今回はbacknumberの『オールドファッション』の歌詞を考察していきます。
本楽曲は『大恋愛~僕を忘れる君と』の主題歌にも起用され、多くの人の記憶に刻まれたラブソング。
若年性アルツハイマーを患った女性(戸田恵梨香)と、そんな彼女を10年間支え続ける男性(ムロツヨシ)の純愛が多くの人の胸を打ちました。
ボーカルの清水依与吏さんは制作にあたり次のようにコメント。
「最近ようやくこういう歌が書けるようになった気もしますが、最初からずっとこういう歌しか書いてないような気もしてます。このドラマの中で新しい登場人物と出会ったはずなのに、なんだかもう一度自分と出会ったような、不思議な気持ちになりました。大人になった、という自覚を持った今描く日常や記憶の歌だからこそ、淡くてもちゃんと光ってて、少しでもいいから甘くあって欲しいな、と思っています。」
「オールドファッション」とは
・時代遅れ
・某ドーナツショップの有名商品
を表す言葉。ここに共通するのは「多くの人に長く愛される普遍性あるもの」といったことを示唆しているように思います。
backnumberが『オールドファッション』で伝えたかったことは何なのでしょうか?考察していきます!

『オールドファッション』歌詞考察
僕の人生に珍しい存在

”よく晴れた空に雪が降るような”
そんな天気はとても珍しいものではないでしょうか?まさに”変な例え”です。
しかし主人公は「君」をそんな物珍しい存在だと言っています。
ドラマに即して言えば、間宮真司(ムロツヨシ)にとっての尚(戸田恵梨香)のことでしょう。
相思相愛で居続けられる相手とは、なかなか出会えません。
そうした点でも「珍しい」と言っているのかもしれませんね。
君という素敵な生き物

ここはbacknumberの味が存分に出ている歌詞。
「君」の素敵さを表現しようとして、2回も言ってしまうしつこさが少し滑稽で可愛らしいですね。
しかしそれが「君」にとってはどうでもいい。
少し淡白な女性と、情熱的で女々しい男性が、冗談を言い合う仲睦まじい姿が想像つきます。
君への愛情はもっとシンプル

あれやこれやと「君」の素敵な部分をいくつも挙げようとする男性。
しかし複雑な答えよりももっと答えはシンプルなのだと、彼女への愛情がストレートに歌われています。
自分に足りない部分の多さに辟易しながらも、それを補ってくれている彼女のすごさに改めて惚れ直しているといったところでしょうか。
素直な愛情が伝わる歌詞です。
引き換えにして君にあげたいもの

一見マイナスに見える「不安」「迷い」の心があるというのは、裏を返せば健康に生きられている証拠。
”出来るなら君と取り替えて欲しかった”というのは、自分のマイナス部分を彼女と引き換えたいわけではありません。
「(ドラマにおいて)感情すらも忘れてしまう彼女に、いろいろな感情を持つことのできる自分の心をあげたい」という気持ちの表れではないでしょうか?
自分を犠牲にしてでも、彼女を守りたいと思っている無償の愛を示しているのだと解釈できます。
また、
・「花」=僕、「風」=彼女
・「月」=彼女、「夜」=僕
だと言えるでしょう。
君と僕が会うのは「当然」だったのだ、という愛の確信がここには記されています。
離れるよりも不幸を一緒に味わいたい

好きな人との間に困難が訪れた時、お別れするよりも一緒に困難を乗り越えていきたい気持ちの方が強くなりませんか?”デコボコしてても並んで歩けばこの道がいいと思った”にはそんな愛が詰まっています。
しかし次の4行は少し雰囲気が異なります。
君がお祝いしようと言い出す日に、僕は落ち込んでいる。
つまりアルツハイマーで記念日を忘れてしまった彼女の病状の進行に、「僕」は深く落ち込んでいるのではないでしょうか?
でも大好きな彼女が「お祝いしよう」と笑顔で言ってきたらぐうの音も出ません。
落ち込みと嬉しさ。葛藤心が”不甲斐ないね”の言葉に表れているようです。
二人はもう

”僕はなりたかった”と過去形であるところに、二人がもう会えない場所にいることが分かります。
つまり『オールドファッション』は「僕」の回想シーンを表現した楽曲と言えるでしょう。
しっかり者の彼女に、一生懸命な「僕」。
二人の優しくて楽しい関係性が目に浮かぶようです。
長く続く愛は「オールドファッション」

”君なら ああ そう言うだろうな”と、予想している点からも、「僕」がもういない彼女の言動を予想し、切なくなっているのが分かりますね。
でも、寂しさや悲しさに留まらないのが『オールドファッション』の良いところ。
センチメンタルな「僕」が”君は後悔してないかな”と女々しくなる一方で、想像の中の彼女は”ドーナツ買って来てよ”と言う。
過去、二人が培ってきた美しくて優しい関係性が、今もなお「僕」の中に生き続けているのです。
この「ドーナツ」が「オールドファッション」に掛かっているのでしょうが、こうして「僕」の中に永久に存在し続けることも「長く続く愛」(=オールドファッション)を表現していますね。
二人の結びは自然の摂理

再び登場する「風」「花」「夜」「月」。
これは太古から当たり前に存在する自然物。
それと同様に、「僕」が「君」に会うのは当然の出来事だったのだとラストでも証されています。
毎日夜がやってきて、月が昇る。季節が巡って花が咲く。
自然の摂理と同じように、二人の関係と愛情はシンプルにつながっているのだと締めくくられるラストです。

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おわりに
いかがでしたか?
切なくも純愛を歌った『オールドファッション』。
これからも色褪せないラブソングとして多くの人の心に刻まれることでしょう!ぜひドラマも観て聴いてみてください!