Aimer(エメ)さんの13thシングル「ONE」(2017年10月)の歌詞の意味を考察します。
「花の唄 / 六等星の夜 Magic Blue ver.」とのトリプルA面で、日本航空(JAL)の企業広告「平昌2018冬季オリンピック カーリング日本代表」のCMソングに起用されるなど、複数のタイアップがつきました。
Aimerさんが作詞、百田留衣さんが作曲した「ONE」の歌詞の意味をチェックしましょう。

ONE 歌詞考察
ONEに込められたメッセージ
Raise your flag, the only one
Don’t look back! You don’t let me down
Rushing out to rising sun
Nothing but the heart or crown
冒頭の英語は「君だけの旗を振りかざして。振り返らないで。がっかりさせないで。朝日に向かって走り出せ。心に響くこと、最高の瞬間を手に入れよう」といったニュアンスでしょうか。
「旗を掲げる」には「新しいことを始める」とか「理想や目標を示して行動する」などの意味があります。
戦いや事業を始めるときに実物の旗を立てることが元になっている表現ですが、ここで求められているのは「自分らしさ」や「自分の理想」を誇示することでしょう。
いつかのONE TWO STEP 踊っていた
ON & ONで揺らして
TWO-FIVE-ONEで鳴らして
どんどん 遠く 広がって You’re the one
曲名の「ONE」には、ベストアルバム「BEST SELECTION “noir”」(2017年5月)のラスト曲「zero」に続く、「新たな一歩」という思いが込められています。
その「ONE」に絡めた言葉が頻発していて、「ONE TWO STEP」はダンスのステップ(足踏み)のほか、「2ステップ」というダンスミュージック、UKガラージのサブジャンルも連想できます。
「ON & ON」は「延々と」という意味ですが、「ONE-E=ON」になっているところが言葉遊び的。
「TWO-FIVE-ONE」はツーファイブワン(II-V-I)というダイアトニックコードの2番目と5番目を並べたコード進行のことで、ジャズやポップスでよく使われます。
こうして音楽やダンスとたわむれているうちに、唯一無二の存在であるあなた自身の可能性が広がるのではないでしょうか。
君は いつだって 声をからして
笑って 泣いて 歌って
ONE BY ONEで刻んで
勇敢でいたいと願う
「ONE BY ONE」は「1つずつ、次々に」といった意味です。
傷つくことを恐れて言いたいことを言わずに黙っていれば「声が枯れる」ことはありませんが、それよりも喜怒哀楽を体験するたびに「声」を上げながら1歩ずつ進む「勇敢」な姿に心を打たれるという話でしょう。
Aimerさん自身、半年ほど声が出なくなった経験を経て、唯一無二のハスキーボイスにたどり着いたエピソードも重なります。
想像以上に歪んだ世界だったとして
Starting over 向こうへ
「Starting over」は「最初からやり直す」という意味です。
ときには想定外の衝撃的な出来事に絶望することもありますが、それでも乗り越えて先へ進もうと呼びかけています。
かかげた手をおろさないで
涙はしまっておいて
高らかに声上げていいよ
君だけの旗 振りかざして
明日を恐れないで
変わらない足取りを You keep on歌え 進め 届け You’re the one
1番のサビです。
英語の冒頭に呼応して、「自分らしさ」や「自分の理想」を掲げたまま前進するよう鼓舞しています。
「歌え」と「届け」が入っていることで、Aimerさんが自分自身を奮い立たせているイメージも重なり、共感しやすいのではないでしょうか。
さらに「進め」と「届け」はカーリングも連想できます。
初心に返ってやり直す強み
君は いつだって 胸を焦がして
甘くて ちょっと 苦くて
教室の外に向かって
どんどん それは 膨らんで
オリンピック関連のタイアップソングということで、「スポーツの応援歌」として受け止めることもできつつ、「Aimerさん自身の物語」が重ねられるといういつものスタイルになっていますが、ここにきて鼓舞している相手は学生ということが明らかになりました。
Aimerさん自身、若者に人気のSSWという点も考慮したのでしょう。
あるいはAimerさんもスポーツ選手も大人のリスナーも、学生時代を思い出せば初心に返ることができるはずです。
誰かが決めた君の“君らしさ”なんて
Turning over 素顔で
「Turning over」は「引っ繰り返す」という意味です。
「ONE」のようなダンスチューンはAimerさんとしては珍しいけれど、こうして新たな一歩を踏み出すのも「自分らしさ」かもしれませんね。
青さは無限のONE WAYへ
手のひら 空に置いて
憧れは声にしていいよ
朝日の向こうのONE DAYへ
少しだけ背伸びして
君だけに花束を You beam on笑え 弾め 踊れ You’re the one
2番のサビです。
「ONE WAY(一方通行)」と「ONE DAY(1日)」で韻を踏み、「You beam on(あなたは微笑む)」の「on」が「one-e」になっているところも「ONE」絡みの言葉遊びでしょう。
やはり「唯一無二の存在」という意味の「You’re the one」につながります。
ふりだしから踏み出す一歩は
前よりも ずっと強いから
挫折や停滞を経験しても、何度でも「初心に返ってやり直す」ことができるはず。
何回目かの「最初の一歩」は「ずっと強い」と寄り添ってくれているところが励みになりますね。
実際に「ONE」という楽曲が、Aimerさんにとっての「ふりだしからの一歩」になっているので、説得力があります。
かかげた手をおろさないで
涙もさらけだして
高らかに声上げていいよ
叶えたい夢 失くさないで
輝ける その日まで
変わらない足取りを You keep on歌え 進め 届け You’re the one
ラストのサビです。
オリンピックなどのスポーツ大会では旗を掲げる場面もあり、メダルを獲るとか優勝する、試合に勝つことが「叶えたい夢」に該当します。
さらにAimerさん自身の物語も重ねられていて、学生リスナーやかつて学生だったリスナーにとっても「自分の夢」を投影することができる歌詞になっていました。
音楽と共に、泣き笑いしながら前進し続けたいものですね。

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さいごに
Aimerさん自身の音楽的な新たな挑戦についてもたっぷり描かれていたうえに、リスナーそれぞれの人生も重ねられる応援歌になっていました。
とくに挫折気味、停滞気味のときに聴くと、泣き笑いしながら前進する励みになるのではないでしょうか。