様なのさ」とストレートな皮肉を言っています。

私たちは神様を見たことがないのに、絵画で見る神様は人型をしてますね。
それは無意識に人類が神様に近い存在と感じているからでしょう。

各列の最後を見ると、語尾が「チ」で終わっていて韻を踏んでいることがわかります。
歌詞は過激ですが、韻を踏むことによってリズミカルになり、重たい印象にならず聞くことができますね。
そのギャップが楽曲の魅力の一つです。
歌詞の内容は、「神様が人型なのは偶然なの?神様になる運命だから人型なの?それとも適当に書いたの?」と宗教画家を代表するレオナルド・ダ・ビンチに問いかけています。
みんな好き勝手言って、結局自分の都合のいいように生きてるんじゃないかとも読み解けますね。
限りない欲望

「仮に前世や来世があってもなくても現世を生きる自分には関係ない。人が好き勝手作った考えなんてどうでもいいよ。自分も好きにやるよ」と表していますね。
食物連鎖の頂上に立った人類はもっと上に行きたいと望み続ける欲深さを批評しています。
ノアの箱舟

旧約聖書によると神様は7日間で世界を創造しました。
6日目に人類を造りましたが、時が経つにつれ堕落する人類をみて洪水で滅ぼそうとします。これがノアの箱舟です。
自分で造った世界なのに嫌気が差して自分で滅ぼす。まさに自分勝手ですね。
歌詞はノアの箱舟を例にして自分だったらこうするのにと述べています。
責任の擦り付け合い

これは神様と人類と会話しているような場面ですね。
自分自身の愚かさ故と分かっているのに、どうして自分たちを滅ぼそうとしたの?と神様に問いただしてます。
人類も神様も利己的でお互いを責め、責任を押し付けてます。

「現世で悩んでも無駄じゃないか。来世で、とはいうけれど生きてるのは今の現世なのに。。。」と周りの考えに翻弄され自暴自棄になっている様子です。
「来世があるなら現世は無茶苦茶にしてもいいんじゃないか?考えたってしょうがないなら有耶無耶にして楽に生きていくのもいいんじゃないか?」という考えに至っています。
また来世や現世という言葉は仏教でよく使われる言葉です。
先ほどのノアの箱舟の記述やタイトル『おしゃかしゃま』からも分かるようにキリスト教と仏教を意識して書かれている歌詞になります。


この歌詞は、「どうせ何をやっても否定されるのに自分はどうすればいい?誰か答えを教えてよ」と言わんばかりですね。
判断基準は自分

これまでは他人の考えに翻弄されてましたが、ここで初めて「うるせうぇ、自分のことは自分で決めるよ」という結論を導き出しました。
そして、誰かが導かれた道じゃなくたって、ふと違う方向を向いたら道があるものです。人が好き勝手言ってきた考えより大事なのは”今”であり、自分で判断して生きていこうという意思表示をしてます。
まとめ
どうでしたでしょうか。
痛烈に人類・宗教を批判して社会風刺の曲に仕上がってます。
MVを見ても、国旗・仏像などが破かれたりしてるシーンがあり、視聴者に問題提起をしているようですね。
しかし、最後には自分自身で判断して生きていくことが大事だという結論に至っています。
これから自分はどのような道を選んでいくのか。神様になるのか、地獄に落ちるのかそれとも他の道を選ぶのか、そんなことを考えさせられる楽曲でした。